4:シェイプシフター
イリシャ視点の話です。ちょっとグロテスクなので注意。
イリシャは内心、驚愕していた。
(シェイプシフター!? どうしてこんな場所にいるのよ!?)
シェイプシフター。他の種族に化けることを得意とする種族だ。
高位のシェイプシフターは上手く社会に入り込むと聞くが、まさか共同クエストの冒険者パーティに潜り込んでいるとは思わなかった。
努めて平静を装う。イリシャなりのプライドの保ち方だった。
宙をぐるぐると飛んでいたセイルがイリシャの横に着地し、ぼそりと呟く。
「間違いない。《輪廻事変》の残党だ」
輪廻事変。
人工輪廻機関《月》を破壊しようとした連中の、生き残り。
話には聞いていたが、まさか、こんな形で出くわすことになるとは。
「さあさあ、皆さん! 鬼ごっこの始まりですよ~!」
オークの青年こと《シェイプシフター》は、腕から生える触手を振り回した。
超高速に。乱舞するかの如く、刃の触手を振り回した。
まるで嵐だ。刃の嵐だ。
刃の嵐を生み出す《シェイプシフター》が……ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「さあさあ、逃げてごらんなさい。わたくしが鬼の番ですよ~」
「ひぃっ!?」
さくっ。
悲鳴と共に逃げ出した冒険者の首が、胴体から離れた。
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。
イリシャは、眼前で起きている出来事を夢か何かのように捉えていた。
「――イリシャ。よく見ろ。奴は刃の触手を発射している」
「……はっ!?」
セイルの言葉を聞いて、ようやくイリシャは状況を呑み込めた。
《シェイプシフター》の肉体からは触手が生えている。
先刻までは生えていなかった触手が、全身から生えている。
その触手の全てが、刃を抱えていた。
(こいつ、危険だわ)
イリシャは、恐怖で震える己の足を――必死の思いで制御した。
理性を以て、恐怖を制御した。
状況を理解しなくては。
イリシャは深呼吸した。
●ステータス
名前:セイル・ラザム
LV:9
性別:男性
種族:翼人族
職業:教師
生命力:55
魔力:88
活力:77
筋力:88
敏捷性:99
運:1
装備:モノクル、黒いコート、白いシャツ、赤いネクタイ、黒いジャケット、ズボン、ベルト、革靴
スキル:素材発見LV10、素材採取LV10、合成LV10、ランダム合成LV10、分解LV10、戦闘時装備、鷹の飛翔、異次元収納LV10、風属性耐性、秘匿
称号:《秘匿》により公開されません




