44話:僕の本当の死因
さすがはこの世界の神様。仰る通りです。
実は2019年の地球では、温暖化が進みすぎて、蚊が大量発生していた。
蚊。
極めて厄介な病原菌の媒介者。
その蚊が、化けた。
正確には、蚊が保有するデング熱が突然変異を起こして日本中で猛威を振るった。
いやー、2019年の冬は酷かったね! 冬の癖して気温がバカ高くなって、会社の商品が売れない売れない。しかも蚊だらけと来た。
外回りが宿命の営業(平社員)は、蚊に刺される運命だったのだ!
あまりにも体調が悪すぎて仕事が出来なくなり、医者に診て貰ったところ、突然変異性デング熱に感染しているとのこと。
突然変異性デング熱の致死率は99%。ありえねーと内心思いました。
ついでに『余命半年ぐらいです』とアバウトなんだか正確なんだか判断し難い診断を受けて、僕は安楽死の道を選んだのだった。
幸い(?)にも、突然変異したデング熱は空気感染もしなければ体液感染もしなかった。どうやら突然変異しすぎて、増殖能力や感染力に何らかの支障を抱えていたらしい。そら致死率99%の病気なんて、どう考えても子孫残せるわけないわ。宿主がまず死ぬわ。
てなわけで僕はオーストラリアに渡って安楽死を選んだのだった。
安楽死直前の問診で体の健康面をパスできたのは、そういった理由があるわけ。
そりゃそーだ。何の問題も抱えていない人を安楽死させることは絶対に無理。勝手に労働力に死なれてはお偉いさんが困るんよ。
でもさー、心の健康面をパスできないとか何やねん。こちとら結婚詐欺に遭った上に突然変異性デング熱にかかって死にそうだった身よ? 心の健康面パスできると思う? 正直なところ、心の健康面とかいう項目は何がなんでも労働力を死なせたくないために用意した項目にしか思えないんよね。
ま、僕は死んだけど、地球の方は大丈夫でしょ。2017年夏頃からカリフォルニア辺りで不妊虫放飼を応用した実験が行われている(実施しているのはなんとあのクークル社だ!)みたいだし、蚊はいずれ繁殖できなくなって死に絶えるに違いない。
いやー文明の発達ってスゴイなー。日本でも蚊の不妊虫放飼が大々的に許可されていればこんな事態にはならなかったと思うんだけどなー。
無いことを嘆いてもしょうがないので、僕は現実に向き合うぜ!
現実! それは異世界!! 眼前の水竜神様だーっ!!!
『であれば、一つ助言をしておこう』
ミゼルローン様、にやりと笑った。
あー、竜って笑えるんだなー。
親しみを感じる笑みだ。どことなく、そう思った。
ミゼルローン様はゆっくりと翼を広げ、言った。
『――《錬金術師》になれ! まずはそこからだ!!』
●ステータス
名前:カーン・オケ
本名:佐藤孝一
LV:5
種族:不明
職業:無職
称号:人殺し、忍耐の精神、守護の精神
スキル:存在同化、自動翻訳、情報把握・強、地属性耐性、疾走撃、味見、素材発見LV2、素材採取LV1、毒耐性、休憩LV1、傲慢LV2、同化存在解放、蚊の飛翔、吸血、細菌注入、剣化、甲殻虫の飛翔、晶化斬、暗闇・単、潜伏LV1、発火・単、地裂波、炎破、受け流しLV3、二刀流、熟練度把握、存在封印解除、存在封印
存在ストック:ナイトメア、ローグドモスキー、リスタルサーク、リスタルサーク
存在ストック上限:4/7
パーティ:フェリスのパーティに所属




