20話:フェリスさんの鞄には一杯巻物が入っている
料理。
……この状態で料理ってできんの?
果てしのない疑問が僕の中で蚊のように渦巻く。
いやいや、蚊はいらん! しっしっ!
体は同化しても、心までは同化させてやるものか! 僕の心は僕のものなんだからな! 誰にも渡してたまるものか!
とにかくも料理だ!
『お主らが空腹であると言うのであれば、我輩が料理を作ろう』
『なにッ!? いいのかッ!?』
フェリスさん、ガバッと立ち上がった。
この人……よだれを垂らしてる……。
マジで大丈夫なのか、この世界の女騎士。
『フェリス、カーン様はお客様なんだよ!? ダメだよ、あたしたちが料理を作らなきゃ!』
年下の方が常識人ってどうなんだ? まあいいけど。
エミルちゃんは育ち盛りっぽいから、ちゃんとした料理を食べさせてあげたい。フェリスさんは放っておいてもどうにかなるんじゃない?
さーて食材はあるかなー。僕はそんなもの持ってないし、聞いてみるか。
『フェリスよ、食材はあるか?』
その瞬間、フェリスさんは俯いてしまった。
『すまない……! 生憎と手持ちの食材は切らしていてな……!
本当は我々の方が客人に振る舞うべきなのだが――不覚ッ!』
あ、一応そういう常識はあったんだ。
無いならしょうがない。食材を探してくるかー。
『では、食材を探してくる』
『あたしも行くー!』
エミルちゃん、元気よく手を挙げたー! いやー元気っていいなー羨ましいなー!
そんで、フェリスさんはどうするん?
『私は出血と鎧の破損が酷い。《治癒・極》の巻物で出血を止めて、《修繕》の巻物で鎧を直す。
多少時間がかかるので、先に行ってくれると助かる』
それは構わないんだけどさ。
フェリスさん。
さっきから気になってたんだけど、君の鞄、どんだけ巻物が入ってんの?
●ステータス
名前:カーン・オケ
本名:佐藤孝一
LV:2
種族:不明
職業:無職
称号:人殺し、忍耐の精神、守護の精神
スキル:存在同化、自動翻訳、情報把握・強、地属性耐性、疾走撃、味見、ナイトメアの色々なスキル、傲慢LV1、同化存在解放、蚊の飛翔、吸血、細菌注入
存在ストック:ナイトメア、ローグドモスキー
存在ストック上限:2/3
パーティ:フェリスのパーティに所属




