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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第三章:魔王の日常
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オーク兵視点:恐竜って何スか?

オーク兵視点(一人称)の話です。


 遂にオールス国との戦争が始まりました。

 我々オーク兵はリレイン・ヴァラド連合国を守るために、華桜国と協力して、オールス国のエルフ兵と戦います。


 鬱蒼と森が茂る南部国境では既に1万人のオーク兵が槍と盾を構え、エルフ兵と対峙しています。

 敵対するエルフの数は分かりません。巫女スライムのスキル【千里眼】だけが頼りです。



 巫女スライム……。そう、華桜国が派遣した軍隊は全員、スライムだったのです。



「華桜国から派遣されてきた兵士、スライムだらけッスね」

「俺たちも同じようなもんだろ。魔軍は全員オークだぞ」

「それもそッスね」


 私はどうでもいいことを先輩と話しました。

 実際に、種族の問題は割とどうでもいいというのがリレイン・ヴァラド連合国の考え方だったので、特に深くは突っ込みませんでした。


「エルフが攻めてきましたー!」


 スキル【千里眼】を通じてエルフの動向を窺っていた巫女スライムが警告を発します。


「全軍突撃!」


 オーク・ジェネラルが命令を下します。

 我々オーク兵は、歩兵としての役目を全うするため、突撃を開始しました。


「遅い遅い! オークよ、死ぬがいい!」


 奇妙な動物に乗ったエルフ兵が乱暴な言葉遣いと共に、こっちに向かってきました。


「何ですか、あの動物は!」

「冒険者の報告にあった【恐竜】ってやつじゃないのか?」

「恐竜!?」


 恐竜! 竜の亜種か何かでしょうか?

 私は気になり、先輩のオーク兵に尋ねてみました。


「先輩、恐竜って何スか!? 竜とどう違うんスか!?」

「俺は専門家じゃないので分からんが――」

「死ねぇい!」


 手綱で大きな恐竜を操り周囲のオーク兵を蹴散らすエルフは、先輩オーク兵に突進してきました。


 ――危ない! そう思った瞬間、先輩オーク兵は魔法を唱えました。


「【スネア】!」


 先輩オーク兵の背後に精霊【ノーム】の姿が見え、次の瞬間、大地が手を伸ばしました。


 足を絡め取るかの如く変形する大地に囚われ、恐竜は転倒しました。恐竜の背中から勢いよくエルフが射出されます。


「ウワーッ!」


 先輩オーク兵は、勢いで突っ込んできたエルフに石突の一撃をくれてやりました。


「グハーッ!?」


 ああ、これは痛いです。

 気絶したエルフの収納を巫女スライムに任せ、先輩オーク兵は「ふう」と息をつきました。


「――魔法は使えないらしいな」




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