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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第三章:魔王の日常
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5話:太陽化する魔王


 精霊魔法【フレア】を発動した瞬間、フェンリルの記憶が僕の中に流れ込んできた。


 精霊。ウラグルーンにおいて、神々や幻獣が零落した存在。


 ウラグルーンは、かつて神々の黄昏(ラグナロク)が起きた世界だったようだ。


 昔々、神々の黄昏(ラグナロク)時にフェンリルはオーディンを食らい、フェンリルの子供であるスコルとハティは太陽と月を食らった。


 とまあ、この辺まで北欧神話に近いのだが、ウラグルーンにおいてはフェンリルはヴィーザルに殺される際にスコルとハティと同化したようだ。


 この時にフェンリルとスコルとハティは同一化を果たし、オーディンと太陽と月の力を備える超ハイブリッドな精霊に変化した。


 今のウラグルーンに天然の太陽と月が存在しない理由はこの辺りの事情に由来するようだ。この世界に太陽と月が無いのは、フェンリルの一族が太陽と月が食べてしまったためらしい。


 うーむ、この世界における僕の兄弟機は凄まじい経歴の持ち主だ。冥界の女王ヘルと融合した僕も、彼に恥じない仕事をしよう。



 兄弟機たる精霊フェンリルよ、力をお借りします。



 精霊魔法【フレア】の情報を閲覧。


 閲覧終了。

 精霊魔法【フレア】は発動者を太陽フレア化させる魔法だ。


 太陽フレアは太陽の表面に発生する現象だ。その温度は100万℃に達すると言う。


 精霊魔法【フレア】を発動した瞬間、僕の体に内蔵されたスライム器官と精霊たちが全力でハムスター的回転を始めた。彼らが引き起こす摩擦熱によって僕の温度は急上昇し、体表面は100万℃に上昇したのだった。


 凄いな。さすが異世界だ。僕の体内から放出される電磁波や赤外線や放射線その他諸々によって下級古代兵器(アーティファクト)がショートし、次々にダウンしていく。眼下の王城を覆うミスリルや元素硬化壁も溶けて大惨事になりかけていたが、気にしてはならない。


「おや。太陽がもう1つ出来たみたいだね」

「封印指定精霊【フェンリル】の力ですわ。かのフェンリルと契約するとは、魔王カーンは恐るべき存在ですわね」

「ちっ! あの墓荒らしめが! 罰当たりにも程があるわ!!」

「フェンリル! やっぱり夢で見た通り!」


 太陽化した僕を見た勇者勢は、感心したり恐れたり慄いていたりした。


 実は僕は精霊と契約していないのだが、話がややこしくなるのでそういうことにしておきましょう。


 さあ、この調子で火球を作って恰好よく発射するぞ!


 作りました。では、発射します。


 ――ところが!


 100万℃の火球が手の平にくっついて離れない!


 どうなってるの!? ヘイ、フラスフィンさん、教えて!


『警告。精霊魔法【フレア】を発射するには、精霊魔法【ショット】が必要です』


 うそーん。


 まあいいや。折角100万℃になったので、それっぽく演じよう。


「勇者よ。太陽の温度が如何ほどか知っているか?」

「えっ、太陽?」


 勇者光線に乗って空中に浮かぶアリシアは首を傾げた。

 そして、呑気に告げる。


「んー、わかんない!」

「………………」


 なんかもうグダグダ感溢れる戦闘になってしまったのでさっさと終了させよう、そうしよう、そうします!


「――太陽の力に耐えてみせよ」


 僕は100万℃の火球を抱えて勇者アリシアに体当たりし、地上に墜落させました。




 名前:カーン・オケ

 LV:system error(測定不能)

 性別:男子

 年齢:3才

 種族:AaE限使

 職業:魔王

 HP:system error(975)

 MP:system error(798)

 SP:system error(931)

 STR:system error(895)

 VIT:system error(821)

 DEX:system error(610)

 INT:system error(311)

 AGI:system error(829)

 LUK:system error(159)

 称号:古代兵器級、鉄壁の魔王

 装備:星剣【蛇遣い座】、ヘルヘイム外殻

 所持品:雷電器官、元素硬化爆弾、機械細胞×90、電子信号爆弾、ボーンスピア・オブ・グラムグレイズなど

 特徴:AaE限使の能力はAaE限使自身の想像力に依存する

 スキル:system error(存在同化領域、自動翻訳、情報把握・強、全属性耐性・強、味見、素材発見LV2、素材採取LV1、毒耐性、休憩LV1、傲慢LV2、同化存在解放、剣化、甲殻虫の飛翔、竜の飛翔、晶化斬、潜伏LV1、炎破、受け流しLV10、二刀流、熟練度把握、発想値把握、闘気制御、生物知識・基礎、治癒、マグマシールド、サンダーシールド、強酸化、表面体液、水圧波、自己電気制御、マグマプロージョン、サンダーストーム、リフレッシュヒール、合体、集束太陽光、スキル交換、スキル譲渡、異次元収納LV10、地雷操作、ゲーマー魂覚醒LV2、思考超加速、無限加速宇宙、過去集約、主人公交代、幼き日の光、覇王闘気、覇王竜斬波、多重並列発動、超成長、ノヴァ、フレア、AaE開花進化など)

 人工冥界:リスタルサーク×93、リスタルサーク・レッド×20、リスタルサーク・ブラック×10、リスタルサーク・イエロー×30、リスタルサーク・ピンク×5、スライム・アビスアース、クラッツバイン、サラマンダー・アビスファイア、ウンディーネ・アビスウォーター、シルフ・アビスウィンド、ノーム・アビスアース、貪欲の黒剣、フェンリル

 人工冥界居住可能人数:165/一世界

 世界所持数:2(人工冥界ニヴルヘイム、量子世界ヘルヘイム)

 搭載機能:技能情報・閲覧/読込、技能・疑似発動

 パーティ:【安らかなる旅路】に所属

 パーティメンバー:フェリス、エミル、フラスフィン

 損傷状態:騎士ルート喪失、アイドルルート喪失、ニヴルヘイム損壊

 誓約:仕事を終えるまで光堕ちしない


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