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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第三章:魔王の日常
175/240

0-4:魔王の日記(華桜国との同盟、土地と命の繋がり)

六竜歴1560年2月21日~6月30日:


「なぜ私がイリシャを引き取ったか、分かるかね」


 僕はセイル先生を見舞うために、【華桜国】南部の療養所に向かいました。

 そこで僕は、セイル先生からこんな話を聞きました。


 曰く、エルフと翼人族はしばしば対立しており、翼人族は虐殺されてきたそうです。

 六竜歴300年頃に翼人族がオールス国の空を飛んでいる時に「領空侵犯だ」といちゃもんをつけたことに端を発するそうで、以来、エルフは翼人族は対立を続け……その辺の話を語ると長くなるので端折はしょります。


 大事なのは、今です。


 セイル先生がエルフの子たるイリシャを引き取ったのは、「ひょっとしたらこの娘ならエルフを変えられるかもしれない」という淡い期待もあってのことだったそうです。

 もっとも、エルフの所業の酷さに見かねたという感情的なものもあるようです。

 セイル先生の意図を聞いた僕は納得すると、セイル先生を『修復』するために【リフレッシュヒール】を発動しました。

 ところが、【リフレッシュヒール】は発動しません。AaE限使に進化した副作用がいよいよ本格的に現れてきたようです。

 不本意ながらも、僕はセイル先生の『修復』を保留することにしました。自分の無力さに対して静かに怒りを感じながらも、僕は務めて明るく振る舞いました。


「オールス国の脅威は大体わかった。今後のために華桜国の王と会ってくる。

 じゃ、お大事に!」


 というわけで、天守閣です。

 華桜国の立派な天守閣の前に辿り着いた僕は、叫びました。


「我輩の名はカーン・オケ! リレイン・ヴァラド連合国の王なり!

 突然の来訪、申し訳なく思う! この国の王は何処におろうか!」


 ぷるぷるとした衛兵(注:華桜国の衛兵は全員が東洋スライム)が脇に移動し、東洋風の甲冑を着た狐が姿を見せました。


「よく来たのう、カーン殿。噂は聞いておるのじゃ」

「リレイン・ヴァラド連合国の代表として、キツネ・ショーグン殿と折り入って相談をしたいことがあります!」


 キツネ・ショーグン。

 文字通りの意味です。狐で将軍です。

 狐を擬人化した生物ではありません。狐です。見た目は完全に狐そのものです。もふもふしています。


「エルフが仕掛けた古代兵器アーティファクトを回収してきました。

 キツネ・ショーグン様に献上いたします」


 僕は、エルフたちが華桜国に仕掛けた古代兵器アーティファクトを人工冥界【ニヴルヘイム】から取り出しました。


 この数十日の間に、僕はエルフが設置した古代兵器アーティファクトの発見と回収に奔走していました。

 灯台のような形をした古代兵器アーティファクトの数々を見たキツネ・ショーグンは、「ほほう」と感嘆しました。


「この道具には見覚えがあるのじゃ。

 そうじゃな、【断龍脈機ウィルライン・ジャマー】じゃったかのう。土地と命の繋がりを絶つ古代兵器アーティファクトじゃ」


 はて? 土地と命にどのような関係があると言うのでしょうか?


「お言葉ですが、土地と命にどのような繋がりがあるのでしょうか?」

「魔力は土地に宿っておるのじゃ。連携陣は知っておるのかの?」


 この世界に生まれて1日目に【連携陣・攻】を食らったことがあります。

 あの時は命の危機を感じたものです。いやぁ、懐かしい懐かしい。


「一応は知っています。僕が見た連携陣は、4人がかりで発動する代物でした」

「うむうむ。連携陣は4人以上の仲間がいないと発動せん代物じゃ。連携陣が発動すれば、仲間の魔法が融合し、より強力なものとなる。

 では、連携陣を発動するための魔力はどこから来るのじゃろうか?」


 僕は、キツネ・ショーグンが何が言いたいのかを察しました。

 魔法を発動させるには魔力が必要です。その魔法を合体させるには、更に魔力が必要です。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 僕は、推測を口にしました。


()()ですか?」

「うむうむ。その通りじゃ。

 地竜神が残した教えによると、土地というものは多くの命の上で成り立っているそうじゃ。命が栄えれば土地は実る。土地が実れば命は豊かになる。豊かになった命は『認証』され、土地の一部として魔力が分け与えられるそうじゃ」

「なるほど……。そういう仕組みがあったのですね」


 地上に生物が増えれば増えるほど、土地から生物に対して供給される魔力が増えるということなのでしょう。

 この世界の生物が魔力を宿しているのは、土地から魔力を供給されているためです。逆に言うと、土地から切り離されると魔力を失うことになります。


 キツネ・ショーグンと幾つか話をした後、僕は本題を切り出すことにしました。


「リレイン・ヴァラド連合国はオールス国を脅威として認識しております。

 華桜国と軍事同盟を結びたく思います」

「おお、良いぞ。わしもお主と同盟を結びたく思うておったのじゃ」


 華桜国とは貿易でwin-winの関係にあったので、同盟の締結も上手くいきました。

 有事に際しての軍事力の貸し出しや決まり事などを数か月がかりで纏めた僕とキツネ・ショーグンの間には、奇妙な縁が芽生えたようです。

 今後のウラグルーンの動向を話し合った僕たちは、フレンド登録をすることになりました。


「これも何かの縁じゃ。儂と『ふれんど登録』をしようぞ!」

「はい!」


 ピコン。僕の脳内に埋め込んだSE再生装置から効果音が鳴ります。

 そして、フレンドリストに追加された名前を見た僕は、キツネ・ショーグンの名前が『葛の葉』だと気づいたのでした。


「これからは名前で呼び合うのじゃ♪」

「はい! これからもよろしくお願いします!」


 こうして、華桜国が擁する侍、僧兵、巫女、符術師たちが同盟軍に加わったのです!


●ステータス

 名前:カーン・オケ

 LV:system error(測定不能)

 性別:男性

 種族:AaE限使

 職業:魔王

 HP:system error(975)

 MP:system error(798)

 SP:system error(931)

 STR:system error(895)

 VIT:system error(821)

 DEX:system error(610)

 INT:system error(311)

 AGI:system error(829)

 LUK:system error(159)

 称号:古代兵器級、鉄壁の魔王

 装備:星剣【蛇遣い座】

 所持品:雷電器官、元素硬化爆弾、アダマンタイト装甲、アダマンタイトコア、外部記憶装置、量子演算回路、放熱板×3、機械細胞×99、電子信号爆弾、ボーンスピア・オブ・グラムグレイズなど

 特徴:AaE限使の能力はAaE限使自身の想像力に依存する

 スキル:system error(存在同化領域、自動翻訳、情報把握・強、全属性耐性・強、味見、素材発見LV2、素材採取LV1、毒耐性、休憩LV1、傲慢LV2、同化存在解放、剣化、甲殻虫の飛翔、竜の飛翔、晶化斬、潜伏LV1、炎破、受け流しLV10、二刀流、熟練度把握、発想値把握、闘気制御、生物知識・基礎、治癒、マグマシールド、サンダーシールド、強酸化、表面体液、水圧波、自己電気制御、マグマプロージョン、サンダーストーム、リフレッシュヒール、合体、集束太陽光、スキル交換、スキル譲渡、異次元収納LV10、地雷操作、ゲーマー魂覚醒LV2、思考超加速、無限加速宇宙、過去集約、主人公交代、幼き日の光、覇王闘気、覇王竜斬波、多重並列発動、超成長、ノヴァ、フレア、AaE開花進化など)

 人工冥界:リスタルサーク×93、リスタルサーク・レッド×20、リスタルサーク・ブラック×10、リスタルサーク・イエロー×30、リスタルサーク・ピンク×5、スライム・アビスアース、クラッツバイン、サラマンダー・アビスファイア、ウンディーネ・アビスウォーター、シルフ・アビスウィンド、ノーム・アビスアース、貪欲の黒剣、フェンリル

 人工冥界居住可能人数:165/一世界

 世界所持数:2(人工冥界ニヴルヘイム、量子世界ヘルヘイム)

 パーティ:【安らかなる旅路】に所属

 パーティメンバー:フェリス、エミル、フラスフィン







(しばらくは日記形式で話が進みます)

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