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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第二章:棺桶の就職
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65話:再誕


 僕は、僕という存在が世界記述を超越しつつあることを悟った。



 世界記述。それは、世界を管理するために創られた枠組み。この枠組みがあるからこそ、スキルは発動でき、この世界に由来するものはこの世界に拒絶されることなく受け入れられる。



 僕はその世界記述を超える。



 世界記述を超越した瞬間に僕を迎えた感情は――歓喜ではなく、恐怖だった。


 世界を守り管理するための機能から独立することは、死の荒野に向かって歩み出すに等しい。


 安寧の楽園から、僕は、奈落の現実世界に生まれてくる。



 ここに至り、僕は初めて、世界記述に守られていたという実感を得た。



 今までずっと守られていた。

 これからもずっと守られていればいいのではないか?



 だが、それではフラスフィンの傍には立てない。

 


 世界記述に守られていた僕は、独立を選んだ。



 もう一度、エミルとフラスフィンに会いたい。

 その気持ちだけが、僕の支えとなった。



 魂の底から浮かび上がる光を僕は握り締める。



 世界記述を超えるってことは、神を超えるってことだ。


 神を超えるってことは、自分自身との戦いを意味する。


 世界記述を超えた存在は、何者にも守られていない。風の元素にぶつかったら物理的ショックで死んでしまうかもしれないし、地の元素の上を歩いていたらうっかり透過して奈落の闇に落ちてしまうかもしれない。


 そりゃそうだ。【風の元素】や【地の元素】とかいう元素は異世界特有の元素であって、地球の元素とは違う。未知の元素である“それら”が今まで僕の体に対して無害だったのは、世界記述の機能によって、僕という存在が保護されていたからだ。



 僕はこれから、一歩歩いただけでも即死するかもしれないという理不尽な恐怖に苛まれる羽目になる。



 それは理不尽極まるリスクであり、地球のゲームで言うところの『スペルランナー(通称スペラン)』みたいなものだ。


 世界記述に守られていないのだから当然とも言える。多大なリスクを背負ってまで世界記述を超越する理由は惚れた女に会うためなのだから、笑えてくる。



 死の恐怖に対抗するために、僕は今この瞬間に、キャラクターエディットシステムを創造した。



 キャラクターエディットシステムを稼動させ、意識を生じさせるための肉体を形成させる。人工闇竜だった頃の元素を原子レベルまで解体して、新しい肉体を構成するための器として再利用する。


 人工闇竜だった頃の元素を流用しているのだから、拒絶反応は少ないだろう。万が一拒絶反応が出ても、拒絶反応のレベルが低くて致命傷には至らないはずだ。


 髪の色はどうしようか。無難に黒髪にしておこう。しかしトウマとキャラが被ると何だか嫌なので、髪型はミディアムっぽい感じでしっとり系にしておくか。


 瞳の色? 別にこだわりは無いけれど、ファンタジー世界なので青色にしておこう。


 男性器並びに生殖能力の有無? 無いと寂しいので、一応、有りを選択しておこう。



 ザ、ザザー。


 ピコン。



『システムエラー発生』



 え?

 なに?



 馬鹿な。

 見た目は男性なのに男性器と生殖能力を付けられないだと!?



 何がどうなってるんだ!?

 フラスフィンさん、聞こえているなら詳細を報告して下さい!



 ザ、ザザー。


 ピコン。



『キャラクターエディットシステムにバグが発生しています』



 あっ……。



 僕は事態を悟った。

 奈落の種子(アビス・シード)は概念を汚染してバグを生む代物だ。奈落の種子(アビス・シード)を消費して【AaE開花進化】した際に、僕という存在を通じて奈落の種子(アビス・シード)が世界記述を汚染し、キャラクターエディットシステムをバグらせてしまったのだ。



 キャラクターエディットシステム自体は僕がいま作ったばかりなのに、それをバグらせたのは僕。まさかの展開である。



 あーあ、どうしたものかなー。

 どうしたものかなー!



 ま、まあ、いいか。生殖器は無しでいいよ、うん。



 うーむ。色々と計算が狂ってしまった。


 衣服はどうしたものか。


 生殖能力こそ無いものの、見た目は男だ。ここはビシッと決めよう。


 黒を基調として部分的に真紅の装飾が施されたスタイリッシュなコートにしようじゃないか。

 シャツの色は黒だ。それからズボンにベルトに靴下に靴を一通り揃えて、良し。



 キャラクターエディット、完了だ。










 ――そして、未来地平は()()()()に変わった。




●ステータス

 名前:カーン・オケ

 本名:system error(佐藤孝一?)

 LV:system error(測定不能)

 性別:男性

 種族:AaE限使(NEW!)

 職業:system error(無職?)

 HP:system error(692?)

 MP:system error(267?)

 SP:system error(572?)

 STR:system error(602?)

 VIT:system error(498?)

 DEX:system error(185?)

 INT:system error(125?)

 AGI:system error(356?)

 LUK:system error(112?)

 称号:system error(古代兵器級?)

 装備:対魔殺戮剣・超絶限界加速式+++封印形態(封印解除)

 所持品:雷電器官、元素硬化爆弾など

 特徴:AaE限使の能力はAaE限使自身の想像力に依存する

 スキル:system error(存在同化領域、自動翻訳、情報把握・強、火属性耐性、地属性耐性、味見、素材発見LV2、素材採取LV1、毒耐性、休憩LV1、傲慢LV2、同化存在解放、剣化、甲殻虫の飛翔、竜の飛翔、晶化斬、潜伏LV1、炎破、受け流しLV10、二刀流、熟練度把握、発想値把握、闘気制御、生物知識・基礎、治癒、マグマシールド、サンダーシールド、強酸化、表面体液、水圧波、自己電気制御、マグマプロージョン、サンダーストーム、リフレッシュヒール、合体、集束太陽光、スキル交換、スキル譲渡、異次元収納LV10、地雷操作、ゲーマー魂覚醒LV2、思考超加速、無限加速宇宙、過去集約(NEW!)、主人公交代、幼き日の光、AaE開花進化など)

 人工冥界(NEW!):リスタルサーク、リスタルサーク、スライム・アビスアース、クラッツバイン、サラマンダー・アビスファイア、ウンディーネ・アビスウォーター、シルフ・アビスウィンド、ノーム・アビスアース

 人工冥界居住可能人数(NEW!):8/一世界

 世界所持数:1(NEW!)

 パーティ:【安らかなる旅路】に所属

 パーティメンバー:フェリス、エミル、イリシャ、セイル、フラスフィン



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