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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第一章:棺桶転生
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15話:他人には見えないゲージ類


『フェリス。すまぬが、手を離してはくれぬか。

 我輩のHPゲージが赤色になっているのでな』


 ふぅ、ようやく言葉を捻り出せた。


 フェリスさん、ハッとしてパッと手を離した。


『お、おお、すまない!

 して、HPゲージとは何なのだ?』


 え。


 HPゲージ、知らないの? 騎士なのに?


『この世界に来た時より、我輩の眼にはHPゲージなるものが見えるようになった。

 どうやらこれは自身の体力を表してるようだが、何か知らぬか』


 フェリスさんとエミルちゃん、顔を見合わせた後、ぶんぶんと頭を横を振った。


『いや、知らないぞ。そも、HPとは如何なる地域の方言だ?』

『ヒットポイントの略だ』


 フェリスさんは「ん?」と首を傾げた。


『意味を理解しているではないか。私を試すとはカーン殿も意地が悪い』

『じゃあ、HPはカーン様だけが持っている思想なんだね!』



 え。



『念のため聞くが、MPゲージは知らぬか?』

『MP? なんだそれは?』

『SPゲージは?』

『SP? なんだそれは?』



 ――ダメだこりゃ。

 僕の頭が痛くなってきた。つーか棺桶に頭ってあるんですかね。



 しかし、まさかここまで会話が成立しないとは思わなかった。


 フェリスさんにもエミルちゃんにも見えないHP・MP・SPゲージ。まさかこのゲージ類が見えるのが自分だけとは……。


 この世界の住民は、どうやってHPとか管理してるんだ?


 そういえば、盗賊集団が魔力切れとか言ってたな。魔法が発動できなくなってから初めて魔力切れだと気づくパターンなのか、この世界。



 うわー雑だなー。雑すぎるわー。



 うん。この流れになるとさ、あれだよね。


 僕がパーティメンバーのHP・MP・SPのゲージを管理するようになるタイプの展開だ。


 システムメッセージさん、そこら辺どうなのよ?



 ピコン。


『スキル《情報把握》がスキル《情報把握・強》に進化しました』



 よっしゃあああああああ! キタコレ! スキル進化!



 って喜んでる場合じゃねぇぇぇぇぇぇぇ! 本当にフェリスさんとエミルちゃんのHP・MP・SPゲージが見えるようになっちゃったよ!



 あわわわわ。フェリスさんとエミルちゃんの頭上に3つのゲージが並んでおる。


 ザ・ネトゲで見た光景。ファンタジー要素、台無し。


 僕のスキル《情報把握・強》が他の人にバレたらまずい。パーティメンバーのHP・MP・SPを管理せよという仕事を押し付けられかねん。


 嫌だぞ、そんな聖職者みたいな真似事! ただでさえこの世界に来たばかりなのに、パーティメンバーのHP・MP・SPの管理なんて出来るか! 第一、回復スキルなんて持ってないわ!


 とりあえずこのスキルの存在は秘匿しておこう。そうしておこう。


 ドンッ。


 ん?

 何だ? 今の音は?

 幻聴か? 今日は色々とあったからな、きっと過労で幻聴がだな……


 ドンッ!


 幻聴じゃねぇぇぇぇぇぇ!

 このテント、揺れてるよ! ぐらぐら揺れてるよ!



 ブーーーーーン……


 しかも!

 時折混じるこの耳障りな音!

 間違いない!




 ――蚊だ。




●ステータス

名前:カーン・オケ

本名:佐藤孝一

LV:2

種族:不明

職業:無職

称号:人殺し、忍耐の精神、守護の精神

スキル:存在同化、自動翻訳、情報把握・強(NEW!)、地属性耐性、疾走撃、その他色々なスキル、傲慢LV1、同化存在解放

存在ストック:ナイトメア

存在ストック上限:1/3

パーティ:フェリスのパーティに所属


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