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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第二章:棺桶の就職
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53話:首都ゴルバンへ


 今日の朝食は、黒パンとオムレツとオニオンスープとサラダとリンゴ入りヨーグルトだった!


 オッムレツオッムレツ、嬉しいな~♪


 サラダはプチトマトとレタスとコーンの盛り合わせだ! 黒パンは堅い! けどオニオンスープに浸けると柔らかくなって美味しい!


 角切りリンゴが入ったヨーグルトは、酸味が程よく利いた味だった。乳酸菌はこの世界にもいるんだなー、わーい乳酸菌は凄いなーと思いました。


「知ってる? 魔法って【魔法適性】が無いと使えないのよ。あんたはどの属性の魔法適正があるのかしら。ふふふ、楽しみだわ」

「ふええ……。驚かさないでよ、イリシャちゃ~ん」


 イリシャとエミルは少し仲良くなったようで、錬金術と魔法について語り合っていた。仲良きことは素晴らしきよ。


 フェリスさんはモリモリとオムレツを食べまくり、フラスフィンさんは銀のスプーンを使ってリンゴ入りヨーグルトを口に運んでいる。


 普段無表情なフラスフィンさんだが、リンゴの甘味とヨーグルトの酸味が醸し出す王道朝食コンビには勝てないのだろう。彼女の表情は少しばかりにこやかに見えた。


 しかしながら、僕の戦友たるセイル先生はどこか浮かない顔で食事をしている。何かあったのだろうか?


 【未来集約ギャザーフューチャー】を使えばセイル先生が置かれた状況を調べられるが、特にそういう気分じゃなかったので調べなかった。


 僕らが朝食を食べて歯磨きし終えた後、セイル先生が告白した。


「カーン。ヴァラド国が首都ゴルバンの王城に来てくれないかね。

 恐らくは……いや、これは十中八九間違いない事実とも言うべき予想なのだが、次期国王の座を賭けて、国王シュトルムが君に決闘を申し込むはずだ」


 フェリスさんは飲んでいた水を盛大に噴き出した。


「こ、ここここ国王が決闘!? 国王が軽々と決闘するものなのか!?」

「フェリスー、汚いよー」

「あっはははは! ウケるー!」


 エミルがフェリスに突っ込みを入れ、イリシャが爆笑する。


 セイル先生を前にして今更『我輩』と言うにも格好が付かないので、僕はフランクに答えた。


「要領が掴めないんだが、どういうことなんだ?」

「【領土守護結界】は何者にも破壊されない結界だ。それを君が一部とは言え破壊した」


 あっ、そういうことね。

 何となく事情を察した僕にセイル先生は告げる。


「領土守護結界の破壊は過去に例が無い。正真正銘、前代未聞の出来事だ。

 この事実が新聞を通じて民衆に流布されれば、現国王の信用失墜は免れない。現国王シュトルムは名誉回復のために、結界破壊者である君に決闘を挑むだろう。

 今後君がこの世界をどう回すのかは私にも分からんが――とりあえず、シュトルムに勝て」


 僕は思ったことを口にした。


「セイルはシュトルムっていう人と仲がいいのか?」


 さっきからセイル先生は現国王シュトルムの名をまるで知り合いか何かのように連呼している。

 セイル先生は己の髭を撫でた。


「昔の戦友だ」

「じゃあ、僕は戦友の戦友と戦うわけだ」

「奴は強いぞ」

「備えが必要だな」


 【未来集約ギャザーフューチャー】、発動。シュトルムが化身、もしくは魔物かどうかを明らかにせよ。ついでに、今朝においてイリシャとエミルとフェリスとフラスフィンさんの間に起きた出来事も開示せよ。


 検索結果出力完了。シュトルムは【化身】でも【魔物】でもない。


 ということは、最終形態ファイナルフォーム顕現は使えないことになる。純粋に自分の力だけで勝つ必要があるというわけだ。


「カーンは国王に勝てるのかしらね」

「勝てるよ、絶対!」


 イリシャがふふんと鼻を鳴らす中、エミルちゃんが竜眼石の杖を握って僕の勝利を祈願する。


「カーン殿、いざとなったら私の剣を貸そう。遠慮なく使ってくれ」


 フェリスさん、申し出は非常に嬉しいのだが、君はとりあえず【半竜化形態】を解除するべきだと思う。

 半竜化形態の最中は、ほぼ全身が竜鱗に覆われるわけだが……この竜鱗は皮膚が変形したものである。つまり、今のフェリスさんは全裸である。この事実をフェリスさんは知らないのだろうか。どう指摘すれば良いのだろうか。

 まあいいか。フェリスさんはフェリスさんで上手くやってくれ。



 フラスフィンさんを見ると、彼女は頷いてみせた。



「私が首都まで転移ワープさせます。

 ――カーンよ。世界を破壊するために、勝ちなさい」



「承知した」



 言われるまでもなく、僕は勝つつもりだ。


 僕らは宿をチェックアウトすると、フラスフィンさんが生成した転移魔方陣に乗り、首都ゴルバンに転移ワープした。




●ステータス

名前:カーン・オケ

本名:佐藤孝一

LV:1

種族:人工闇竜・成長体

職業:無職

称号:人殺し、忍耐の精神、守護の精神、巨乳美女を警戒する、古代兵器級、地雷屋さん

隠し称号:神帝から観察されている

スキル:存在同化領域、自動翻訳、情報把握・強、火属性耐性、地属性耐性、味見、素材発見LV2、素材採取LV1、毒耐性、休憩LV1、傲慢LV2、同化存在解放、剣化、甲殻虫の飛翔、晶化斬、潜伏LV1、炎破、受け流しLV10、二刀流、熟練度把握、発想値把握、闘気制御、生物知識・基礎、異次元収納LV10、鼻伸ばし、地雷操作、ゲーマー魂覚醒LV2、無限加速宇宙、未来集約、幼き日の光

存在ストック:リスタルサーク、リスタルサーク、ピノッキオンズ・アビスアース

存在ストック上限:3/30

パーティ:【安らかなる旅路】に所属

パーティメンバー:フェリス、エミル、イリシャ、セイル、フラスフィン

隠し効果付与:神帝の観察


  スキル      発想値

『《スキル交換》  50/100』

『《スキル譲渡》  50/100』


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