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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第一章:棺桶転生
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10話:SNSのノリで始まる精神会話


 巻物スクロール


 大抵の場合、中世ファンタジー風世界では巻物スクロールには魔法の効果が宿っている。

 地球の『アルティメットオンライン』でもよく見かけたなー。生産は苦手だったからあまり作らなかったけど。


 で、その巻物は何に使うんでしょうね。


「この巻物スクロールには、【精神会話】の効果が付与エンチャントされている。

 これを使って、使徒様と意思疎通を行う」


 せ、せせせ精神会話!?

 それって、心の中で思ってることが全部相手に筒抜けになるってヤツ!?

 やべぇぇぇぇ! 異世界に飛ばされてばかりでパニクってる僕の心情、赤裸々に読み解かれちゃうぅぅぅぅ!


 フェリスさんはごほんと咳払いをした。


「まずは使徒様のお名前を聞かせて頂けないでしょうか」


 丁寧口調になっていた。

 あ、これはあかんやつや。マジで聞きにかかってる。



 じ、自己紹介。自己紹介か。どうしよう!



 気をつけろ! 第一声で印象の全てが決まるぞ!

 ヤバい、心の中で冷や汗が出てきた! ハァハァ、まずいぞ! 会社の面接以来の緊張感だ! 営業先からクレームを貰って真っ青になった時の心情にも似ているぞ!


 名前は、佐藤孝一でいいのか? ダメだろ! 世界観に合ってないから理解されるかビミョーだ! そもそもこの世界に漢字とかあるのか!?

 ええい、この際だ! この世界観に合ってそうな名前を考えてやる!


 一人称も変えてやろう! この見た目で『僕』はねーよ! せめて『俺』か『私』だろ!

 あ、でも俺と私とでは印象違いすぎる! どっちにしよう!? ああ、いっそのこと、それ以外の一人称も使うべきか!?


 そうだ! 『我』! どうよコレ! あ、違う! なんか偉そう! 印象悪そう!


 あ、あああああ! やばい! 2人の視線が突き刺さってる! めちゃんこ突き刺さってる! プレッシャーに胃(あるのか?)が痛む!

 もう何でもいい! この世界での名前と一人称を決めるんだ!


巻物スクロールを使います。よろしいですね」


 こくんこくんと頷くしかない! 主に下半身のナイトメア君が!


 よ、よよよし、わかった!

 受けて立ってやろうじゃないか!


 フェリスさん、巻物広げた! 青色の魔方陣が広がった!

 【精神会話】が始まったぁぁぁぁ!


『【精神会話】に招待されました。参加しますか? はい/いいえ』


 なんじゃそのノリはぁぁぁ! SNSのノリか!?


 ここで『いいえ』を選んだら魔女裁判ばりに印象悪くなるに違いねぇ! 最悪の場合、『秘密を知ったからには生かしてはおけん』という展開になりかねん!


 実質、選択肢が『はい/イエス/YES』しかねーじゃねーか! どこのTRPGだよ!


 えーい、『はい』だ! 『はい』一択しかないんだよぉぉぉ!



『【精神会話】に参加しました』


 参加しちゃった。

 青い光がフェリスさんとエミルちゃんと僕を包む。



 あああああ! 会話が始まる! 精神会話という名の拷問が!



 もうリテイクは効かない! やるっきゃねぇ!


 せーの!


















『――我輩は、カーン・オケである』

















 なぜ、僕は『我輩』なんて一人称をセレクションしたんだろう。




●ステータス

本名:佐藤孝一

LV:2

種族:不明

職業:無職

称号:人殺し、忍耐の精神、守護の精神

スキル:存在同化、自動翻訳、情報把握、地属性耐性、疾走撃、その他色々なスキル、傲慢LV1、同化存在解放

存在ストック:ナイトメア

存在ストック上限:1/3


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