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異世界での活動と奮闘日記  作者: ミツバ
8/19

魔法と作法、ダンス

そして次の日、

「おはようございますアイリス様」


「マリック先生おはようございます」


今日は午前中に魔法を教えて貰い、午後からダンスと作法を教わるようだ。

明日はダンスと作法からで、午後が体術。

その次の日は魔法、体術。

その次の日が魔法、ダンスと作法。

とローテーションされて行くらしい。

ちなみに一般教養はフェルが毎日教えてくれるそうだ。アイリスに休みの日などないらしい。フェル自身は週2で休日があるらしいが……。


「本日は魔力の測定と、

魔法に対する一般的な知識をお話致します」


「はい!」


「ではこちらをお持ちください。

この魔石は魔力量によって色が変わるものです」


渡された魔石はこの前の濁った白色の魔石とは違い黒色だった。


手に持つとヒンヤリ冷たく、なんだか体温を奪われている様な気がする。


そんな事を考えていると先生が説明してくた。


「その魔石は少し時間がかかりますが、正確に測定することが出来ると評判のものですよ。


魔力量が少ないと黒、多くなっていくにつれて


濃紺、紺、青、緑、黄緑、黄、橙、赤、桜、白


と、変わっていくんです。白色に光らせたのは、大陸の長い歴史の中でも両手で足りるくらいしかいませんね」


なるほど、そんなふうになってるんだ。


相槌を打ちながら聞いていると魔石の色が変わってきた。


濃紺、紺、青、緑、黄緑、黄、橙……。


「アイリス様は橙色ですね!素晴らしいです!

魔力量は人によってですが成長するにつれて増えて行くんですよ!!

本当に素晴らしいです!!桜色になるのも夢ではないのでは!?」


「ありがとうございます?」


「いえ!全然!これからも何卒よろしくお願いします!!」


マリック先生のテンションの上がり具合が凄まじいが、喜んでいただけて何より。

しかし、上から4つ目か。先生曰く上から2つ目も夢じゃないらしいし、これは魔法関係でも勝ち組?

いや、調子に乗って暴発とかしたら嫌だしちゃんと地に足つけて頑張ろう。


そう、魔法の暴発事故、暴走事故はあるのだ。

強い魔法の暴発、暴走は命の危機にもなりうる。

弱い魔法は特に危険はないが……。


「あの、桜色の人はどのくらいいらっしゃるのですか?」


「いい質問ですね。

桜色にまで光らせることが出来るのは大体、王族の方々や上流貴族の方です。

勿論、才能があれば平民の方でも光らせる事は出来ますが、そういった方はごく稀ですね。


ちなみに、過去に白色に光らせたのは王族の中でも才能がずば抜けていたレイン・ドラゴニル様に、

フィール・ドラゴニル様。

他国の方ですと、英雄王や冒険王。

白色に光らせた方は全員歴史に名を残していますね」


へぇ、基本的には王族の方や上流貴族の人しか光らせることって出来ないんだ。

血筋とかが関係してるんだろうなぁ。


この世界は才能が遺伝するものであるため、目を見張るような才能を持つ者との結婚は、相手が誰であれ推奨されている。

故に王族やそれに連なる様な貴族の家系は強く、戦争が頻発していた頃は前線で活躍していたとか。


「英雄王に冒険王?」


「はい。

英雄王は戦乱の時代に武力で周辺国を統一し、平和をもたらしたカリスマ性に富んだ方です。


冒険王はその名の通り、冒険者として大陸中を冒険している方です。未開の土地を切り開いたり伝説級の魔獣を倒したりしておられた方です。


ちなみに我が国の王は龍王と呼ばれているのですよ」


ほー、英雄王に、冒険王、龍王か!

こういうのは本当にファンタジーだなぁ。


「龍王ですか!カッコイイですね」


「はい!我が国の王は素晴らしい方です。


それでは魔力量が測れましたので次は一般的な魔法の知識をお話致します。


まず、魔法というものを解明出来た人物はいません。

魔法は神が弱小な人間を哀れんで与えた神秘だと言われています。

それこそ御伽噺(おとぎばなし)の世界ですが、太古の昔に魔獣によって狩り尽くされそうになっていた我ら人間を神が自ら御降臨なさり救ってくださったとされています。


その折に、魔法の知識を与え、

魔力が高いものをエルフに、

力が強いものを獣人に、

ものづくりが得意なものをドワーフに、

知識が優れていたものを人に、

海で暮らすものを人魚に。


そうして種族が別れました。

この種族ごとに大陸を与えられ、我らが住んでいるのがヒューマ大陸です。

人魚族は他の種族とは違い、海洋といくつかの大きな島を与えられていますね。


大陸を与えられた。とは言いましても、別の大陸へ行くのは可能です。

ヒューマ大陸には人族が一番多いと言うだけで、他の種族の方も勿論いらっしゃいます。


ここまでで何か質問はございますか?」


「ないです」

御伽噺なら寝物語に何回か聞いたことがある。


「では、神が与えて下さった魔法ですがいくつか種類がございます。


まず、五大魔法とされる

『火』『水』『土』『緑』『風』

さらに、原始魔法とされる

『雷』『氷』『光』『闇』『時空』『聖』


五大魔法は私達にとって身近であり、最も影響を与えることからこの呼び名がついています。


原始魔法は威力ですね。勿論、五大魔法も凄まじい威力がありますが、原始魔法はその上をいきます。故に、原始の神がいらした時の魔法として原始魔法と呼ばれております。


そんな原始魔法を3つも持っておられるアイリス様はとても凄いのですよ。

ですので、できるだけ早期に力の使い方を身に付けていただきたいのです。

分かりましたか?」


「はい!頑張って魔法を使いこなしてみせます!」


「私も微力ながらサポートさせて頂きます。

一緒に頑張りましょう」


なるほど、私は結構凄いんだな。


ぼんやりそんなことを考えながら誘拐されないよう力を付けることを決心したのだった。






魔法の事を色々教わって、午後からはダンスと作法です。


「よろしくお願いします、アイリス様」


「はい、お願い致します!」


と、気合を入れていたはいいが


「ではこれを頭に乗せて落とさないように。背筋を伸ばすことを意識してお屋敷の中を歩いてください。

その後紅茶を入れますので……」




…………




作法ってかなり大変なんですね。


「アイリス様、足音を立てないように」

「アイリス様、もう少し動きをゆっくり丁寧に」

「アイリス様、背筋が伸びていません」

「アイリス様、本が」

「アイリス様」

「アイリス様」


もう名前を呼ばないで下さいと思いました。


お作法ではほとんどダメ出しをされながらみっちり2時間、その後はダンスで体を痛めないようにストレッチをしていた。

しかもダンスは体力を使うからと筋トレまで。

辺境伯の令嬢が筋トレ。

最近まで甘やかされていた分、結構大変だったようだ。といってもこれからの成長を阻害しないようにだ少ししかやっていないが。


体幹を鍛えるって結構大変だなぁ。


と、のんびり頑張るアイリスだった。

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