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青年少女  作者: 青月志乃
第2節 ぬーちゅーばーになる!
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第6話 ぬーちゅーばー井ノ莉うさぎ爆誕

夏休みが明けてからひと月…10月となり肌寒さを感じつつも紅葉がやっと色付き始めたかな?という頃、今私は平日であるにもかかわらず自宅の自室にいるのである。

理由としてはつい先日の運動会、背の低い私は光栄にも人間櫓とかいう運動会の目玉であり危険度MAXな見世物の頂上に立つ役割をいただいた。

ご想像通り、傾いて落下したのだ。頭を強く打ち、首がよろしくない方向へ曲がり、そのまま私の意識はホームラン。

起きたら白いベッドの上におり、医者からは「生きているのが奇跡」とさえ言われたらしい。生きていることが素晴らしい!と思いつつも痛む首にはギブスがつけられていた。

ずっとベッドにいるなんて退屈すぎると思ったが、思ったより治りが早いということで退院。また数日後に病院に行って再検査はするらしい。それまでは学校側にも言って自宅療養、という形になったのだ。

「暇だなぁ…なんか暇つぶしになるようなものないかな…」

2日くらい自室で寝たっきりというのもすごく飽きた。もともと会社員だった脳は退屈に悲鳴をあげ、今はパソコンで動画を見たり音楽を聞いたりしているがどうも手持ち無沙汰になってしまう。

「君も…ぬーちゅーばーにならないか…?ふむふむ?」

『君もぬーちゅーばーにならないか⁉︎』という広告が目につき、それを読み出す。もともと動画配信サイトぬーちゅーぶは好んで利用していたし、読み進めるとどうやら生放送機能を搭載したそうで、それを使って新しいぬーちゅーばーを増やそうって魂胆らしい。

ふむ…『クソカワ小学生ぬーちゅーばー』か…なかなか伸びるのでは?超絶人気モノになっちゃうのでは???

これはもうやるしかないと思い、すぐさま準備に取り掛かる。まずは推奨されている配信用のアプリをダウンロードし、次にカメラとマイク…これは侍女に言ったらすぐに買ってきてくれた。…すげぇ本格的なごっついやつを。

カメラは小さめで使い勝手の良いものを使い、はじめは自分の顔が映るところにセット。角度や位置の調整をし、今度はマイクの準備をする。音を拾う範囲や音量を調節。あとはフリーの音楽素材を流し始めて一呼吸置きいざ配信開始_____の前に顔!そう、顔を隠さなくては!

流石に小学生。ましてや自分で言うのもなんだが可愛いのだ。そんな子が全国…いや全世界からでも見えるような事をするからには身元が割れることは避けたい。

何かないかと探してみると、顔の上半分が隠れる可愛いウサギのお面を見つけることができた。うん、これで(多分)よし。

「配信…開始!」


『井ノ莉うさぎチャンネル』と言う名前のチャンネルを作り、放送名は…「初放送のテストとご挨拶」にした。

平日の昼間であるにもかかわらず、すぐに8人の来場者が現れる。

「え、えっとえっと初めまして!井ノ莉うさぎの生放送にようこそ!よかったら見てってください!」

『わこつ〜』とか『お?当たり放送か?』などとコメントが流れてくる。それに合わせてコメントを読み上げてくれるアプリが音声で教えてくれ、それに反応していく。

わこつ…と言うのは確か「枠取りお疲れ様」と言う意味だったはずなので、それにお礼をしていく。

『可愛い』や『何歳?』とかどんどん流れてくるのに少し焦り、手をワタワタさせながらなんとか食らいついていく。

「あ、ありがとうございます!あれ、これってちゃんと私の声…聞こえてますか?」

『聞こえてるよー』『もっと囁け』

「よかったー…わ!…もう30人も来てくれてる…ありがとうございます!ありがとうございます!えっと…来週で11歳になります」

『え、ガチロリじゃんやったなお前ら』

『マジJSかよ』『あれ今日平日…あっ(察し』

『顔見せろ』

「すみません、顔は見せられないようにしてるのでダメです!えっとー…あ、そうですね、今日は平日ですけどこの前運動会があってですね、櫓の一番上から落ちちゃったんです…」

『やばくねそれ』『だからあれほど…』『そんなことよりおっ○い見せろ』

「首痛めた程度だったので今は自宅りょーよー?中で暇だったので放送に挑戦してます!お、おっぱ…胸はダメです!エッチ!」

『下ネタにはスルー安定』『無事ならいいか』『今のエッチ!もっかいいって」』


色々と教わりながらも話していると、2時間は経過していた。はじめての放送だったこともあり疲れたわたしはマイクに向かって終わりを告げる。

「すみません…そろそろいいお時間なので今日はこれで終わりにしたいと思います!」

『ダメです』『ちょっと何言ってるかわからない』『ぱん/つ見せてくれたらいいよ』

「えー…どうしよう…でもでも、わたしこれから宿題しないといけないから…ごめんなさい!また来てくださいね!バイバイ!」

両手を画面に振って放送終了ボタンを押す。すると画面に『放送は終了しました』と言う文字が表示され、わたしはカメラとマイクのスイッチをオフにする。

携帯を手に取り、SNS『てうぃったー』で作ったアカウントにログインする。すでにぬーちゅーぶとの連携はしてあり、わたしのしたことがこのてうぃったーに投稿されるらしい。

早速「本日の放送来てくれた方々ありがとうございました!」と投稿すると『可愛かった』や『声よかった』などの褒めの言葉と同時に『次に放送するときは前もって告知してくれると嬉しいです』などの意見もいただいた。

それぞれに返信をしたあと、わたしは宣言通り宿題をし、満たされた心で1日を終える。


「明日も放送…しちゃおうかな?」

なんて考え、昂ぶってしまい寝つきが悪くなるほどに…。

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