第4話 白い空青い海散る鮮血
おはこんばんちわ青月志乃です。
今回は少々リョナというか過激な描写が含まれますので苦手な方は覚悟して読むか次の話の更新をお待ちいただくようお願い申し上げます。
警告しましたからね?
青い空!白い砂浜!!見渡す限り水着水着水着!!!来たぞ海!!!!
とはしゃいでみるものの、やはりなかなかの人混みに少々圧倒される。これほどまでに人がいるのは予想外だったのだ…。結局両親は仕事で家を不在にし続けているため、此度の海はアキちゃんの両親に連れてきてもらった。なのでまずする事はカナちゃんの両親へお礼をすることだ。
「今日はありがとうございます!」
「お、偉いね?いいんだよ。娘も家族だけより友達と来た方がきっと楽しいだろうからね」
「そうね、だから気にしないでみんなと遊んでらっしゃいな」
「ありがとうございます!」
言うてすでに水着に着替えて遊びたい気持ちが抑えられず、お礼も短くアキちゃんたちのいる更衣室へ走っていく。
「いのりちゃんおそーい!」
「えへへごめんごめん」
私が到着するとすでに3人は着替え終わっていた。まぁ、そう言うふうな時間取りで来たわけだからそうじゃなかったら女の子の生着替えなんてドキドキしすぎて着替えどころではないんだけど…。
私も荷物を持って更衣室へ入り、さっさと着替えてしまう。はしゃぎ過ぎて家から来てきてパンツ忘れました!なんて事がないようちゃんとバッグに入れてきたのだ。ふふふ完璧だ。
「おまたせー」
かな「着替えるの早ーい」
「ふふふ…あれ、ゆあちゃんは?」
アキ「ゆあちゃん?もう待ちきれないってパパとママの所に行ったよ?」
「ふぇー…少しくらい待ってくれてもいいのに…」
少ししょんぼりしながらアキちゃんの両親とゆあちゃんの待つテントへ向かう。
ゆあちゃんは両手を腰に置き、私たちへ「おそーい!」とぷんすこしてくる。それに対して軽く「ごめーん」と流し、準備運動をしてから海に向かって4人で走っていく。楽しむぞ!!!!
やばい。やばいやばいやばい。
完全にはぐれた…。見渡す限り人気のない砂浜…尖った岩が沢山あるのが見受けられ、こんな所に上から落ちたらひとたまりもないと想像してしまう…。
どうしてこうなった…?お昼まで4人で遊んで…それからビニールベッド?でゆらゆら揺られてたら眠くなって…それで………それじゃん原因!!!!
とにかく誰か人を見つけなくてはとわたしは歩き出す。砂浜を見渡し、人がいそうな方向へ歩いてみる。
1時間は歩いただろうか…。少し休憩する為にちょうどいい高さの岩に腰を下ろし、もう一度辺りを見渡す。すると、見覚えのないものを見つけてしまった。
「薄ピンクの…これはゴム製…?なんか液体が入って……ん?いやいやいやいやまてまてまてまて…!小学生が見つけていいものじゃないぞコレ!?」
『俺』は見覚えのあるソレは「ここで致したでござる」とばかりに捨てられていた。顔が熱くなり、流石に持ったままというのも絵的によろしくなかったので投げ捨てる。
他に何か役に立つものはないかと首を振ると今度はセクシーなビキニが落ちていた。
しかも
下だけ
なんでやねん!と心の中でツッコミを入れ、もう少し岩陰の方を探そうと浅い洞窟のようにも見える抉れた岩肌を見つけたのでそちらへ行ってみる。
そこでわたしは「失敗した」と心の中で毒づいた。あそこで大人しくしていればきっと見なかったはずのソレを…わたしは見つけてしまったのだ。
先ほどのセクシーなビキニのブラの方だろうものを着用した……………女性の死体を。
やばい。コレはやばい。人生最大のやばい発見をしてしまった…。とにかく周りを見渡した誰もいないことを確認する。もしかしたら生きているかもしれない…そんな心がその女性の方へ体を動かしてしまう。
女性は見た感じ20代前半くらいで、身体全体が液体のようなものをかけられた跡のようなものが見受けられ、それが少し臭う。そして身体中には痣が見え、手酷い扱いを受けていたことは容易に想像つく。手首に指を当て、胸に耳を当てるようにして生存の確認をする。…全くもって反応がない。
「死んでる…。どうしよう…携帯もないし連絡は取れなガッ…!?!?」
現場の確認と言いつつ考え事と目の前の光景に意識を取られていたところをいきなり重い衝撃が後頭部を襲う。
途切れかけた意識を必死に繫ぎ止めると、今度は頭頂部に痛みが走る。
「なぁお前、どうやってここにきたんだ?」
低い声が聞こえる。ぼんやりとした意識で目を動かすと、金髪のヤンキーみたいな男がわたしの髪を掴み上げているのだと分かった。
「な……に……?ん"ん"ん"!!!!」
ゴキャッという音がした。その衝撃は酷く重く、逆に意識をはっきりとさせた。痛い…痛い痛い…!
衝撃の反動で掴まれていた髪が抜け、身体が少し飛んだようだった。
今見える光景はわたしの髪を握っている金髪のヤンキー風の男。それと…棍棒のような木の塊を持った中太りのガタイのいい男だった。
「ん"ん"…ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"!?!?!?」
いだい…!いだいいだいいだいいだいいだいいだいいだい…!!!!
衝撃を受けた箇所を触れると口が…いや顎が砕けたようだ…。歯も全て折れ、棍棒のようなものには血のようなものが見える。
あたりの痛みに涙が溢れ、鼻から止めどなく出る血に恐怖心が心を蝕んでいく。足がすくんで動けない…それどころか起き上がることすら出来ず、下半身に力が入らない…。
「おい…マルボー何してんだよ…せっかく上玉だったのに…」
「お?ワリ。見られぢまったわけだじ…○るしかねーど?」
「そうだけどさぁ…あれくらいのガキをヤれるなんてそうそうねーってのに…もうあんなん見たら萎えるわ…」
「ダら…○っちまうど?」
「おう…俺もう戻ってるわ…」
(やる…やるってなに…?だんだん何にも分からなくなってきた…衝撃がどんどん重なってくる…腕…膝…お腹…肋骨…)
「ゃ…らぁ……ぃらぃのぉ…ぃらぃぇ…」
何度も衝撃が怖く、手を伸ばして止めようとするが、その伸ばした腕は殴られると同時に曲がってはいけない方向へ曲がっていくのが見えてしまった。もう痛覚がないが恐怖心に叫ぼうとした時…わたしは意識を闇に沈めることになった。
きっとマルボーと呼ばれた男が持っていた棍棒で、頭を潰されたんだろうな…と沈む意識の中そう思ったのだった。
今回は前々からチラチラ見せていたフラグの回収となります!彼女は〇んでしまったのか⁉︎それともあそこから復帰できるのか⁉︎今後の展開を期待しないで待っていて頂ければと思います。
もしよろしければコメントや評価等もいただけると嬉しく思うのでござる