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青年少女  作者: 青月志乃
第5節 大人になればいつかは
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第23話 恋の進展

わたしは一体どれくらいまで生きていくのだろう?本当に永遠に?それともある日この力は失われるのか?と考えるようになったのは不老不死だと理解して遠くはなかった。

27歳になったわたしは変わらず朝食にサンドウィッチを齧りながら侍女を見る。どうされましたか?と聞かれるがなんでもないと答え今度は食堂全体を見る。高い天井でさえ工夫して苦労して掃除されているのかくすみなど無くいつも綺麗に保たれている。他の人間を見る。皆不思議な顔をするが、一つ疑問になることがあった。

「そういえばみんな、恋愛とか結婚とかしてる?」

新しい子はもちろん入ってきているが、それでもわたしが幼い頃から支えてくれている人たちはもういい感じにおじさんおばさんになっているのだ。特に、わたしにずっと付いてくれている侍女はわたしの10は上だったはず。しかし恋愛や結婚などの話はさっぱりみないので気になっていたのだ。

「特にずっと支えてくれてる人達はそう言う暇がないように見えるしどうなの?正直なところ」

「うぅん…お嬢様には流石にお答えにくいといいますか…」

「あ、やっぱり?じゃあ…これから10分!主従関係を無効化します!はい!」

「えっちょっ…おじょ……。はぁもう…。ご心配いただきありがとうございます、ぶっちゃけた話人によります。執事たちは妻子が出来た人が多いのはご存知でしょうが、我々メイドは恋愛や結婚などはあまりいないようにみて取れますね」

「ふむふむ…当の本人としては結婚とか興味ない?」

「う…それはありますよ?でも、お嬢様に仕えることこそ(わたくし)の生きがいなんです。年の離れた妹の様に思うところもないとはいいませんし、今となっては特にそう思ってるのが本音です」

「そっか…ありがとう。結婚とかは機会があればしたいって感じか…」

「そうですね…」

さっさと結婚して寿退社みたいに辞めろとかそういみはまったくなく、使用人たちは一生をここで終えるのが本望なのか?と言うのが少々疑問なところでもあったのだ。

天ヶ瀬いのり27歳、現在の職業はおこぼれ管理職。父の会社ということもあり、どうにも甘やかされている感は否めないが今は海外に展開する企業との連携を任されている。

この仕事に関して、元来の働き方とは変わったところがある。それの一つはまずわたしの仕事場は自室の隣であること。つまりは屋敷の中だ。もちろん邪魔になるものはないし会社に行くよりはるかに快適なところもある。

次にSF方面への技術の進歩だ。よくSF映画やアニメなどで見られる『その場にはいないがホログラム通信で会議とかしてるアレ』が社会で実用化され出したのだ。なので遠方での会議の出席などはとても楽になった。それらにより、今日もこれから海外の連携企業との進捗会議に出席するのにもボタン一つで簡単なお仕事開始になる。



「だからぁ!それらに関してはもうとっくに期限過ぎてんだっての!!!いつになったら途中経過が上がってくんのよ!?」

『oh…そんなに怒らないでくだサーイ!ワレワレも頑張ってるデース』

「そりゃ分かるっての!!こっちが言いたいのは!!期限間に合わそうならそう言えって前もって言ってんの!!!!」

『いのりサーン怒ると美人が台無しネー?』

「その美人を台無しにしてんのは誰よ!?おぉん!?」

『スミマセーン…マァやってる感じだとあと5日ほどあればなんとかイイとこまで出来マース』

「はーーーー…わかった。5日な?それ遅れたら今度こそ何かしらの罰与えるから覚悟しとけよ?そっちに任せてる仕事の途中経過の報告がなきゃ次の段階の目処さえ立たないんだからな?」

『ハーイダイジョブデース』

プチンと通信を切ると今度は別の海外企業へ通信をつなぐ。

こういう通信に関しても大きな進化があった。まず世界での通信の高速化だ。これによりラグのない通信が可能になったし、相手の顔もよーく見える。つまりわたしが『ぉこ』なのも伝わってくれたはずだ。

次に同時翻訳の進化。どこの国の言葉も、方言を含めて設定した言語に翻訳してくれるほど良くなった。他国語をクッソほど勉強しなくて済むという事もあるし何より言葉の境界線が消えたのは良いことである。

「こんにちわ、今ファーストフェイズの確認をしましたがだいぶ手こずっているようでもう5日ほどかかるようです」

『コンニチワーそうですか〜…そうなるとワタシタチお仕事無くなちゃうんですがどうすればいいでショウ?』

「それに関しては安心してください。今の依頼の納品期限はまだありますし根を詰め過ぎないよう注意しながら作業し、確認作業を徹底してください」

『そですかーワカリマシタ〜』

「あぁそれと、ファーストフェイズの途中経過が上がり次第そちらにも流しますので確認を。作業自体は今の依頼が済んだあとのクールタイム後で構いません」

『オー!クールタイム!嬉しいですネ!』

クールタイムとはゲームでは技のチャージ時間とでもいうだろうか。それを仕事と仕事の間に数日の休暇を入れるようにしているので、わたしはその数日の休暇をクールタイムと呼び作業員の身体を休ませる。ただ休ませるだけでなく連続で仕事を依頼している時はその休暇を有給として取らせることで次の仕事への活力にしてもらおうという魂胆である。

今のところこのクールタイムによってうまく仕事が回せているが、わたしが独断で始めたようなものなので会社の重鎮…つまりは石頭どもはあまりいい顔はしていないようだ。

その後も任された少ない仕事をこなしてつつ指示を出し、気がつけば昼の鐘がなっていた。

丁度通信していた会社も休憩時間になるところだったようでわたしとの通話を早く切りたくてそわそわしているように見える。

「さて、ではキリもいいですし午前の部はこれで終わりましょう。ではまた2時間後に」

そう言って通話を切る。はぁーーーーと少し大きなため息をついてチェアーに深く身体を預けていると、コンコンと部屋をノックする音が飛び込んできた。

「どうぞー」

「し、失礼します…お嬢様…」

入ってきたのはかなり小柄な女の子…つい3ヶ月前に屋敷で住み込みで働き始めた子だった。

「どうかした?」

「は、はい!お、お嬢様宛にお手紙が届いておりましたので…」

若いメイドは恐る恐ると言った感じでわたしに輪ゴムで纏められた手紙を差し出してくる。礼を言ってにこやかに受け取ると今度は恥ずかしがるような照れるような様子で部屋から出て行く。

「かわいいかよ…っと?アキちゃんからだなんだろ?」

《我が親友の天ヶ(あまがせ)いのり様へ。わたしく夢見秋(ゆめみあき)は山灘 幸一(やまなだこういち)くんと結婚することになりました!ので、結婚式の招待状を同封して送らせていただきます!》

と書かれており、ついにかーと思いながらニヤッとしてつい何度も手紙を読み直してしまうのだった。

おはこんばんちわ青月志乃です。

12月を含めて今年ももう少しで終わってしまいますが今年もあまり冬っぽい感じじゃあない感じがしますね。

といっても朝と夜中はだいぶ冷え込んではいますが皆様体調管理しっかりしていきましょう!

さて、小説の内容としてはまた10年ほど時を飛ばしました。今度は前もって考えてた同級生の結婚ネタをぶっ込んでまいりたいと思います。え?いのりちゃんは結婚するのかって?どうっすかね?(笑)


いつもより少し長くなってしまった気がしますが今回も楽しんでいただけましたでしょうか?感想やレビューや誤字脱字の指摘はたまた評価等いただければ幸いです。

ではまた次回〜

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