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青年少女  作者: 青月志乃
第4節 変わっていくもの変わらないもの
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第17話 近くて遠い距離

_____5年後。

両親と決別をしてからそれほどの月日が経った。今ではみんな高校生になり、みんな違う学校へ行って散り散りになってしまった。

しかしわたし達は未だレインでつながっており、最低でも月に一度は会おうという取り決めをしていた。今日はその約束の日で、わたしはいち早くいつものカフェのいつもの席でお昼を食べていた。

「やっほーいのりん!今日も早いねぇ〜」

「やっほアキちゃん。最近彼氏とはどう?」

ポニーテールは変わりないがさらに伸びた紅葉色の髪を躍らせながら変わらぬ元気さでわたしの正面の席に着く。この子は年齢平均より背が高くなった。それと胸がすごく、すごく育った。

ア「最近部活忙しいらしくてあんまり構ってもらえないんだよねぇ〜…すみませーんアイスコーヒーください!」

「あー…バスケ部だっけ?いいねぇ彼氏。でもあまりアプローチしすぎても鬱陶しく感じるだろうからほどよくね?」

ア「はーい。いのりんはー…変わらないか」

「どこを見て言ってるんだね全く」

アキちゃんは高校に入ってからバスケ部の彼氏ができた。ソコソコのイケメンらしく時間があるときはイチャラブしているそうだ。

「なーにしてんのよアンタらは…」

ア「なんもしてないじゃぁ〜ん!」

「ゆあちゃんやっほ〜!」

ゆ「はいはいやっほー。すみません追加でアイスミルクティーひとつにガムシロは二つお願いします」

わたしの隣に座ったゆあちゃんもまた髪は伸び、今はロングツインテールにしている。胸は…BよりのCカップだと本人は言っていたがホントのところはわからない。

ゆあちゃんは少しクールでドライに見られがちにはなったが幼い頃からツンデレ属性のが強いのだ。と言ってもそのツンデレはわたしたちみたいに気を許してくれた人にしか発揮しないらしいけど。

「やほ。みんな元気?」

ア「かなち〜やほ〜!」

ゆ「今回も最後だったわね」

か「約束の時間はまだ五分前だし…みんなが早い」

「かなちゃんやほ〜」

かなちゃんはあれからだいぶ大人しい性格になった。小学生の時はゆるゆるっとした感じだったが今では伸びた前髪で目元を見えにくいようにしている。伊達なのかいつもはつけていない眼鏡をかけ、モノグサというか地味な子のイメージを醸し出していた。

ア「一番早かったいのりんはどれくらい前に来たの?」

「んー?お昼済ませちゃおうと思ってたから30分くらい前?」

ゆ「早すぎ…いのりのことだから来る30分から1時間前くらいに目覚めたんでしょ」

「あはは〜バレた?」

か「いのりはいつもそうだしバレるもなにも」

「ないですか〜…みんなはお昼食べたの?」

ア「来る前にお蕎麦食べたよー?お母さんが作ってくれたやつ」

ゆ「あたしも食べてきたわよ。あたしは、自分で作った、サケレタスチャーハン」

か「美味しそう…ていうか何故倒置法…。ちなみに私はまだ。どうせカラオケとかで色々頼むだろうって思ってるし」

「そかそか…じゃあ飲み終わったら移動しますか〜」


わたしたちが集まった時にやることはいつも同じ。カフェで集まって、カラオケに行って、少しウィンドウショッピングして、気になったものがあれば買って、夕ご飯を食べて解散。

初夏になり梅雨が近づいてきているこの時期は飲食店なら夏メニューの告知がされていたり、衣服店では薄着や水着が売り出され始めていた。

ア「見てこの水着〜!超かわいい!」

ゆ「それはちょっと派手すぎない?てかビキニにしては生地面積小さくない?」

ア「そうかな…でもこのフリフリと明るい色かわいいからこれ買ってこうかなぁ…」

か「彼氏の前以外では着ないほうがいいと思うよそれは…ゆあの持ってるそれもそれでなかなか派手じゃない?」

ゆ「そう?アキの持ってるやつとかいのりが持ってるやつに比べれば普通でしょ」

か「まぁ確かにいのりのスク水に比べれば…ね?」

「ちょっと!?スク水じゃないんですけど!?ワンピース水着なんですけど!?」

みんながワイワイしてるのを眺めながら白いワンピース水着を手にして自分に当てているところに飛び火するとは思ってもなかったので必死に否定する。

何故もう水着選んでるの?というと、着用するのはまだ2、3ヶ月先の話だが海やプールに行く際に着ていく水着を見に行こうとアキちゃんの提案で店に入った。まだシーズンまで期間があるので種類は少なめだが、みんな思い思いの水着を選んでいる。まぁ…今は買う予定は1人を除いていないんですけどね?

ゆ「あらかた満足したし別のお店行きましょ」

か「ほーい」

「はーい」

ア「えっ!?もう行くの!?まって!お会計する!」

ゆ「ダメよ!いざ着るとき「おっきくなって入らないよー!?」ってやるんだから!」

ア「そんなぁぁぁぁぁぁぁ…」

ゆあちゃんはアキちゃんの持った商品をかなちゃんに渡し引きずっていく。かなちゃんはそれを戻してわたしと一緒に2人を追いかける。

あれから変わったことが多いけど、変わらないものもあることに楽しみを覚えあれから『なに一つ変わらない』わたしは3人の高くなった背を追いかけるのだ。

仕事の時はどうも上手に眠れない気がしてならない…皆さんはちゃんと寝れてますか?青月志乃です。


なんか前回いい感じに最終回っぽい雰囲気だったなと思って思い切って5年ほど飛ばしてみました。アキちゃんだけ彼氏持ちです。ゆあちゃんは多分ツンデレ強いからかなちゃんに先を越されてしまいそうな気がしますね!

てな訳でまだまだ時間加速はあるかもしれませんがお付き合いいただければと思います。ではまた次回!

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