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Caim-七英雄と紅蓮の王女  作者: いなお
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偶然の再会


「ティアマトを追い詰めたのが10年前だって?」


闇に閉じ込められる前、6人の仲間達とティアマトを追い詰めたが、結局トドメをさせなかった。

それより以前ティアマトを追い詰めた話などカイムは聞いたことがなかった。


「今でも語られる神器をもつ7人の英雄達さ。裏切りの七英雄(ロストセブン)って結構有名な話しだぜ。今俺たち人間魔獣の支配下に置かれているのもあいつらが原因さ」

「....嘘だろおい」


ではあの暗闇に飲み込まれた後、10年の月日が流れたのかと思いカイムの額に汗が流れる。

だがどういう原理でカイムが10年後の世界に来たのかが問題だ。

タイムスリップだというならば、まだいい。

もしもカイムのいた暗闇の中で時間軸がずれていた場合がまずい。

自分が黒い闇にとらわれる前、他の仲間達も飲み込まれそうになるのを見た。

もしこちらの説が正しければ、まだ闇の中から脱出できていない仲間がいるとすれ仲間達と出会える確率が限りなく低くなる。

しかし、それらを考えるその前に気になる話が出てきた。


「魔獣の支配下ってどういうことっスか?」

「お前本当に大丈夫か?今や人間が治めてる国なんざ片手の指で数えるくらいしかねえよ。あとは魔獣どもの好きにされてやがる」


カイムはその答えに驚きの表情が出てしまうほど動揺をした。

何をどうしたら10年でそんなことになっているのか。

あの戦場には自分たち七人の神器使いの他にも、ティアマト討伐に名乗りを上げた数多くの国から作り上げられた連合軍もいたはずだ。

カイム達が戦場から離れた所でそこまで状況が悪化する程のなにかが起こったのか。

カイムには想像ができなかった。


「今や、表立って魔獣に抵抗してるのはうちのレジスタンスくらいさ。なんとかして神器を集めてティアマトと原初の魔獣を倒してやる」

「そう神器!神器って今どこにあるんスか!?」

「ティアマトの部下、原初の魔獣が持ってるよ。もっともグングニルはこの間の作戦で奪ったがな」

「原初の魔獣か....」


ティアマトが作り出した魔獣の中でも、特に強い魔獣は原初の魔獣と呼ばれている。

合計で11体いるのだが、ティアマトとの戦いでその全てを倒したはずだ。

しかし10年後の今、原初の魔獣がいるということは復活したのか倒したのとは別の魔獣なのか、どちらにせよ厄介な敵には違いない。

先程のスティンガーの様子からするとカイム達はどうやら評判がよくないらしい。

別段敵前逃亡をしたわけではないのにこの評判には内心納得はいかない様子だ。

しかし、これ以上突っ込んだ事を聞いたら自分の素性を明かさないと怪しまれかねない。

まずはこの牢屋の中から出なければこれからの事それからだとカイムは考えた。


「それにしてもどうやってこっから出るか考えないと」

「ああ、それに関しちゃ心配せんでもいいぞ」


大きくあくびをしながらスティンガーは答える。


「今看守がいねえだろ?多分そろそろ来るんじゃねえかな」

「えっ」


そういうと爆発音とともに天井の一部が崩れる。

そして天井の瓦礫の一部がスティンガーの頭部に落ちた。


「ぐおっ」

「うわっ!?」


スティンガーは後頭部を両手で押さえしゃがみ悶える。

穴の開いた天井から一人の少女が飛び降りてくる。

身長は160程度で紅色の髪をポニーテールにした17前後の少女だ


「リーダー!無事?ってあれ場所間違えた?」


少女がカイムと目が合い、カイムはおそらく探し人であろう悶え倒れているスティンガーを指差し少女に告げる。


「あー多分君らのリーダーだったらそこに....」

「リーダー!?」


少女はスティンガーに寄っていく。


「ロロナ、お前マジで爆破させる場所.....考えろよ...」

「ははは..ごめんなさい。この人は...!?」


ロロナと呼ばれた少女とカイムの目が合うとロロナは一瞬「あっ」という表情をしたが、すぐに平然な風を装った。


「ああ、つい今朝方に収監されていた可哀想な少年くんだ」

「まあそんな認識で間違ってないっスね」

「あの、もしかしたらそれ私のせいかも.....」


しおらしい態度でロロナがカイムに謝るがカイムには心当たりがまるでない。


「え、それどういう」

「それより時間がねえ。とりあえず脱出だ!少年はどうする?」


先程まで余裕を持っていたスティンガーの顔つきが変わる。

せっかく逃げれるチャンスなのだ。

この機会を逃すカイムではない。


「ああ、せっかくだから脱走についていくっスよ」

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