銀髪
「あれがアズランドっスかね」
「地図を見る限りではそうだろうけど、何かしらあれ」
ロロナは広げた地図と睨めっこしながら答える。
アズランドは小さな町でタイリスの半分の大きさすらない。
しかも、軍事的な兵舎等もない田舎なため、大した軍事設備もない。
だが今目の前に映るアズランドは木製の防壁が建てられており、いかにも戦闘中と言わんばかりの状況だ。
「中の様子が気になるっスけど、あの臨戦態勢の中正面から堂々と行くのは流石にきついものがあるっスね」
カイムはげんなりした顔で防壁を眺めながる。
「そもそもなんだけど、その魔獣に抵抗してる組織ってアズランドの中にいるのかしら」
ロロナの疑問を聞きカイムは硬直した。
「確かに、今のアズランドの情勢謎すぎてわかんないっスね」
確かにアズランドに行けと言われたが、具体的な事は調査中としか言われなかった。
どんな人物がまとめているかすらもわからない。
「いざ中に入ってみて実は拠点は外で中は魔獣の支配下でしたってのはシャレになんないっスよ」「リーダー....。それくらいちゃんと調べといてほしかったわ.....」
「とりあえず俺が1人で突撃してみようか?」
「私1人でここに残るのも嫌なんだけど」
それもそうだ。
こんな荒野の中、魔獣との戦闘地区らしき場所で女の子1人でいるにはしんどいだろう。
「じゃあ、2人仲良く一緒に行くっスか?」
「その言い方が気に入らないけど、それしかないわね」
馬を走らせ、2人でアズランドへ向かって行く。
「あん?なんだありゃ?人じゃねえか」
「人だって?こんな戦闘真っ只中の町にか?一応姐さんに報告しとけ」
アズランドの監視塔で見張りをしている2人の男がカイムとロロナを見て驚く。
1人が監視塔を出て、町の中央にある一軒の家の中に入っていく。
「姐さん、お忙しいところすんません」
男が話しかけたのは背中まで届きそうな銀髪を一まとめにした女性が目の前にいた。
「姐さんと呼ぶのはやめて下さいと何度も言ってるではないですか」
「いえいえ、そんな恐れ多い。ところで、男と女の二人組がこちらに向かって来ていまして、どういたしましょう?」
「そうですか。こんな争いの最中に珍しい。いえ、そうしなければならない理由があるのでしょうか。その2人が到着次第目的を尋ねてください。それから考えましょうか」
その女性はニコリと笑って、監視塔の男に微笑みかけた。
次回は12日頃に更新します。




