二人旅
「はあ、ほんと最悪」
馬に乗りながらロロナは大きなため息をつく。
タイリスを出てから既に20時間が経過したが1時間おきに似たような台詞と大きなため息をつくロロナにカイムは少しばかりうんざりして来た様子だ。
「俺そんななんかしたっスか」
ロロナは何かを口にしようとしたが一度口を紡ぎ再び開く。
「今は何が本当かわからないだけよ」
一応、何が正しいかを考えてはくれてるんだとカイムは納得をした。
カイムは茶化すような笑い顔でロロナに話しかける。
「まあ、好いてくれるのを気長に待つっスよ」
「だ、誰があんたなんて好くか!」
ロロナは顔を赤めながらも、抗議をする。
カイムは進行方向の先をじっと見ながらぼそりと呟いた。
「もうすぐアズランドか。行くの初めてなんスよね」
「そうなの?」
「ああ、観光くらいは行こうかなと考えてたんスけどあんまり暇がなかったんスよね」
そんなたわいない会話をしているとロロナは何かに気がつくように指をさしてカイムに問いかけた。
「あれ、何だろう?」
「ん?うわっすごいっスねあれ」
カイムがロロナの示した方向をみてみると砂嵐が巻き起こっていた。
カイム達がいる場所から見ても規模がでかいのが確認でき、凄まじいスコールを見ている気分になるくらいの規模の大きさだ。
「あっちはクラスタシアの方角っスね。ありゃしばらくあっち側にはいけなさそうっスね
「クラスタシアか」
ロロナはボソリと呟く。
「どうしたっスか?」
「あなたは行ったことあるの?」
ロロナからの素直な問いに面を食らったカイムだが、すぐに我に返りそれに答えた。
「ああ、一度だけ。飯がうまい国だったっスよ。砂漠鳥の唐揚げはまた食べに行きたいっスね」
「・・・他に良いところってあった?」
「他に?そうだなあ強いていうなら他の国より穏やかっていうかいろんな人が親切だったって印象っスかね?まあ行ったといってもちょい前、いや10年プラスするから結構前になるっスから記憶が曖昧っスけど」
「また、平和になったら行ってみたいっスね」
カイムの答えに納得したのか、それとも満足したのかはわからないが、遠い何かを懐かしむような顔でロロナは「そう」とだけ答えた。




