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Caim-七英雄と紅蓮の王女  作者: いなお
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戦いの後で

「ロロナ、他のレジスタンスの仲間は大丈夫だったっスか?」

「ええ、それより...」


ソクラテスとクサリクがいた場所を眺めるロロナ。

本当に戦いが終わったのか疑心暗鬼になっているような様子をカイムは察した。


「ん、ああ。とりあえず当面の危機は去ったって感じっスね」

「そう終わったのね」

「そういえばスティンガーは?」

「リーダーなら城の方に入って行ったわ」


ありがとうと礼をいいカイムは城の方へ歩き出す。

ロロナも一瞬固まっていたが顔をブンブンと横に振り目を覚ましてカイムについていく。

カイムはクサリクが破壊した城門の瓦礫の山を登り、城の中を見渡す。

すると瓦礫の山の下の方でスティンガーが座っているのを見つけた。

カイムの存在に気がついたスティンガーは軽く手を振って労いの言葉をカイムにかけた。


「よお少年お疲れさん」

「こんなとこで何やってるんすか」

「何、一応の安全確認さ」


瓦礫の山を下っていくカイム。

少し遅れてロロナもカイムの後ろに追いついた。


「ここなら他のやつに聞かれることもないか」


呟いたのはスティンガーだ。

重苦しい空気がこの場に流れるがカイムはそんな空気御構い無しと堂々とした面立ちでスティンガーの言葉を待つ。


「お前さん裏切りの七英雄(ロストセブン)ってのは本当か?」

「その裏切りの七英雄(ロストセブン)っていうのがよくわからないんすけど聞いてる限りそうらしいっスね」


めんどくさそうに答えるカイム。

しかしカイムからしてみれば自分も知らない通り名のことを尋ねられても正直答えようがないのが実際のところだ。


「1つだけ聞きたいことがあるわ」

「どうぞっス」


後ろで二人の会話を聞いてただけのロロナが口を挟んだ。


「なんであなた達はティアマトに寝返ったの?」

「はあ?」


意味がわからない。

カイムが真っ先に頭に浮かんだ言葉だ。

何をどうすれば自分たちが魔獣の親玉であるティアマト願える事になるのだろうか。


「寝返ってないっスよ。現にこうして今原初の魔獣と戦ってたじゃないっスか」

「仲間割れという可能性もあるだろう?」


スティンガーは刺々しい口調でカイムを責め立てる。

カイムは正直事細かに答える義理もないと思ったが、下手に関係を悪化させればこの時代の情報源を失うことになりかねないと思い、これまでの経緯を簡潔に話すことにした。


「これでもつい先日まで俺達はティアマトと戦ってたんスよ?ティアマトの術で結界に閉じ込められてどうにかして脱出したはいいけど、いつの間にか10年の月日がって感じっス」

「それを証明できるか?」

「ないっスね。信じてくれとしか」


カイムも自分で言ってて怪しすぎて逆の立場だったら信じられるわけないなと心の中で思っていた。


「うむ。なんとなくだが状況はつかめた。私が知る限りではあるが、主人の言葉には嘘偽りはないぞ」

「誰だ!?」


スティンガーは腰に携えていた剣に手をかける。

きっとここにいる三人の他にこの話を盗み聞きされていた人間がいると瞬時に判断したのだろう。だが、声の主はカイムに手に持つ神器エクスカリバーだ。

カイムはスティンガーの前に剣を突き立てる。


「悪い。こいつが声の主っス。でどういうことっスか」

「剣が話しているのか!?」


スティンガーは勿論のこと、ロロナも驚きを隠せない。

常識的に考えて、武具が意思を持つなどあり得ないことだ。


「主人達は10年前にティアマトに挑み、そして敗北した」

「ちょっと待て、別に敗北したつもりはないんスけど。てか仕切り直しでしょこんなの」

「主人の個人的感情は置いておこう。兎も角闇に飲み込まれた主人達は正直死んだものだと我々神器達は考えていた」

「神器達?他の神器達もこういう風に話すの?」


神器使いであるカイムにとっては普通のことでも、神器について詳しくないロロナ達からすれば、意思を持つ武器が7つもあるという事実はお伽話の感覚だろう。


「そうっスよ。ロロナが持ってるそのグングニルも意思を持ってるんスけど、どうやら封印されてるらしいっスね」

「そうだ、我々はあの戦いの後、ティアマトの呪いを受けて自我を封じられた。自我がなければ我々などただの道具だからな。もっとも、自我が無ければ神器と呼ばれる故の力を出すこともできないが」

神器の力はその武器各々に宿る意思の力そのものだ。

故に自我が封印されている他の神器、ロロナが持っているグングニルも今の状態ではただの槍となんら変わらない。

それらの話を聞いて、スティンガーは腕を組み、何かを考えているようだ。


「少年、お前さんこれからどうするつもりだ?」


カイムは正直決めかねていた。

まず今の時代の情報がまるでないからだ。

だがそれでも最終的な目標は前から変わらない。


「俺が生きてたってことは他の仲間もきっと生きてるだろうから、神器を回収しながら仲間を探そうかな」

「仲間を集めたら?」

「無論、ティアマトを倒しにいくっスよ。流石に俺一人で勝てるなんて自惚れてないっスからね」


その答えをスティンガーに告げるとスティンガーは何かを決意したように口を開いた。


「少年。お前の話を一から十まで信じるわけじゃないが、仲間を集めるまででいい。レジスタンスに協力してくれないか?」

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