決着
「認めよう、力を貸すぞ、主人よ」
エクスカリバーが輝きだした。
カイムはクサリクの雷をエクスカリバーで両断した。
「雷を....引き裂いた....?」
ロロナは両目を見開き、今目の前で起きた現象が信じられない様子だった。
雷を剣で引き裂くなど生きているうちに早々見れるものではない。
「久しぶりだな我が主人」
「ん?ああそうか。俺は別に久しぶりってわけじゃないんスけど」
遠目から見るとカイムが一人でブツブツと呟いてるようにも見えなくはない。
しかし、すぐ近くにいたロロナにはもう一つの声の主が剣であることに気がついたのはすぐのことだった。
「剣が喋ったあ!?」
「おや?そこの少女よ。その手に持つのはグングニルか?どうやら起きていないようだが?」
「エクス。ちょっとその話は後で。その前にあちらさんが痺れを切らしそうっス」
カイムとロロナはクサリクに視線戻す。
クサリクはふるふると身体を動かし、見るからに怒りが頂点に達しそうな勢いだ。
「何故だ!何故封印が!?」
「封印?ああ、呪いの事か。あれは適合者がいれば解けるものだ。逆に適合者が現れなければ永遠にあのままだったがな」
エクスカリバーは淡々とクサリクの怒りの問いに答えた。
「クサリク。さっきは神器がなけりゃただの人間って言ってたっスよね。んじゃあ今の俺はただの人間じゃねえっスよ!」
「許さん、許さんぞ!それは我らが母から頂いたものだ!」
「ふざけんな!人からパクったのはそっちっしょ!」
剣をブンブンと振り回してカイムは独り言のように呟く。
「エクス。訛ってないっスよね」
「主人よ。それは私に対する侮辱か?では次の一撃で証明して見せよう」
「よろしく頼むっス」
クサリクはツノだけではなく全身に雷を纏う。
バチバチと大きな音を立てながらカイムに突進をする。
クサリクの通った後は荒れた大地に成り果てる。
「暴れ狂う雷の雄牛!」
対してカイムは天に向けてエクスカリバーを掲げる。
「救済の一撃!」
青白い光の斬撃がクサリクとぶつかり合う。
魔女ティアマトの時と比べると「救済の一撃」の威力はだいぶ落ちている。
エクスカリバーの切れ味はその戦いで何を救うかという事で大きく変わってくる。
救う対象が大きければ大きいほどその切れ味が増すが、逆に救う対象がなければエクスカリバーは何も切ることができない。
もっとも、何を救うかの対象はカイムの意思ではなく、エクスカリバーの意思によるものが大きい。しかし、先程国を救うことについてエクスカリバーはそれ認めた。
その威力は強力とも言えるクサリクの一撃を凌駕するものだった。
「馬鹿な!こんなはずは!?」
断末魔をあげクサリクは斬撃の光に飲み込まれる。
そして光が消えるとクサリクが地面に倒れていた。




