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Caim-七英雄と紅蓮の王女  作者: いなお
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世界を救う戦い

「この一撃で終わらせる!」


カイムは青白く輝く剣を天に掲げ、それを勢いよく振り下ろした。

剣から放たれた斬撃は黒衣のローブをまとった女に向かっていく。

しかし女の元にはその斬撃は届かなかった。

女の手前で黒い球体のようなものが突然出現してそれを飲みこんだ。

するとその球体は一瞬で消え去った。


「くそったれ、チートにもほどがあるっしょそれ!」

「人間風情が....!よもやここまで我を追い詰めるか....!」


渾身の一撃が球体に防がれた時点で、カイムは魔力を使い果たし、勝ち目はほぼなくなった。

それはカイム自身も感じている。


「これで終いだ人間!」


ローブの女、いや、魔女ティアマトがカイムに向けて手を伸ばすと黒い球体が現れる。

先程別の球体に放った斬撃がカイムめがけて放たれた。

この時点でカイム一人であれば負けは必然だった。

カイムの手前1メートルほどに突如として火柱が舞い上がり、斬撃を消し去った。


「いやーギリギリ間に合ってよかったよー」

「先輩ご無事ですか!」


カイムが振り返ると6人の仲間がそこにいた。

ここにいる7人は七神器と呼ばれる7つの武器を用いて、今相対している魔女ティアマトを討つために集った同じ師を持つ仲間達だ。


「よしっ!役者交代だよ!」

「ここは私達に任せてください!」


槍使いの少女クレアと弓使いの少女アリスがティアマトに向かい攻撃を仕掛ける。

クレアの槍は全てを薙ぎ払う焔の一撃を。

アリスが放つ幾千もの矢は雷鳴轟く豪雨となってティアマトに降り注ぐ。

それをいともたやすく黒い球体を器用に平らにしたり、高速で移動させたりすることでティアマトは怒涛の攻撃を防ぎ切る。


「貴様ら、地獄を見せてやる!」


痺れを切らしたティアマトは怒りを露わにした。

ティアマトは先程より半分くらいになった大きさの球体を正面に複数出現させ、それをクレアとアリスにめがけて撃ち放つ。

二人は負けずとその球体を全て撃ち落としていく。


「百式!!」


クレアとアリスに気を取られていたティアマトは後ろから近く影に気がつかなかった。

武闘家のアルンがティアマトの背後に回り込み渾身の拳を背中の中央部分めがけて撃ち放つ。


「人間どもがっ!!」


ティアマトの苦痛の声が響き渡る。



「すまん、遅くなったな」


斧使いのディアドラがカイムの肩に手を置いて労をねぎらう。

カイムは冗談めいた仕草で手を挙げてそれに答える。


「あとちょっと遅かったらあの世いってたっスよ俺」

「腕大丈夫ですか先輩!?」

「なんとかギリギリっスよ」

「おいおい、ダセーなカイム。あとは俺に任せて休んどけよ」

「うっさいっスよ。レイン」


心配そうにカイムの駆け寄ってきたのは魔術師のアップル。

おちゃらけた口調で喧嘩をふっかけて来たのは短剣使いのレインだ。

皆各々の神器を持っていて、それぞれの神器には特性がある。

カイムの持つ剣の神器には瞬間回復という1つの特性がある。

剣が緑色に光り輝き、その光が体全体を包む。

すると瞬く間にに体全体の傷を塞いだ。


「これで怪我は大丈夫だけど魔力はもうからっきしなんスよ。アップル、いつものお願い」

「了解です。先輩!」


アップルの前に宙に浮いていた魔道書がパラパラと独りでに頁がめくられ、ある頁でそれが止まる。


「纏い纏え、根源たるその色を。求むは力。色は白色。第1章第5節 エンハンス・オーバーフロー」

詠唱が終わると白色の魔力がカイムを包んだ。

エンハンスオーバーフローはアップルの持つ強化魔法の1つで身体能力を上昇させる。


「さあ、今度こそ最後だ。俺はこの剣で世界を救う!」


そう告げるとカイムのもつ神器エクスカリバーが青白い光を纏いだした。

魔女ティアマトの向かって行くカイム。


「ぶった切る!」

「こんなものに頼らねばならぬとは....」


魔女が黒い宝石を取り出し握りつぶすと、砕かれた宝石のかけらから黒い闇が現れた。

その闇はティアマトを取り込むようにして一本の柱となり、天高く伸び出した。

するとある一定のところでそれが止まり、突如として液体状になり溢れ出した。

これはやばい。

全員がそう感じて、一斉に回避か迎撃かの体制をとる。

カイムは迫り来る闇の前に立ちはだかり、闇をかき消そうと剣を構える。


「救済の一撃(シャインアルカ)!!」


カイムは青白い光の斬撃を放つ。

その斬撃ははこの闇を消し去るには十分な大きさだ。

だが、斬撃が闇を消し去ることはなかった。

何ともなかったかのように、青白い光が闇に飲み込まれてしまったのだ。

カイムは物理的になぎ払おうと闇に向かい剣を振るう。

全てを「救う」剣、エクスカリバー。

この剣は救うと決めた対象が大きなほど切れ味がが増す。

今世界を救うと宣言したこの剣の威力であればかき消すことなど造作もないだろうとカイムは断言していた。

ガキンと金属と金属がぶつかり合うような音がする。

剣が闇に弾かれる。

硬いというレベルではない。

物質同士が反発し合っているような感覚だ。


「なっ!?」


闇はカイムの体を飲み込み、神器だけは闇から弾かれ、カイムの手からエクスカリバーが離れる。


「エクス!」


叫ぶカイムを他所に、エクスカリバーは闇の海に流されていつのまにか形が見えなくなってしまった。

そのままカイムはなす術なく、闇の中に引きずり込まれた。


「これはっ!?」


それを見ていたアップルが何かに気がつき咄嗟に声を上げる。


「先輩方!!神器をしまって!」

「きゃああ!」

「うおっ!?」


何人かは迫り来る闇を神器で対抗しようとしたが、先程のカイムと同様に神器だけが闇から弾かれる。

そして、ティアマトを含むここにいる全員が闇に飲まれ、その場には闇の海とそれに浮かぶ神器だけが残った。



お読みくださりありがとうございます。

これを書いていたので他の更新が疎かに....

申し訳ありません。

次回は明日更新します。


きみぼくについては毎日更新を頑張ろうとしていたのですが今日はお休みさせてください。

明日は更新します。

精霊使いもごめんなさい。

しばらくは更新しないかもしれません。


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改稿4/20

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