7話:亜人と世界事情
本日2話目、前のを読んでない人は気をつけてください。
「質問なんですが、ここはどこですか?」
「ここは精霊の森って言われている場所よ。この森は未だ未開拓の森で
どこの国にも属していないわね」
なるほど、ネプティーヌさんの言うことは初めてオーブ、もとい精霊達と会った時に言っていた精霊の森って所か。
「この近くに人が住んで居る所は有りますか?」
「なくは無いけど亜人の住処ね、ミノタウルスやラミア、他にも居るけどやっぱり人間が良いのでしょう?」
亜人居るんだ!すげー!いつか会ってみたいなぁ。クロリースさんナイス!
「人の国に行くのか、イチゴはどうする気だ?まだこれから育てる?そうかならいい。そうだおまえに念話を教えてやる、収穫したら直接教えろ。ついでだアイテムボックスもやるからたくさん送れよ」
おお、すごい!これぞファンタジースキルのアイテムボックスだ。そうそうこういうチートが有るとこれからの難易度がすごく変わるからね!念話はテレパシーみたいなものかな、後で使い方教えてもらおう。
「なんだ、お前はそんなショボいスキルで喜ぶのか?そんなスキルじゃ戦えないぞ。そうだマブダチであるお前には強くなるスキルや攻撃法をやろう!少しは強くなってみろ、そしたら拳で語り合えるな!」
うへぇ、何この脳筋ロリッ子。拳で語り合うなんてどこの北斗の人よ、俺は荒事は御免蒙りたいの!まぁスペ○ンカーよりは強い方がいいから有難いけど。プロメーテスは脳筋、しかも熱血系っぽい。なのに身長は一番低い。
「あら、貴方たちはそんなにこの異世界人くんが気に入ったのね?私もこれからイチゴが欲しいから何かあげようかしら、気体操作とか気体固定とかかしら?あ、あと攻撃用に真空斬とかしか無いけどよかったら使って」
空気とか操れるの?ヤバいやつだ、チートktkr。
「な!あんた達なんでそんなに!私も色々あげるわね、だから私の事も忘れないでね!」
みんな大好きイチゴ。すごいね、ここまで気に入って貰えるのなら嬉しいな。 ネプティーヌさんのくれた物が何かは解らんがありがたく頂いておきます。
「皆さん、ありがとうございます。なんか色々もらってしまったみたいで、とりあえず人の居る国に行こうと思います。最後に一つだけ、俺の名前は冨田 聡って言います、異世界の名前なので覚えにくいかも知れませんがどうぞよろしく」
「そういえば名前を聞いて無かったわね、失礼したわ。私達も名乗らせて頂こうかしら。風と旅の精霊主クロリースよ」
「水と知識の精霊主、ネプティーヌよ。忘れないでね」
「大地と豊穣の精霊主のガイア、この中じゃ一番年上だから」
「俺は炎と繁栄の精霊主だ、プロメーテスだ。よろしくなマブダチ」
俺は自己紹介の後にも沢山の質問した。この世界の事、国の事、人々の事、農業の事、亜人の事、歴史の事。 他にも数えられないほどの質問や、時には雑談したりした。
どうやら精霊主はいわゆる女神に当てはまるらしく、いくつかの国には宗教として崇められたりするとか。そしてオーブこと下位精霊は、彼女たちの放出する魔素が一定濃度になると生まれるらしい。ふむ、ファンタジー。
生まれたオーブは自我を持たず漂うだけであり、俺の出会ったオーブは長い年月を経て自我を持った珍しいケースだという。
そして魔素!オーブの食料で有り、魔法の燃料で有り、この世界をファンタジーたらしめている未知のエネルギー!想像し願うことで魔法も使える!
この世界では濃度に差があるがどこにでも存在し、生きる者には大抵含まれている。大地に、草に、動物に、モンスターに、亜人に本当に何にでも含まれている。そしてある程度の濃度を体内に溜め込むと進化するらしい、例えるならオオカミが善の進化で人狼族になり、悪の進化でワーウルフになるとか。地球とは違う生態系が魔素により生まれたという事らしい。
俺には今は魔素がない状態らしいがこの世界で生活し、魔素を取り込めばもらった魔法とかも使えるようになる、らしい。いや〜こんな小説みたいなこと有り得るんだね、びっくりだ。
クロリースさんが言うには「貴方の(魔素の)器は人間にしては大きいわ、それをどう使うかは貴方次第よ。数百年停滞している人間の技術を進歩させるも、国を滅ぼすのも自由にしていいわ」とのお墨付きももらった。だが俺は魔王になりたいわけじゃないので国を滅ぼしたりしません!もっとゆるくまったりしながらの農業ができればいいんです!
と、言うことでみじかな国で良さそな所を聞いたが人間の事は解らないとの事。まぁこの精霊の森に隣接している4つの国家は戦争などはしていないらしく、いずれも穏やかな国らしい。ただ最西の帝国は戦が好きな国だと言う、そんな所は嫌だ、関わりたくない。
国の事はよく解らなかったがこの精霊の森がある大陸の事は少し教えてもらった、どうやらこの大陸はいまだに未開の地が広がっていて、人間の手が入っている場所はほんの3割程度らしく、そのほとんどが海沿いに位置しているとか。大陸のほとんどがモンスターの蔓延る危険地帯だと言う。精霊の森は南部寄りで 暖かく比較的弱いモンスターしかいなため国が密集して人が栄えているんだと。
東部には高い山々が連なり一年中雪を湛えた山が東北に渡りに沢山あり、東南部には裾の広く頂の低めの山々があると言う。モンスターは中級の鍛えた冒険者なら倒せる者が多いらしい。これは実家の農家が有った田舎に似た所かな、そう考えると東部が一番イチゴ栽培しやすいかな?
北部と西部は大半が上位の強力なモンスター達の巣でかなり危険な場所らしく、それでも多少は人間の国家があるらしい。そして未開の森の奥深く、魔法で迷い込めない様にした所にはエルフの国が有り人間の国家とは全く異なる文化を歩んでいるとか。会ってみたいなエルフ、やっぱ耳が長いのかなぁ、金髪碧眼なのかなぁ、wktk。
エルフが居て獣人が居るなら他にもドワーフやホビットとかもいるのか尋ねたら「あぁ、ドワーフなら俺の住んでる火山の近くに居るぞ。会うなら直ぐにでも連れてってやろう、なんせ俺達マブダチだからな」って。ドワーフが居ることも驚いたがプロメーテスは火山に住んでるってのも驚きだ、火山でどう生活してるんだろう?
「そういえば私の住む渓谷にも小人族が住み着いてる所があるわね〜、いつもお供えくれる子達よ〜」ってクロリースさん貢いでもらってるの!?まぁ美人だしなぁ、それに精霊主は女神と同義なら貢がれる…もとい奉られるのも納得か。見た目もめっさ綺麗なキャバ嬢っぽく見えなくもない?いや流石に女神をキャバ嬢みたいとか言うのは失礼か。
「わ、私はこの川の上流に住んでるわ!聡が見てみたいなら今すぐにでも連れて行くわ!」
いやいやネプティーヌさん、なんでそんなに興奮してるんですかい?そんな興奮しないで!こ、今度行きますから、だから落ち着いて!
うはぁ、びっくりした。ネプティーヌさんいきなり興奮するんだもん、未だに顔を赤くしているし。なんか楽しそうにしているからいいか?
ガイアさんは何か面白い種族の事は知ってます。
「あんまりしらないな、地表の事は興味ないのでな。地表を眺めるくらいなら地下でねむるわ」って引きこもり宣言!?確かに気怠げな感じだしそんなにアクティブには見えないか、声や姿は若いけどこの中では最年長って言ってたし…、おや、なんか今寒気が?
とりあえずこれだけいろんな情報を頂いたし、多少は向かう方角の目処が立ったからそろそろ移動するかな。
もう1話で1章が終わります。