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イチゴ農家と精霊魔術  作者: 空悟
死んだ先は異世界でした
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4話:精霊主達と旅の仲間達

連続投稿まだ頑張ります


「あの、ここはどこですかね?」


「あなた達が言うところの異世界、異次元、パラレルワールドとかがそれに該当するわね」


「そして、ここに来た異世界人、貴方達は前の世界で死んでいると思われるわ」


あぁ、やっぱりビニールハウスが雪で潰れて俺は生き埋めになったのか。


いや痛みとか感じなかったから多分鉄パイプがクリーンヒットしたのかもしれない。沙由里ちゃんが来る前にハウスが崩れたなら彼女は巻き込まれていないはずだ。そう、願いたい。


「自分が死んだ事を告げられて、それでも他人の心配できる何て。とんでもないお人好しね。気に入ったわ、私」


水色の髪の美女がそう言って席を立ち俺の前までやってきた、彼女の瞳には先ほど見せた敵意など嘘の様に消え去り澄み切った青い瞳が俺を見つめていた。


「貴方には私の加護を授けましょう。水の神よ我が愛しの迷い子にその道を歩む為の力を授けたまえ」


両腕を広げ空を仰ぎながら不思議な呪文を唱え始めた美女から、青、水色、藍色や紫の光が溢れ出した。その光は俺の体を包み込み、身体は不思議な浮遊感を感じた。


「あら、思ったより落ち着いてるのね?」


まぁ死んだって言われたし、水の上も歩いたし、多少の事では驚かなくなったかな。


てかそれより、この美女達の名前が知りたい、意味深な意味じゃなく呼びにくいからであって決して、決して下心なんてない。


「私たちの名前?あら?言ってなかったかしら?私は水を司る精霊のネプティーヌよ」


「私は草木を司るクロリースよ、貴方には私たちの精霊達がお世話になったみたいね」


えっと、水色の髪の美女がネプティーヌさんで黄緑色の髪の美女がクロリースさんね、忘れないようにしなきゃ。そしてえらく静かだったから忘れてたよ、あの話の通じない4バカ達の事。


「ふふふ、案外毒舌な所もあるのですね」


「まぁ知性も少ない精霊達ですから、少し抜けてる所がありますわね。でも私の精霊におバカ呼ばわりはいただけないわね」


やっべ、少し腹が立ってたからぞんざいな言い方になった事が、ネプティーヌさんはお気に召さなかった様だ。少し大人気ない自分に反省していると、彼女はテーブルの隅の方で揺蕩っていた青いオーブを手のひらに乗せた。


「 貴方には私の知識や魔力を分けます、この異世界人の方と共に過ごし必要な時に手を貸してあげなさい」


「はい!わかりました!」


元気よく返事をした水色のオーブにネプティーヌが何かを呟くと、丸い光の玉(例えるならゼ◯ダのナビィ)が強く発光した。

水色の光が納ると、さっきまではオーブがいた所に手のひら大の可愛らしい少女が座っていた。長い青髪は三つ編みにして片方の肩にかけられ、幼いながら利発そうな顔にちょこんと片眼鏡が付いている、可愛らしい容姿なのに学者の様に白衣の様な物を羽織っていた。


「あら、大盤振る舞いね〜。そんなにこの異世界人さんが気に入ったの?」


クロリースさんの言葉に少し赤くなりながらネプティーヌさんは、「私たちの精霊達がバカにされたままなのが嫌なだけよ」と言っていた。


「とりあえず、この子を貴方にあげるわ。私の知識と貴方から覗いた知識を持ってるから役に立つはずよ」


「よろしくお願いしますね!」


小さな女の子になった精霊が俺の元まで来て頭を下げた。まぁ、この世界で生きて行かなきゃならないのだから手伝ってもらえるならそれで良いか。


「あらら〜、羨ましいわ〜。私も異世界人さんと一緒に居たらあの美味しい木の実もっとたべれるのに〜」


今度は黄緑色のオーブがそんな事を言い出した。しかし、なんとまぁ子供みたいな理由で羨ましがっているんだか。


「あら、木の実ってそこの籠の中の物かしら?この子が気にいるほど美味しいのかしら?」


うへぇ、今度はクロリースさんが苺に目をつけちゃったよ。籠には大体3キロほどしか入っていないうえに、さっき4人?のオーブに500g位食われちゃったからなぁ。これはもう、イチゴが残らないかも。


「この世界の植物に似た物もある様だけど、異世界の木の実でいいのかしら?」


そう言うとテーブルに置いておいた収穫籠からイチゴをヒョイっと摘んでそのまま口に放り込んでしまった。


あ〜あ、へたの部分ごと食っちゃった。


「あら、美味しいわね〜この木の実」


「ほんと?じゃあ私も頂こうかしら」


あぁ、ネプティーヌさんもへたごと食べちゃった。


「あの、イチゴはへたの部分は取って食べた方がいいと思うんですが…」


あらら、二人共顔が赤くなっちゃった。


「そ、そうね。美味しいのだけどへたの所が少し口に残るからおかしいと思ったの。ほ、本当よ」


「そうね〜、食べられなくはないけど葉っぱの所は残念って思ってたのよ。あ〜、葉っぱ取るともっと美味しいわ!」


「ずるい、私も食べるわ!」


パクパク食べる美女二人を眺めるのもいいが、このままだと本当にペロリとイチゴを完食されてしまう。こんな時の殺し文句を今使わずにいつ使う!


「イチゴは美容にいいんですよ〜、1日10粒ほどで肌が綺麗になるんです。でも1日で食べるのではなく毎日食べた方が肌に良いですよ」


俺の話を聞いた途端美女二人の目つきが変わった!?


「そう、じゃぁ今日はこれで良いわ。明日また持ってきてもらえるかしら?」


「そうね、毎日続ける事で肌が綺麗になるなら今日はこれで良いわ」


ふ〜、良かった。思ったよりすんなり止まってくれた。イチゴを美味しいと言って食べてもらうのは嬉しいけど、この籠の分しか無いからせめて種を取ってから食べてもらおう。


「そうだ!ちょうど良いからこの精霊に毎日私に届ける様にするわね」


「え!ずるいわ〜!私も加護あげるから持ってきてもらうわね」


言う終わる前にクロリースさんは黄緑色のオーブに向けて手を翳し、緑や黄色や深緑色の無数の光を放ち出した。


光はオーブだけでなく俺にも降り注ぎ二度目の浮遊感を感じた、うへぇ、余計な事言ったかも。そう思っていたら、机の上にいた黄緑色のオーブへの光が納る所だった。


オーブにまとわりついていた光が治ると、机の上には小さいけど所々大きな女の子が立っていた。新芽の様な黄緑色の髪は机に付くほど長く、蔓の様な植物や百合を小くした様な花が所々に咲き誇ている。幼さとあどけなさが残る顔立ちに優しそうなタレ目、瞳は群青色に輝いている。ただ幼さと不釣り合いな大きさの胸部に目がいってしまうのは男の性だろう、例えるなら美少女フィギュアかな。


「これから貴方はこの異世界人さんに尽くしない、そして毎日私にイチゴを持ってきてね」


「はい〜、喜んで〜」


なんかまた面倒見る精霊が増えたっぽいんだが、どうしよう。

短いですが一章を書き終えたので、1章は毎日更新します。

もし気に入ってもらえたなら評価とかお願いします!モチベーションが上がるので。

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