2話:オーブは精霊
更新二日目です。
「だから〜、ここは精霊の森だよ〜」
「そうだね、人間達にはそう呼ばれてるらしいね」
「わざわざ教えてやんなくったっていいだろ、けっ」
「だめよそんな風に言っちゃ〜」
あ〜。うん、だめだ、こいつら。
Q:これは夢ですか?
A:夢?誰が寝てるの?
Q:ここはどこですか?
A:精霊の森だよ〜
Q: ここら辺に人は居ますか?
A:いるよ〜
Q:どこに居ますか?
A:精霊の森にいるよ〜
Q:その人が居る場所はどこですか?
A:精霊の森の中にいるよ〜
こいつは何だ?言葉が通じているのに通じて無いぞ、てか精霊の森って事以外には人が居るらしいと言う事しか分からなかったんだが。
yaho●知恵袋に質問するぞ。話の通じない自称精霊がいます、どうすればいいでしょうかって。
あぁきっと《貴方にしか見えない精霊ですね、オススメの精神科医の連絡先です》とかい言われるんだろうな〜、きっと。
てか茶色いの以外も答えてよ、そっちでわいわい楽しそうに雑談してるとこ悪いけど。てか、いい加減イチゴを食うのやめろし。あきらかにお前らの体積以上食ってるんじゃないか?
とりあえず人の居る場所はまで案内してもらえますかねぇ、オーブさん達。
「良いよ〜、久しぶりに人間さん達の町に行こ〜う」
「良いね、遊びに行きたいね」
「ヤダよ、めんどいし。それに俺たちオーブじゃなくて精霊だし」
「そうね〜、美味しいイチゴいただいたしお返ししないとね〜」
「「ね〜」」
「うげぇー」
「あら〜、オ、レ、ン、ジは来なくても良いのよ〜」
「ひぃ…。い、行くよ俺も。だからオレンジって呼ぶなよ」
あ、話纏まりました?君達オーブ、もとい精霊は姦しいね。
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それから俺は三時間ほどオーブ達と森を彷徨った、さすがに疲れたので幾許かの休憩をしていた。
「なぁ、あとどれくらいかかるんだ」
「えっとね〜、わかんな〜い」
「旅は始まったばかりだね」
「あ〜あ、だり〜」
「町ってこっちだったかしら〜?」
「え?まじで?こんなに歩いて来たのに全部無駄足なの?」
「あれれ〜、怒ってる〜?」
「まずい、目が座ってるね」
「だから嫌だったんだ、こんな事」
「大丈夫よ〜、何とかなるわ〜」
だめだこいつら、マイペースって次元じゃないぞ。これはこいつらに期待するだけで無駄だな。
「あはは〜、目が死んだ魚みたい〜」
「光が失われたね」
「うわぁ…」
「まぁまぁ〜、そんな怒らないで〜。もうすぐ着くと思うから」
「おい、着くってどこにだ?さっきはどこに向かってるか分からないって言ってただろ?
「そうね〜、もう少ししたら水の気配がするからどうにかできると思うわ〜」
「ホントだ!水の香り〜」
「そうだね、落ち着くね」
「うげ〜」
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さっきからずっと俺の事シカトしてません?こんな森の中数時間歩かされて持ってるイチゴは休憩の度集られて、目的地である人の住む町ではなく水辺に案内されてるし。
とりあえず何で水辺に行くのか聞けば。
「今日は水辺に居ると思うのよ〜」
って言って何が水辺に居るかを言わないし、そろそろ俺怒ってもいいよね。そう思って目前で漂う4匹?人?体?に問い詰めようとしたら少し前にある俺の背丈がより高い藪の中に潜り込んでしまった。
「あ〜、着いた〜」
「ただ今戻りました、人間もいるけど良いですかね?」
「ど、ども〜」
「やっぱり今日はここに居ると思いました〜」
と藪のなかから声は聞こえるが何故か俺はこの藪に行く手を阻まれていて進めないんだ、手を入れようとしても壁のように硬くて指の一本も藪に入れられない。
流石にこれには俺も驚いた、多分だが結界らしき物なのかな?いつも読んでる異世界物に良くある不思議な力がかけられているのかな。
「貴方達が人間を連れてくるなんて珍しいわね」
「面白い御仁にお会いできて?」
通れない壁のような藪の向こうから綺麗で澄んだ声が二人分聞こえて来た後、俺の目の前の藪に人が通れるほどのアーチが出来上がった。
4話まで書いてあるので毎日更新します、それが終わったらー少しペースダウンします。