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地獄の番犬vs現代兵器



 俺たち、「Defender」の4人は今朝食を食べている。昨日の夜に引き続き戦闘糧食Ⅱ型だ。朝食を食べ終えると、レトルト容器を地面に埋める。宿営用天幕や野外入浴セットⅡ型とミニガンを搭載していないハンヴィーを消去する。その時だった。双眼鏡で遠くを見ていた智哉があっと大声を上げたのだった。


「どうした智哉…」


「遠くで煙が上がってるように見えたんだよ」


「ちょっと双眼鏡貸せ」

 俺は智哉から双眼鏡を奪うと煙が上がっている方向を見た。よく見ると何かの集団が王都に向かって移動しているのが見えた。


「ヤバいな…どうする…」


「戦うか?」


「そうしたいが地上戦では全員死ぬな…。 そうだ…Black Hawkを使うか…」

 そう言って俺はMH-60L Black Hawkを召喚した。MH-60Lはアメリカのシコルスキー・エアクラフト社が開発した中型多目的軍用ヘリコプターだ。今回はパイロット2名も併せて召喚した。


「よし…乗り込むぞ」

 サイドドアを開けて乗り込むと機長であるクリス・ルメイ中尉が声をかけてきた。


「マスター初めまして、パイロットのクリス・ルメイ中尉であります」


「よろしく、伊吹だ。早速だが、あの煙が見える場所まで飛んでくれ」


「了解」


「武装は?」


「M134が両サイド2艇です」


「それとダネル社製のMGL140を4挺とグレネードの予備弾薬でいいか…」

回転式グレネードランチャーであるMGL140を2挺召喚し凛と天音に渡す。


「伊吹? まさか戦うつもり?」


「凛は昨日戦闘に参加してないからな…レベル上げにはもってこいだろ…」


「はい…わかりました…」

その時パイロットであるクリス中尉の声が無線で聞こえてくる。


「上がります」


「頼む」

 伊吹達が搭乗しているMH-60Lは目標地点に向けて飛びたった。



 その頃王宮では、騎士団員達が戦の準備をしていた。柊羽達も防具などを着けて出撃の命令が下るのを待っていた。


「何で伊吹達がいない状況で…魔物が来るんだよ…」


「第一にあいつら…何処にいるんだよ…」


 クラスメイトから弱気な言葉が聞こえてくるが柊羽は気にしない。今は自分たちに降りる命令を待っているだけと自分に言い聞かせる。その時、騎士団長であるソレンセンから号令がかかった。


「全員集合!」

 その場にいた全員が集まる。柊羽たち勇者もだ。


「今現在、この王都に向けて多数の魔物の集団が接近中との報告があった。そのため我々は冒険者ギルドと連携してこの集団を撃退する。なお、この魔物の集団は王宮の南門に向かっているという。そのため…南門で防衛線を築いて戦いたいと思う。何か質問はあるか?」

 柊羽が手を上げる。


「柊羽か…どうした?」


「伊吹達は何処にいるかわかりますか?」


「あの4人は昨日ギルドでゴブリンの討伐クエストを受けたという事までは聞いたが、今現在は何処にいるかは分からない」


「そうですか…」


「他に質問はあるか? 無いな。 移動開始だ」


「了解!」

 騎士団員達と勇者が動き出し、防衛地点である王宮南門へと行くために馬車に乗りこんだ。


 伊吹達が搭乗しているMH-60Lは丁度魔物の集団の上空39mのところまで接近していた。左右のM134のガンナー席には伊吹と智哉がついている。天音と凛は体が機外に放り出されないように命綱を着けて、MGL140を魔物に向けている。


「よし…皆攻撃開始だ…。智哉はミニガンをあんまり撃ち過ぎるなよ。すぐに弾切れになるぞ」

 

「了解!」

 左右のミニガンとMGL140グレネードランチャーによる攻撃が始まった。それに合わせてヘリも旋回し攻撃しやすい位置を確保する。


「伊吹!」


「どうした智哉!」


「敵の集団の真ん中にケルベロスみたいな奴がいるぜ」


「ケルベロスだと…」


「ああ…冥界の番犬だ」

 ケルベロスとは、ギリシア神話に登場する犬の怪物だ。三つの首を持ち、冥府の入り口を守護する番犬だ。そのケルベロスが敵の魔物の集団の真ん中にいるのだ。


「どうする?」


「とりあえず…ミニガンを集中的にあてろ」


「おう!」

 智哉がケルベロスに向かって鉛玉を連射している反対側では、伊吹と天音がゴブリンやオーク等の雑魚の命を40mmグレネードや7.62mm弾で刈り取っていた。


「どうだ智哉当たったか?」


「アタリはするがあんまりダメージは入っていないみたいだぜ…」


「そうか…。凛はどうだ?」

 グレネードを撃っている凛にも聞く。


「だめ…当てらんない…」

 動いている生物に対してグレネードを当てるのは難しい。


「倒せそうにないか…。くそ…どうすれば…」

 その瞬間頭にレベルアップの音が響いた。すぐさまステータスを確認する。


 松田 伊吹

  LV : 20

  HP : 700

  MP : 3000

 STR : 判別不能

 VIT : 950

 AGI : 判別不能

 INT : 640

 スキル 鑑定 翻訳 格闘 完全操作 兵器召喚 人員召喚 能力付与

 称号 勇者 召喚士

 ※1985年までに生産・使用された航空機が召喚可能になりました。

 ※1990年までに生産・使用された陸上兵器が召喚可能になりました。 etc.

 ※能力の一部が制限されています。レベルアップによって解放可能です。


「レベル上がるの早くね…。でもこれで勝てる…」

 俺が黒い笑みを浮かべるのを横で見ていた天音は大丈夫?と聞いてきたが、俺は気さくに答えた。


「大丈夫だよ。…A-10…2機編隊召喚!」

 直ぐに2機のA-10が現れMH-60Lの上空をフライパスする。


『こちらハンマー1。Blackhawk…応答願う』

 A-10の1番機からの無線が左耳に装着されている骨伝導イヤホンから聞こえてくる。

「よく聞こえているぞ。コールサインはシュガーだ」


『了解。シュガー1。状況は?』


「それはマスターから聞いてくれ」


『ラジャ。 マスター聞こえますか?』

 骨伝導イヤホンにハンマー1の声が聞こえてくる。


「ああ、聞こえるぞ。現在モンスターの集団が王都に向けて進行している。それをここで阻止してほしい」


『何をぶちのめせば?』


「モンスター集団の真ん中にいる地獄の番犬に餌としてクラスター弾と30㎜を与えてやれ。あいつを地獄に送り返せ!」


『了解、マスター。シュガー1、今すぐそこから離脱しろ』


「了解」


 旋回してきた2機編隊のA-10がクラスター弾であるCBU-87/Bの投弾ポイントに入る。8ヶ所のペイロードから投下されたクラスター爆弾は空中で炸裂し子弾をばらまいた。ばらまかれた子弾はケルベロスの体やその周辺に着弾すると多数の大規模な爆発を起こした。爆発する瞬間を見ていた俺たちは、煙が晴れるまで爆発の範囲外にいた魔物に射撃を加えた。しばらくすると煙が晴れてきた。だが、ケルベロスはまだ生きてきた。


「しぶといな…あそこで死んだ魔物の命でも吸ってんのかよ…」

 智哉が軽口を叩く。


「クラスターが効かないとはな…。ハンマー1、聞こえるか?」


『聞こえますよ、マスター』


「よし…30㎜で攻撃してくれ」


『了解』

 A-10はそれぞれの方向からGAU-8/A アヴェンジャー PGU-14劣化ウラン弾を射撃し始めた。


「さすがに劣化ウラン弾を2機で2700発も喰らえば死ぬだろう…」

 アヴェンジャーの煙が晴れる。ケルベロスはそれでもなお生きてはいたが、2つの首が千切れていた。


「まじかよ…。智哉…」


「なんだ?」


「そっちのM134の弾丸を撃ち尽くせ」


「了解」

 すぐにM134の発射音が響いてくる。30秒ほどで全弾撃ち尽くしたようだ。


「死亡確認を頼む」

 ハンマー1に死亡確認を頼み、周りに残っている魔物がいないかを確認する。もう生きている魔物はほとんどいなかった。


『了解。 目標の死亡を確認。繰り返す、目標は完全に沈黙した』


「そうか…わかった。 爆撃及び敵性生物集団の殺害、感謝する」


『いえ、お役に立てて何よりです』

 ハンマー1は俺にそう言うと、ヘリの横に並んで俺に敬礼をしてきた。俺もすかさずアメリカ空軍方式で答礼する。そして消去と言った。2機のA-10は光の粒となって消えた。


「クリス中尉、着陸してくれるか?」


「ケルベロスの遺体の近くですね?」


「そうだ」


「了解」

 そう言ってクリス中尉は機体をホバリングの状態から降下させる。地面に完全に着陸したところで、機体から4人で降りた。俺たちの目の前には、首が千切れているケルベロスが血のにおいをさせながら死んでいた。




どうも時雨です。

今話はA-10が出てきましたね。ケルベロスってどれくらい硬いんでしょうね


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