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冒険者ギルドにて…


 王宮の地下にある武器庫では、勇者達が自分たちの使う剣や魔法の杖を選んでいた。


「よりどりみどりだな…」

 伊吹達4人は、もうすでに自分たちの銃を持っているので一応の見学として武器庫の壁に寄りかかってその光景を見ていた。


「おい…この剣すげー軽いぞ」


「この杖強そう…」


 武器庫のいたるところでクラスメイトの上ずった声が聞こえてくる。俺たちの横には、午前中に銃で黙らせたソレンセン騎士団長がいた。


「君たちは剣や杖は要らないのかい?」

 俺は首を横に振りHK416を掲げた。


「ええ…要りませんよ。 こいつは、ここの武器庫にあるどの武器よりも強いですからね」


「そ、そうだったな…」


「ソレンセンさん、今日これから王宮の外に出ることは出来ますか?」


「無理ではないと思うが…何をしに行くんだ?」


「レベル上げのためにギルド登録をしたいのです」

 ソレンセンは少し考えるそぶりを見せた。


「レベルアップなら、あと一週間後に王都郊外にあるダンジョンに行くつもりだが…」


「それだと遅いですね。 俺たち4人は、こいつを完璧に操作できるといっても精神面はただの素人ですので…何とか実践訓練という形でレベル上げをしたいんですよ」


「そうか…わかった…。行ってきていいぞ。 どうせ今日は、このあと特にすることも無いからな。飯はどうするんだ?」


「現地で食べますよ」


「外出届は出しておこう。 あと…勇者ということを悟られるなよ…」


「ありがとうございます。 なるべく気を付けます。 あっ…それとお金ってどうすれば?」


「ああ…ならここにある武器を売って稼げばいいさ。 これなんかだとちょうどいい価格になるだろう」

 そういって俺に差し出して来たのは、3本の銀でできた短剣だった。


「え…大丈夫なんすか? 短剣なんか横領して…」


「ああ、大丈夫だ。 なんせここの管理人は私だからな」


「と、とりあえず行ってきます」

 俺たち4人は、武器庫をでて王宮の玄関までメイドさんに案内してもらった。ついでに冒険者ギルドの位置も教えてもらった。


「さて…歩いていく? それとも車で行く?」


「いや…普通に歩いていこうぜ。 第一この人通りのなかを車で突っ切っていくのかよ」


「普通に歩きましょうよ…」


「…伊吹…人ひくつもり?」

 3人からは、車に対して否定的な意見が出たので歩いていくことにした。


 (ハンヴィー乗りたかったな…)


 少し歩くと目的の建物が見えてきた。


「と、その前に換金して来なきゃな」

 近くにいた人に武器を売却できる所がないか聞くと、すぐそこにあると言われた。俺は、振り返る。振り返った先には、店先が冒険者で溢れている店があった。聞いた人に礼を言うと、直ぐに武器屋の店先に行った。


「すいません。 こいつの買取をして欲しいんですけど」

 店先で冒険者の対応をしていた、がたいの良い従業員らしき人に声をかける。


「武器の買取ですか? では、こちらにどうぞ」

 俺たちは、店の奥にあるカウンターに通された。


「銀の短剣3本の買取をしてください」

 店主のような男に短剣を渡すと、それぞれの短剣を細かく鑑定してくれた。


「この…銀の短剣はずいぶん良いものだね。 金貨2枚と銀貨8枚でどうかな?」

 後から聞いたところ、この世界の貨幣制度は…


 白金貨 100000円

  金貨 10000円

  銀貨 1000円

  銅貨 500円

 

 と、教えられた。つまり、銀の短剣3本で2万8,000円ということだ。


「それで構いません」

 俺は、店主のような男から金貨2枚と銀貨8枚を受け取ると店を出て、冒険者ギルドへと向かう。


「やっぱり…」


「どうした伊吹? 入らないのか?」


「見るからにガラの悪そうな奴らばっかじゃん…」


「大丈夫だろ…。 それにそんな奴らは…こいつで脅してやればいい…」

 そういって智哉は、HK416を見せつけた。


「そうだな…。 よし行くか!」

 冒険者ギルドの扉を開けると、中には様々装備を纏ったガラの悪そうな冒険者が騒いでいた。俺たち4人はそんな奴らを横目で見ながらギルド登録のカウンターに向かっていたが、案の定、凛と天音に手を出そうとしてくる奴らがいた。


「なぁ嬢ちゃん達よォ…こんなタバコ臭い所で何やってるんだい? 早くお家に帰った方がいいんじゃないか?」


「それよりも俺たちと遊ばないかぁ? 楽しいぜぇ?」

 そろそろ煩くなってきたので智哉とアイコンタクトを交わして、二人に絡んでくる奴らにHK416を向ける。もちろんセーフティは解除してあるので、引き金を引くだけで銃弾が発射される。


「止めてもらえませんかね? あんまりしつこい人は嫌われるそうですよ?」


「邪魔だ…女をよこせ。 お前たちには勿体ないぜ」

 確かに二人はクラスの中では、結構レベルが高い。だが、それでも同じパーティの仲間だ。みすみす渡すわけにはいかない。周りから野次が飛ぶが俺は気にしないでHK416を相手に向け続けている。


「はぁ…そんなに欲しいなら俺と戦って奪ってみろよ」

 凛と天音を寄越せといった冒険者は快諾した。


「おい、奥の闘技場を借りるぞ」

 受付嬢らしき人に声をかけてから、4人でその男の後をついていく。ついていった先には、体育館程の広さの決闘場があった。



どうも時雨です。

テンプレのストーリーですが、これも重要な演出です!伊吹達に喧嘩を吹っ掛けた冒険者はどうなるのでしょうね。次話もよろしくお願いします!

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