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実演


「…ん?ここ何処だ…そうか異世界に来たんだっけ…」

 鳥のさえずりで目を覚ます。一瞬どこにいるかわからなくなったが、ベッドサイドの壁に立て掛けてあるHK416を見て体を起こす。


「昨日召喚したHK416か…消去って念じれば消えるのかな…」

 試しに消去と念じてみる。すると、今まで立て掛けてあった銃が消えた。


「なんだよ…消せるじゃんか…。でも…これで盗まれなくて済むな…」

 

「今何時だっけ…」

 俺はなぜか召喚できたカシオのG-SHOCKをサイドテーブルから手繰り寄せて時間を見る。


「6時半か…ってなんでGPS受信の腕時計が電波を受信するんだよ…。気にしたら負けって奴か…」

 ベッドから起きて寝巻を脱ぎワイシャツを着てスラックスを穿く。そして俺の反対側のベッドにいびきをかきながら寝ている智哉を起こすが、何度揺すっても起きないので、仕方なくベッドから落としてやった。


「…ん…痛い…ってなんで伊吹が俺の部屋にいるんだよ!」

 智哉は、この部屋を自分の部屋だと勘違いしているらしい。


「誰がお前の部屋だ…さっさと起きろ」

 

「ちぇ…もう少し寝かせてくれよ」


「早く着替えろや…もう少しで朝飯の時間だぞ」


「えっ…マジで?」

 俺は智哉に時計のデジタル液晶を見せる。


「今何時だ?」


「…6時40分です」


「朝飯の時間は?」


「10分後…です…」


「じゃあ…さっさと着替えてくれないかな?」


「はい…」

 そう言って智哉は俺と同じように着替えていった。



 その後俺たちはクラスの全員で朝食を食べて、城の中庭にある訓練場に行くことになった。訓練場では、騎士や魔術師が己の剣技や魔術を訓練していた。


「皆様、おはようございます。私は皆様勇者の指導担当である、騎士団長のソレンセン・オリバーです。今日から約1か月間は訓練の予定ですので頑張ってくださいね」

 

(別にこの人達の助けはいらないな…)


「では、4人づつのパーティを組んでから訓練をしましょう」

 俺たちのクラスは40人なので10個のパーティができる。俺たち4人は昨日すでに決めていたのでクラスの中で最初にパーティ完成の報告ができた。俺たち以外はすんなり決まらない感じである。


「ソレンセンさん、パーティが出来ました。メンバーは、松田 伊吹・新島 智哉・染谷 凛・関 天音です」

 クラスメイトの中には驚いている連中がいた。


「伊吹達決まるの早くね? って…なんかあんまり関りの無さそうな奴がいるな」


「関さんと凛が一緒ってウソでしょ…」


「ふむ…防御魔法特化と魔法特化が二人に召喚士というスキル持ちの君か…。正直に言うと君はこの中で一番弱そうだがな…」

 俺は少しイラっと来た。


「そうですか…では、俺たちだけで訓練に励んでいいですかね?」


「なぜだ?君たちには剣や魔法はまだ使えないだろう?」


「剣なんかなくても戦えますよ…」

 後ろでは、クラスメイトの奴らが委縮していた。皆昨日のステータス確認であらかた分かっていたのだ。伊吹は銃が使えると…。


「嘘をつくんじゃないぞ小僧…剣なしにどうやって戦うと言うんだ。説明してみなさい」

 

 (早速修羅場になったな…)

 俺は心の中で笑いながら一つの武器を召喚した。突然俺の手が光りだしたことによって、智哉や凛、天音以外の訓練場にいた人々が注目する。召喚した武器は…昨日試しに出してみたHK416だ。


「なんだその武器は?それが君の能力か?使えないな…今すぐ王宮から出ていきなさい」

 この瞬間クラスメイトは、あっ…騎士団長死んだな…と思ったようだ。


「こいつは俺たちが元いた世界の陸戦の主力武器ですよ。俺たちがいた世界ってのは…もう剣が廃れた世界だったもんでね。この武器の祖先が誕生した瞬間から剣というのは…時代遅れの産物になり果てたんですよ」


「剣が廃れた世界だと?そんなことがあるはずないだろ」


「分かって頂けないようですね…なら仕方ない…」


「おい、伊吹待て…」

 後ろから柊羽の声が響いた。


「なんだよ柊羽」


「お前騎士団長を殺すつもりか?」


「殺すはずないだろ」


「じゃあなんで銃を出した?」


「こいつの能力を知ってもらうためさ」

 俺はHK416の銃口を上に向けて持ち上げた。


「そうか…止めて済まなかった」

 柊羽が頭を下げて謝った。


「いや…俺も説明不足だったよ。さて…では騎士団長どの…こいつの性能とくとご覧あれ」

 俺は、指を鳴らすと15m先にマネキン人形の目標が出現した。


「ふん…その距離からどうやって攻撃するというのだ」

 

 俺はニタっと笑うと、HK416に30発入りマガジンを装填し、チャージング・ハンドルを引き初弾を薬室に送り込む。俺は立ち撃ちの姿勢で銃を構えてフォアグリップを握り、M4ダットサイトを覗き込む。セレクターレバーをセミオートにしてトリガーを引く。パァンという破裂音とともに15m先の標的の頭部に弾丸が吸い込まれ、HK416からは空薬莢が排出される。俺は、セレクターレバーをフルオートにしてトリガーを引く。先ほどとは、比べられない音が周囲に響いた。毎分700発の速度で発射される5.56x45mm NATO弾30発マガジンは数十秒で空になった。足元には、硝煙に燻された薬莢が散らばっていた。15m先のマネキンには貫通している穴は少なかった。なぜかというと、そのほとんどがマネキンの内部でマッシュルーム状に変形しているからだ。俺は、マガジンキャッチボタンを押してマガジンを外し、セレクターレバーをセーフティの位置にしてHK416をスリングで肩にかけ、ソレンセンに向き直った。


「さて…いかがだったでしょうか?この武器は」

 騎士団長は顔が青くなっていた。どうやらマズルフラッシュ(発射炎)と銃撃音で逝ってしまったようだ。


「これで、俺たちだけで訓練することを認めてくれますね?認めなかったらどうなると思います?」


「わ、分かった…君たちだけで訓練をすることを認めよう…だ、だからその銃とかなんとかを向けないでくれ!」

 相当に怯えさせてしまったようだ。これはまずいかもしれないと思ったが後の祭りだ。


「よし…智哉と凛と天音さんちょっとついてきてくれ」

 それぞれが返事をして、俺に近づいてくる。


「俺たちはあちらで訓練させてもらいますね」


「ああ…好きにしてくれ」

 

 そういって俺たち4人は別の場所に移動した。



どうも時雨です。

やはりHK416はいいですよね。というわけで、これから主人公達が扱う武器の主兵装になるにはドイツのH&K社のHK416のショートバレル型とロングバレル型になります!

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