ステータス確認…
俺たち40人の視界は一瞬白くなったが、直ぐに元に戻った。目の前には見慣れない光景が広がっていたが…。
「俺たちは…教室にいたはずなんだけど…」
智哉が、口を開き俺に話をしてきたことで、皆も口を開きだしたが、そこで静止が入る。
「皆少し静かにして欲しい」
委員長である佐伯 柊羽が声を上げた。そして、俺たちの正面にいる人々に聞いた。
「ここは何処ですか? そもそも貴方達は何者なのでしょうか?」
俺たちの正面にいる顔色の優れない王様のような人物が、側近の人に答えよという風に手を揚げた。
すぐさま、側近の人が答え始める。
「勇者の皆様、コロラト王国へようこそ。 そして、謝罪をしなければなりません…私たちの都合によってあなた方を召喚してしまったことを…。 誠に申し訳ございません」
側近の人は頭を下げた。
「私たちは帰れるのかという質問よりも、なぜ私たちを召喚したのかという目的をお聞かせ下さい」
柊羽は側近の人の目をじっと見ている。他のクラスメイトも同じようにしているが、どこか落ち着きがない。それは仕方がないだろう。なぜなら…帰れるかどうかも分からないのだから。
「では…今現在、このコロラト王国は隣国のジーク公国と戦争中なのですが…ジーク公国に魔王が出現したのです。そのため…隣国どうしで争っているわけにはいかないということで…停戦協議がこれから開かれるのですが…私たちの軍勢では、魔王を滅ぼすことができないので…あなた方勇者を召喚したのです」
「そうなのですか…ですが、我々には戦う力などありませんよ?」
みんなが同じように首を振った。そらそうだ…俺たちは元の世界では、ただの学生だったのだから。
だが、側近の人は問題ないという表情で話を進めた。
「その点は大丈夫です。 召喚者の方々は能力を予め持っているという形で召喚されますので、これから皆さんにはその能力の訓練をして戦っていただきたいのです…」
(ステータスとかあるんだろうな…。 あっても屑みたいなステータスだろうけど)
「と、その前に全員の能力を調べさせていただきたいのですが…よろしいでしょうか?」
そう言いながらも、側近の人はせっせと水晶のようなものを準備している。
「構いませんよ。 皆もいいだろ?」
柊羽が問いかけるが皆からは、問題ないよや面白そう…などのコメントが出ていた。
「ありがとうございます。では、シュウさんでしたか? あなたからどうぞ」
柊羽は用意されている、水晶に手をかざす。
佐伯 柊羽
LV : 1
HP : 500
MP : 500
STR : 500
VIT : 500
AGI : 500
INT : 500
スキル 鑑定 翻訳 剣技 格闘 Etc.
称号 勇者 世界を救いし者
「さすが…柊羽だ。チート過ぎる…」
俺は、鑑定というスキルを使って柊羽のステータスを見ている。なんで使えるかと言うと…大体この手の小説では、必ずと言ってもよいほど鑑定スキルが付いてるはずだから…念じてみたら使えたというわけだ。
そんな感じで他のクラスメイトも水晶に手をかざして自分の能力を確認していた。そして、俺も皆の能力を鑑定で見ていたが、凛と智哉も意外とチートだった。凛の能力は魔法特化型で、智哉は防御特化型だった。そして…遂に俺の番が来た。ちなみに俺は一番最後なもんで、意外と注目されている。
(これで屑能力だったら…俺追放されんのかね…)
そう考えながら水晶に手をあてた。
松田 伊吹
LV : 1
HP : 300
MP : 2000
STR : 判別不能
VIT : 600
AGI : 判別不能
INT : 400
スキル 鑑定 翻訳 格闘 完全操作 兵器召喚 人員召喚 能力付与
称号 勇者 召喚士
※能力の一部が制限されています。レベルアップによって解放可能です。
(…兵器召喚? 完全操作? 召喚士? 能力制限?何だこのステータス…)
後ろでは、クラスメイトが唖然としている。だが、王様や側近はよく分かっていないようだ。俺もよく分かっていないが…。
「判別不能とはどうゆう事だ…」
「兵器召喚とはなんなのだ?」
「召喚士…こんな称号あったか?」
王様や側近は慌てて議論をしている。
(測定不能って…まさかな…核とか使えるんじゃなかろうか…)
「おい…伊吹…この能力はヤバくないか?」
智哉が近づき小声で俺に話しかけてきた。俺は頷いて小声で智哉に話す。
「これは…ヤバい…多分だけど…銃が使える…」
「使えるだろうな…この能力では…」
いつの間にか凛も俺に近づいてきていた。何か伝えようとしてきているが、周りが煩くて聞こえない。
「コホン…とりあえず…今日はゆっくりお休みください。訓練は明日から開始です」
そうして俺たちは、各自割り振られた部屋に移動した。
どうも時雨です。
平行連載ということで頑張ってます。