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狙撃手としての天音


 俺と天音はトーネードとAV-8Bを離陸させるために召喚した滑走路で凛と智哉を待っていた。トーネード GR.4Aを消去してハンヴィーに乗りながら。


「はぁ…暇だね」

 ハンドルに手をかけながら呟く。


「そうだね…」

 助手席に座っている天音も外を見ながら呟いた。俺は、あることを思いついた。


「ねぇ、狙撃銃とか使ってみる?」

 その言葉で天音の顔は明るくなった。ハンヴィーを降りて滑走路に狙撃銃であるM39 EMRやM14 DMRやSPR Mk12 Mod1やH&K G28と7.62㎜弾、5.56㎜弾それぞれを召喚する。そして400mから800mにかけて訓練用の標的を出現させる。俺は軍用双眼鏡を召喚すると首にかける。


「とりあえず…マークスマンライフルでいいかな」


「この中だと…Mk-12が5.56㎜弾を使うんだよね…」


「そうだね。威力は7.62㎜弾の方が強いけど、弾薬はHK416と共有できるんだよね…」

 天音はM14 DMRを手に取ると7.62㎜弾10発を装填した箱型マガジンをM14にセットした。そして滑走路に敷いたシートにバイポッドを立てて腹這いになるとUnertl社製の M40 10倍スコープを調整してからボルトを引いて初弾を薬室に送り込む。

 呼吸を整えてから天音は引き金を引いた。俺は双眼鏡を覗いて700m先にある目標を見た。撃ちだされた7.62㎜弾は700m先にある目標のど真ん中を初弾で撃ち抜いていた。


「すごいな…ど真ん中に命中してる」

天音は俺の言葉に反応せずに2発、3発と銃弾を撃っていた。

M14の10発マガジンを撃ちきるとマガジンを外して、M14を傍らに置いた。700m先にある目標に命中した10発中2発が円の中心から外れている所に穴を開けていた。次に手に取ったのがSPR Mk-12だ。マガジンを装填してリューポルド社のTS-30A2を覗き調整する。M14を構えた時と同じ様に腹這いになって射撃を開始する。今度の目標は500mのようだ。俺は双眼鏡を覗いて目標を確認した。500mの的も先ほどの700mの時と同じように初弾で円の真ん中に穴を開けていた。その後天音は、M39 EBRとH&K G28E2を試射していた。最終的にはH&KのG28Eをこれから使用すると言った。そのため俺は、5.8㎏あるG28E2とHK416では流石に重いということを考慮して天音に同じくH&K社のPDWであるMP7を渡した。


「G28E2とHK416じゃ重いでしょ? だからこれからはMP7使ってね」


「ありがと。 私が選抜射手《マークスマン》でいいんだよね?」


「構わないよ。俺はこれからHK417とショットガンのM1014を使うから、狙撃をしてくれる味方がいるだけで本当に楽になると思う。後は…凛と智哉なんだけど…遅いな」

 俺は、左腕に着けているGSHOCKを見る。現在時刻は丁度12時をまわった所だ。試射に使用した銃や的、シートを片付けるとハンヴィーに乗り込んだ。


「何してんだろうな…」


「ホント何してるんだろうね…」

 そんなこんなでハンヴィーに乗っていると遠くからエンジン音が響いてきた。やっと智哉と凛が集合地点に戻ってきた。荷台に機銃を搭載しているテクニカル仕様のハイラックスがハンヴィーの傍に停車した。凛がキャブから、智哉が荷台から降りてくる。


「遅かったな。何してたんだ?」

 凛が答えた。


「竜騎士に襲われそうになった」


「さっき撃墜させた奴らの生き残りか?」


「たぶん…」


「そうか…。それで迎撃したのか?」

 智哉が口を挿んでくる。


「M2でなんとかな」

 荷台に設置してあるM2重機関銃を顎で示した来た。


「素直に装甲車の方が良かったんじゃね?」

 この意見に智哉は項垂れた。


「装甲車の方が良かった…」


「まぁ、無事に戻ってきたからいいか」

 そう言ってハンヴィーの銃座に乗る。運転はテクニカルで寝ていた智哉に頼んだ。全員が乗るとハイラックスと滑走路を消去した。智哉がハンヴィーを運転し始めると俺は上空の警戒に入った。そしてそのまま王国に入って冒険者ギルドへと行った。



どうも時雨です。

前回の投稿より少し間が開いてしまいました。申し訳ございません。

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