プロローグ
時雨です。
『異世界で彼女とPMCで無双します‼』と一緒に連載していきます。
どうかよろしくお願い致します。
その日は、いつもと変わらない朝だった。目覚まし時計の音で起きて、朝ご飯を食べて、制服に着替えて高校へ行く。
俺の名前は、松田 伊吹。ミリオタではあるがクラスメイトとの中は良好で成績も中の上くらいの平凡な高校生だ。歩いているうちに学校が見えてくる。正門では、生徒会のメンバーが挨拶をするために並んでいた。その中には、幼馴染でありクラスメイトの染谷 凛も立っていた。凛や他の生徒会のメンバーが挨拶をしてくるが、挨拶を返している生徒は少ない。
「おはよう伊吹。 少しくらい挨拶を返してもいいと思うんだけどな?」
凛は、俺に挨拶をするように要求してきた。いつもはしていないが、今日くらいはしてやってもいいかなと挨拶を返す。
「おはよう…凛。 今日も朝から大変だな」
挨拶を返しただけで、凛に驚かれた。
「ちょ、どうしたの伊吹? なにか変なモノでも食べた?」
「変なモノなんか食べてないよ。 それに、挨拶くらいでそんなに驚くなよ」
「だって…いつもは返してくれないじゃん」
「たまにいいだろ」
そう言って俺は、昇降口に入り、靴を履き替え教室へ行く。教室に入ると、数学の課題に取り組んでいた奴が多かった。俺の前の席に座っている新島 智哉もその一人だった。
「おはよう智哉。 宿題やってないのかよ」
「あ、伊吹おはよう。 なぁ…数学のノート見せてくれよ」
「またかよ…」
リュックから数学のノートを取り出して智哉に渡して席に着く。
「ほら」
「サンキュー伊吹。 昼休みに購買でなんか奢るわ」
「言質取ったからな。 必ず奢れよ」
そして、机の中からカバーが掛けられている一冊の小説を出す。その小説の内容は、クラスごと異世界に召喚されて王国を救うという、よくありがちな小説だ。
「そろそろ、新しい小説でも買うか…」
(ほんとに異世界に転移しないかなぁ)
少し読んだ所でチャイムが鳴った。このクラスの担任である山崎 陽奈先生が入ってきた。
「LHRするよー」
「きりーつ、おはようございます」
クラスの委員長である佐伯 柊羽が挨拶をすると、俺たちも挨拶をする。
『はよざいまーす』
その時だった。 教室の床に突如として、巨大な魔方陣が浮かび上がった。
「おい! これなんだよ!」
「知るか! さっさと逃げるぞ!」
だが、逃げられない。窓や教室のドアが一切開かないのだ。
「ねぇ、伊吹これどうなるの?」
隣の席に座っている凛は、俺に解決策を求めるような目を向けながら聞いてきた。
「さぁな…全員異世界連行コース…とか?」
「伊吹何言ってんだよ!」
智哉がツッコミを入れる。
その瞬間俺たち40人の生徒は教室から消えた。残ったの先生と生徒の荷物だけだった…。