第三章14 『決意、固めて』
「…………ふぅ」
会議を終えた食堂で、奏太の頭は着々と得た情報の処理を始めていた。
ラインヴァントと基本の構成は同じでも、目的が正反対であるブリガンテ。
ラインヴァントが人に紛れて生きていくのに対し、ブリガンテは『獣人』の存在を声高々に叫ぶ組織だ。
HMA総長藤咲華、及びその幹部『トレス・ロストロ』を打ち倒し、『獣人』が支配する社会を作り出さんとする。それはラインヴァントにとって非難すべき相手であり、
「…………蓮。俺は許せねえよ、そんな奴ら」
奏太にとってもまた、見逃せはしない敵であることは間違いない。
堪え難い思いを飲み込むように、奏太は首から下げられた薄青の花のネックレスに触れる。
蓮から贈られた、勿忘草のネックレスに。
「蓮は……蓮なら、絶対止めたんだろうな」
世界を愛し愛された少女、美水蓮。
自分が『獣人』であることを知っていて、その上で奏太を助けるような心が清らかな女の子。
たとえ短い期間であったとはいえ、奏太は彼女と言葉を交わし、男女の関係になった。色んな表情も、心根も、奏太は知っていて。
もちろん全てのことを知っているわけではないし、こと過去に関しては空白の部分ばかりだ。
だけど、蓮が死の瞬間まで望んだものが何なのかを、奏太は知っていて。
「————」
記憶の中に未だ残ったしこり、それを追憶するように今度は金色のブレスレットに触れる。
『トランスキャンセラー』。これのおかげで奏太は秋吉達の前に獣の姿を晒すことはなかった。
もちろんあの時の怒りに後悔はないし、間違ったことをしたとも思わない。
だが、蓮を否定されたことは今でも奏太の中に苦い記憶として残っているのだ。未だ、秋吉と顔を合わすことも出来ないくらいには。
もちろんそれが奏太の行動をせき止める理由などにはならない。過去に否定された事実と、人を助けたいと思う感情は全く別なのだから。
それに、
「向き合うって、決めたからな」
葵や芽空に偉そうなことを言っているだけではない。
奏太にもその時は来ているのだと、自覚はしていた。
故に気分を入れ替えるように、頰を何度か叩く。
もはや奏太のルーティーンと化した動きだ。始まりは蓮とのデート。そして、今は。
「…………あの写真」
迫った状況に対処すべく、現在確かな疑問として提示されていることをまとめる。大きく分けて、三つだ。
一つ目はオダマキが見せた写真。
『獣人』のみで構成されるはずのブリガンテ。そこへ、違法ファイル関連の問題で停学処分となった者たち——つまりは、奏太と同じ高校の先輩にあたり、種族は人だ。
奏太が死ぬほど憎んだ男が、それを証明していた。嘘も偽りも、そこにはない。
だからこそ、何の因果から『獣人』の手を取っているのかは分からない。分からなくとも、敵として現れるであろうことは自明の理だが。
「お互い動いてないから、即座にってことはないだろうけどな」
そう、二つ目にも関わってくることだが、彼らはまだ目立った行動をしていないのだ。
ブリガンテが結成されたのはごく最近のことであり、大層な目的があったとて、未だ被害は出ていない。それを幸せと取るべきか、否か。その結論を下すにはまだまだ時が早い。
いずれにせよ二つ目の疑問点としては、彼らがどう動くか。これに尽きるのだから。
そして、最後の三つ目は————、
「——奏太さん、お待たせしました」
待ち人が現れたことにより、唐突にその思考は中断させられる。
夜間であるからか、音も立てずに入室して来たのは、
「ありがとな、来てくれて」
「いえ、他でもない奏太さんの頼みですからね。断るはずもありませんよ」
——天姫宮葵。
三つ目の疑問、その答えを知っているであろう人物だ。
彼は扉を閉めたのち、ぐるりと机を回り奏太の対面に腰をつけた。眠気があるのだろう、欠伸を噛み殺しつつ。
それにやや申し訳なさを感じるが、必要なことだと自身の心を制して抑え、表情を引き締めて向き直る。
「……早速本題に入ってもいいか?」
「構いませんよ。限度はありますが、ある程度のことは答えましょう」
クリーム色の髪をさらりと流すと、知識をひけらかさんとするかのように両手を開いてみせる葵。
その言動に妙な安堵を覚えるが、表情を緩められるわけもなく。
返ってくるであろう答えに、ただ表情が強張って。
そんな奏太を見た葵が目を細めるのと、奏太が意を決して問いかけたのはほぼ同時。
「————ブリガンテに、ユズカとユキナは何の関係がある?」
*** *** *** *** *** *** *** *** ***
二人だけの食堂に、沈黙が下りた。
奏太の問いかけに対し葵の返事はない。
考え込むように、あるいは何かに堪えるように閉じた瞼。その裏にある感情の波は奏太には計り知れず、ただ答えを待つのみだ。
そうして待ち続け、幾程の時が進んだだろうか。
正面に座った葵はその瞳をゆっくりと開いて、
「何の関係、ですか」
問いを確かめるように呟き、深く長い息を吐く。
問いかけた奏太の愚かさに対してではない。多分きっと、他の誰でもない自分に対してのものなのだろう。
苦痛に歪められた表情が、それを物語っていた。
「奏太さんは、ユズカの強さを知っていますね?」
故に彼の一挙一動に言葉が詰まり、体が石のように固まるのを感じるが、何とか顎を引くことでそれを肯定。
そんな奏太に耐えきれなくなったのだろうか、葵はこちらを射抜くように見つめたかと思えば、
「力、抜いてください。笑い話で片付けられるようなものではありませんが、一応は過去のことですから」
「……ごめん、気使わせたよな」
「気にすることではありませんよ。むしろ、ボクが気にし過ぎなのだと梨佳さん——いえ、オダマキさんあたりには笑われることでしょうから」
葵は自嘲し、苦笑いを浮かべているような、そんな口調で話してみせる。
だが、口調は誤魔化せても、表情とそこに浮かぶ感情だけは隠すことなど出来はしない。
「ユズカの強さは知ってる。俺もかなり力つけた方だと思うけど……それでも、まだ届かない。何歳も歳が離れてる小さな子なのにな」
蓮がユズカと互角だったと聞いたのはいつのことだったか。
蓮は並々ならぬ努力によってその境地に至ったのだろうが、そもそもの話がおかしいのだ。
ユズカとユキナは奏太達よりも一回り体が小さく、歳もまだ小学生高学年程度。
だというのに、ユズカは『トランス』を発動すれば奏太達と同格、どころか現ラインヴァントのメンバー最上位の戦闘力を誇る。それは相手が多人数であれ、単体であれ、遺憾無く発揮されること間違いなしで。
「その根本にあるのは、あの子の『トランス』の適正と元の動物なんだよな」
——百獣の王ライオン。
彼女が持つ『トランス』の根源たる動物だ。
性別は真逆なようで、雄の特徴である丸い耳が生え、髪の毛の先は黒く変色する……これだけ聞けば可愛らしい少女だと言えるだろう。
ただしその愛らしさは薄黄の強靭な手足と、そこから繰り出される凶撃によって打ち砕かれる。
以前件の動画で『鬼』を目にした時に感じた、いやそれ以上の闘気を放つ彼女は、もはや百獣の王に留まらず、その頂点——『獅子王』と称するにふさわしい。
昨晩ヨーハンと言葉を交わした際、彼の持つ把握能力には息を呑んだものだが、ユズカにはまた別の才がある。
武の才。それも、圧倒的なまでの。
現時点でも抜きん出ているその実力は、もし彼女がハクアと戦闘を行なっていた場合、終始劣勢になることなく倒していたはずだとそう思えるほど。
今後も磨き上げていけば、実力が未知数である藤咲華や、『トレス・ロストロ』の一人ソウゴ。ユズカと同等か、あるいはそれ以上の実力を持っているであろう彼にも届き、いずれは敵なしとなるだろう。
ただしこれは才能に限った話であり、鍛え上げるかどうかはまた別の話である。
葵はそれを避けたいと考えているし、奏太もまた同意見だ。
小さなその身に与えられた最上の力を、彼女に使用させたくない。妹や周りの者達に囲まれて、幸せに生きるユズカに。
「俺たちがユズカに『トランス』を使わせたくないって思ってるのは確かだ。でも、じゃあどうしてあの子が今の強さになったのか」
葵が来るまで、ずっと考えていた。
今日の会談を、そしてこれまでの記憶を。
仮定にたどり着くための材料はその中にいくつもあった。言動、表情、事実。葵だけじゃなく、ユズカやユキナ、ラインヴァントの皆々。
全てを確認し、思案し、たどり着いたのは、
「——親のいないあの子達を拾い、『獣人』として育てたのが、ブリガンテのリーダー。違うか?」
「————っ」
奏太の推測に対し、返事はあった。
ただしそれは言葉によるものではない。
驚きで見開かれた瞳と、直後に浮かんだ憎悪の色。
これまでに見せなかったその表情が、奏太の推測を肯定せしめていた。
*** *** *** *** *** *** *** *** ***
「……どうして、そう思ったんです?」
男にしてはやや高く、今は鋭さの混ざった声で問いかけられた。
対して奏太は物怖じせず、焦ることなく考えをまとめ、ゆっくりとそれを口にする。
「——まずはユズカ達がブリガンテにいたかどうか。これは葵の表情と、希美達の発言が根拠だ」
「ボクの表情、ですか?」
「ああ。会談の最中、オダマキにブリガンテの構成を聞く時の表情だ。あれは誰がどう見ても、因縁ありきで悔しさを……怒りを、感じてた」
奏太はこれまでに議論や取引などというものとは無縁だった。
生徒会や委員長、などという学校生活で名前だけ重要な役割にもついたことがなく。
故に、主観や感情論が混ざっていて不恰好な根拠だ。
その道何十年の人や、芽空、ヨーハンあたりに評価を受ければ間違いなく赤点だろう。
けれど、奏太は知っている。
いや、知っていた。
「葵があれだけ怒るのは、ユズカとユキナの時だけだ。たった半年の付き合いだけど、分かるんだよ」
「…………ええ、確かにそうです」
たとえ客観的でない、そもそも事実として並べるには場違いなものであったとしても、間違いではないのだと。
だから、続ける。
「そんな葵が、ブリガンテに対して何かしら抱えてるものがあるのなら、あの子達がブリガンテに所属してたからって考えるのが妥当だ。ユズカがそこで育てられてたんなら、あの強さにも納得がいく」
先の会談で希美が漏らした言葉によれば、奏太がここへ来る少し前にラインヴァントとブリガンテの戦闘はあったらしい。蓮や梨佳だけでなく、葵も参加したはずだ。
その戦闘までユズカ達は育てられていた、という曖昧なこと以外は分からないが、
「俺がこのアジトに来た時、ユズカやユキナ達は生活に慣れ切ってた。葵達と親密なのもそうだけど、本当に馴染んでたんだ。最初からそこにいたように」
記憶の断片をつなぎ合わせてみれば、浮かんでくるものもある。
既に馴染んでいた理由も、その一つだ。
「恐らく、ブリガンテとの戦闘でユズカ達を保護した、じゃなくて、ユズカ達の保護からある程度期間が空いてブリガンテとの戦闘になったから、なんだと思う」
会談中に耐え忍んだ空白の歴史、それは推測によって埋まっていく。
そしてそれは、
「ええ。間違いありませんよ。蓮さんと梨佳さんがブリガンテから連れて来たのがユズカとユキナ。ちょうど一年ほど前です。それもあって、半年前にラインヴァントの総力で潰しにかかったんですよ。……HMAの介入もあり、仕留めきれなかったのが悔やみですが」
当時を思い出すように瞑目する葵が肯定、事実へと変わる。
言葉尻でしこりがあったが、当然といえば当然だろう。今や彼にとって、ユズカやユキナはそれほどに大事な存在となっているのだから。
とはいえ、こうして話を始めた最初に比べ、彼の言葉にはいくらかの余裕が戻っていた。
時間が経ったことで、あるいは奏太と言葉を交わしたことで彼なりに過去のことだと割り切れたのか、あるいはリーダーが存命であることを知り、今度こそはと決意を固めたからなのか。
いずれにせよ、それを受けた奏太もまた少しばかり肩の力が抜け、硬くなっていた体もほぐれていく。
目を瞑ったままの葵はそんな奏太の動きを感じ取ったのだろうか、
「それで、奏太さん」
腕を組むと、片目だけを開いてこちらを見据える。
その瞳の奥は奏太に対し次の話を、と急かしていた。
彼の視線に驚き半分なところではあるが、奏太は頷き、言う。
「——ユズカとユキナに親がいないって言ったことに関してだけど」
これに関しては簡単な根拠によるものだ。
「葵は今ケバブ屋のおっちゃん……両親の元を離れて生活してるよな。ここに来る前は家から学校通ってたのか?」
「ええ、まあ。学生区ですから寮もありますが、そこまで距離が離れているわけではありませんでしたし。それが何か?」
「そう、それなんだ。学生区……寮だ」
学生寮。
小、中学校、高校、大学。何であれ学生ならば誰にでも与えられる住居だ。多少の書類や申請、その他諸々が必要になるが、それはともかく。
おおよその者が親元を離れ、学生寮に住んでいる。
蓮や奏太も例外ではない……いや、正しくはなかった、と言うべきか。
奏太の部屋は学校での騒ぎ以降入らなくなっているし、蓮は言わずもがな。
騒ぎ以前であれば、蓮の場合は寮に住みつつこのアジトに通っていたのだとか。
「あれ、そう考えると……」
蓮が寮住まいなら希美は何故、という疑問が浮かぶが、それはまた本人に尋ねるとして。
「葵だけじゃない。多くの人は当たり前のように親がいて、その上で学生区に来てるんだよ」
元の話題を口にすることで、脱線しかけた思考を寄せていく。
「葵も希美も俺も、家族はいる。多分、梨佳も」
「付け加えればオダマキさんの両親も存命ですよ。……梨佳さんも」
一瞬声に影が混じったのは、彼もまた奏太同様に梨佳の事情を知っているからなのだろう。
兄弟をハクアに殺されたという過去を。
そういう点で見ると、希美を除けば家族を殺された者は驚くほど少ない。各々が被害を出さないようにと心がけているが故の結果、なのだろうか。
むろん、死なないに越したことはない。大事な人が死ぬことなど、そう多くあって良いものではないのだから。
「芽空とフェルソナを省いたのは……」
「ええ、分かっています」
芽空の兄ヨーハンが現在ヴィオルク家当主だということは、彼女の両親は既にこの世にいない。
そしてフェルソナには十数年の記憶がなく、既に住居も無くなっていたらしく、それでは確認のしようもなく。
フェルソナはまだ望みがあるとしても、芽空の両親は戻りはしないのだ。永遠に。
それに胸を痛めないわけではない。だが、今はそればかりに思考を割いているわけにはいかないのだと、自分にそう言い聞かせ何とか飲み込んでみせる。
「えっと、あとは他の子達だけど……ひとまずそれは置いておくとして。とにかく、『獣人』だからといって親が危険な目にあってるわけじゃないんだ。ましてや、何か理由もないのにユズカ達みたいに小さな女の子を心配しない親なんていないだろ」
「……心配しない、ですか」
「どうした?」
「いえ、何でもありません。続けてください」
一瞬、葵が何か言葉を漏らしたが、手を振って流される。
気にならないわけではない、が意志を持って流された以上は今聞いたところで答えてはくれないだろう。そう判断して、
「これは推測の範囲が大きいし、はっきり言って可能性としては否定したい。……もしも、だ。もしあの子達が親に捨てられたなら。そして育てたのがブリガンテだっていうのなら、さっきの説明に納得がいくんだ」
正直なところ、奏太はこの推測を口に出したくはなかった。
少女達が捨てられたなど、考えたくもない。もっと他に理由があって、だから二人はブリガンテにいたのだと否定してもらいたい。それが奏太の本音だった。
——だが、現実は非情だ。
葵は閉じていたもう片方の目を開き、両の目で奏太を見つめると、
「奏太さんの言う通り、事実ですよ。ボクも成り行きの全てを知っているわけではありませんが、あの二人が親に捨てられ、ブリガンテで育てられた。それは事実です。人としてではなく、『獣人』として——都合の良い武器として」
「…………は」
苦虫を噛み潰したような、彼の表情が、二度も口にされた事実という言葉と合わせて現実味を出していて。
先程戻った余裕も——いや、本当は戻ってなどいなかったのだろう。開かれた瞳に宿るのは、尖り熱を宿した情だ。
「今、なんて……」
「武器ですよ。ブリガンテという組織はユキナをダシにユズカを使い、武器としていたんです」
聞き逃してはならない類の言葉を、奏太は耳にした。
緩んでいた心も、頭も、全部が全部一気に現実へ引き戻されて。
「ぶ、きって…………」
言葉を、否定して欲しいと思った。ただ、純粋に。
いずれ戦うのだとは分かっていても、心根は人間と同じものなのだと、思っていたかった。
ブリガンテもまた、奏太が幸せしたいと想う存在なのだと。
しかし、彼の言葉が事実なら。
「文字通りの意味です。ブリガンテは二人にそれを強いた。それが正しいのだと、思い込ませ。ただひたすらに自分達に都合の良いように」
武器。都合の良い、武器。
あの仲の良い姉妹が両親の身勝手で捨てられ、それだけにとどまらず武器に。
「……ふざけてる」
「ええ。本当に……ふざけています。どんな理由があれ、絶対に許されない。許したくありません、絶対に」
奏太と葵、向かい合った両者は同様の感情を抱いていた。
湧き上がるように押し寄せて来る激情。『怒り』だ。
血が全身を巡って、顔が苦しみに歪んでいくのが分かる。堪えるように歯を食いしばり、抗うように拳を握り。
両親のわがままに振り回され、捨てられ、都合の良い駒として扱われる——そんな理不尽は、世界は、許せない。
奏太があの日蓮を失って抱いた感情で、疑問で、否定で、嫌悪で、憤怒。
間違っているのだと声を荒げ、叫び、吠える。
ただひたすらに、嫌う。
「葵」
奏太が望む幸せは、蓮が望んだ幸せそのものだ。
彼女が愛した人々を、世界を、幸せにする。
そうすることで自分も幸せになれる。
だが、ブリガンテは違った。
奏太や蓮、そして葵が好きでいる人を、人達を、道具として扱う。私利私欲のために。
幸せなど、考慮せずに。
人や『獣人』。そんなものは関係なく、ただ許せない。感情の奥底にあるその感情を、抑えつけることすらも許せない。
だからこそ、
「——倒そう、ブリガンテを」
「——倒しましょう、絶対に。そして謝らせます、ボクの大好きな二人に」
互いに視線を交わし、拳を合わせる。
互いが愛し、守りたい全てのために。
本当の意味で戦うのだと、そう覚悟して意思を固める。
望む、幸せのために。