会えない二人と、新しい出会い
九、会えない二体と、新しい出会い
「ゴス、遅いなあ・・・・・・」
顔を上げて、宙に浮かんだ画面を見つめる。時刻はもう24:00。私達の世界は一日が26時間、一時間が90分なので、あと180分00秒で今日という日が終わることになる。それなのに、まだゴスは帰ってこない。
やっぱり今日のこと、怒ってるのかな。
人間と人造人間は、決して交われない。当たり前のことだが、今日改めてこの目で見せつけられた気がした。
はあ、とため息をついた私は、すっと天井を仰ぎ、そして気がついた。
「あ・・・・・・れ?」
何かがおかしい。
天井は鏡になっていて、そこに間抜けに口を開けた私の顔が映っている。そう、問題は鏡に映る私の顔、もっといえば目だ。
ガラスの目が・・・・・・触れればカチリと音がしそうな、あのボールのような眼球ではない。なんなんだろう、これは。初めてみたものに私は絶句する。ていうか、若干小さくなってないか? とは言っても天井が異常に高いので、あまりはっきりとは見えてはいないのだが・・・・・・
「何かが、違うよ・・・・・・」
自分の右手を右手の真上に掲げる。自分の指で右目を指差してみる。すると何故か、理由のない恐怖が生まれてきた。
「なんで・・・なんで・・・・・・」
思い切って指を目に突っ込もうとした、そのときだった。
ピーンポーン
「・・・え?」
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
「・・・・・・だれ?」
『入っていいアルかっ』
聞き覚えのない、あちゃけた声と・・・・・・アル??
『おっかしいなぁーーー、マージュのやつ、いないアルか?』
ま、マージュ???
『ま、いいや、はいっちゃうアル!』
えちょ、ま
『とぉーーりゃーーーーーー!!!!』
ドガコォン
「きゃああああああああああああ!?!?」
一瞬で私は壁に貼りついた。もちろん背中には例の翼が生えている。
なになに、一体何なの!?
翼越しに見て、私はその光景に愕然とした。
「うそぉ・・・」
ドアが、こ、壊されてる・・・
嘘でしょ!? 一体誰?
じっと目を凝らしていると、砂埃から薄ぼんやりとシルエットが浮かび上がってきた。
頭の三分の一くらいの大きさのお団子がふたつ。長袖に小柄な体躯。
「あれっ」
見たこともない、第三の人造人間。
「あんた、だれアルか?」