もう一人飛んで・・・
三 もう一体飛んで・・・
「私も飛んでいい?!」
Gos01は私に叫んだ。
私は今、さっき彼女が指差した窓の枠に腰かけている。
<いくら人造人間でも、ずっと宙に浮かんでるのはしんどいし>
と私は呟いた。ひどく機械的な呟き。人間にはわからぬ、この奇妙な感覚。
・・・感覚?
それは、私たちに存在しているか・・・?
「め~い~」
「え?」
Gos01が私に発した単語が理解できず、私はつい聞き返してしまった。
Gos01が呆れた顔をする。
「え?じゃないわよ。今この部屋には、私とあなたしかいないでしょ?」
「・・・あ」
私は、自分の耳元に手をやった。機械音は、きれいに消えていた。
「SCCGBならもういないわ。忙しいだろうし。で、飛んでい~い?」
「い、いいよ」
私がそういうと、Gos01はにこっと微笑んで、
「じゃ、いっくよ~?」
彼女は、たたたっとかけていき、
「せ~~~っのっ!!」
その瞬間、
彼女の周りに、
ぱあぁっと光があふれ出た。
・・・いや、
<違う!>
彼女の背から現れたのは、
身長の2倍以上あり、闇のように、でもどこか明るく、光っている黒い翼。
「っはあっ!」
掛け声と同時に、彼女の足が床を蹴って、
体を前に傾けると、
「めいっ!」
<・・・え?>
ゴウッと空気が割れ、
赤黒い姫が、私の前にいた。
「・・・しゅ、瞬間移動?」
「まあねっ」
得意げにGos01は答えた。
・・・って、そんなことより!
「あの、めい、て、ひょっとして私のこと?」
「? そうだよ?」
・・・勇気の要った質問が、こんなにもあっけなく返事されてしまった。
Gos01は、私を振り返り、
「だから、私のこと、ゴスって呼んでね」




