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狂人の寄稿  作者: 妄執
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狂人からの寄稿・其の一

※精神に支障をきたす恐れがありますので、ご注意願います。僅かでも不快感・異物感・違和感等を感じましたならばすぐにでも読むのをお辞めになって下ますようお願い申し上げいたします。

ワタクシ暦02年1月1日

 

 私は多分、狂ってしまったのだと思います。


 そう、ワタクシは恐らく狂ってしまったのです。「狂う」「狂人」という定義が曖昧ではございますが、人から言わせればワタクシは狂った、つまり狂人とのことでございます。ですが、ワタクシは自分が狂っているなどとは微塵も思ってはございません。では、何故ワタクシが自分自身のことを狂ったと申し上げておるのかと申しますれば、ワタクシの周囲にいる友人、知人、医者、その他諸々の人々がワタクシのことを「狂っている」と申されるのでございます。なんともかんとも、皆様にこう申されてしまわれてはワタクシはワタクシ自身のことを「狂った人間」と定義する以上致し方無く、それを受け入れ、またそれによって皆様にもワタクシが自身のことを「狂人」と称す理由がお分かりになって頂けたかと存じる次第でございます。


 では、何故ワタクシが狂人と呼ばれるようになったのか、ということでございますが、そう呼ばれるに至った理由こそが、今もなお狂人と呼ばれそれを甘んじて粛々と受け入れているワタクシが、最も皆様にお聞かせしたいことでございまして、不肖ながらに筆を持たせて頂いた理由なのでございます。


 これをお読みになるお方は大変に重々とお気をつけてくださいませ、ワタクシが今より記述する内容に理解を示し、更にその記述の内容を実行して日々を過ごされようとした場合、アナタ様は周囲より「狂人」と呼ばれてしまう憂き目にあってしまうやもしれませぬし、このような駄文を読むことこそそのものがアナタ様の輝かしい日々を、輝かしい日常を、生まれ出たその時から始まる健全なる人生というものを奪い去ってしまうことになりかねないやもしれませぬ。あくまでも狂人の戯言、自分はこうならないために、というつもりでお読み頂ければ幸いでございます。もし、そう思ってお読み頂いている途中でワタクシの思想がワタクシの回想がワタクシの善意が、アナタ様の脳に・精神に・心に、ネットリどろりと絡まりつくような、ナニやら嫌な感じが少しでもいたしましたならば、すぐにこれを読むのをおやめになってくださいませ。泥は払えば落ちますし、染みた汚れは洗濯で落ちましょうが、こと精神・心・脳に一度付いてしまった汚れは、もはや穢れとすら呼べるほどの恐ろしい汚れでございまして、そう簡単には払ったり洗濯したり浄化したりすることはできないのでございます。重ねて申し上げいたしますが、ワタクシは何も自分が狂っていないことを証明したいがために、この筆を執らせて頂いた訳ではありませぬ。あくまでも、ワタクシが体験し「手に入れた」と言っても過言ではないような、ある種の「神秘」をワタクシだけが体験し、素晴らしい「精神」「世界」に「至った」のがワタクシ一人だけということでは、なんとも心苦しく、皆様に後ろめたいがために、まことに身勝手ながらもこれに記して皆様にお伝えしようとしている次第なのでございます。

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