第13話 欲望を解放する勇者
(*´∀`*)おぱようございみゃーん☆
首輪はコヨミへ―――
「⋯あっ⋯」
鎖はレイヴンの手元へ―――
「また発動したっ!?」
呪いの首輪と鎖が主の求めに応える。
『嘘⋯よね?私がお兄ちゃんに捨てられ―――』
その時、何の因果かスマホのバッテリーがゼロになる。
スマホは専用の魔道具から魔力を補給しなくてはならない。
魔力は大気中にも存在し、生物無生物問わず何処にでも存在する。
しかしスーパーマジックフォンは精密機械。
魔力を適切な出力に変換する必要が有る。
一般的には魔石燃料を使う。
勇者学園女子分校男子寮にも、テレビ等を稼働させている魔力供給源のコンセントは有る。
コンセントにコネクタを挿して専用機器にスマホをセットすれば補給出来る。
ポプリ校長レベルなら魔力波を調整してスマホへのセルフ魔力供給も可能だが、ミスればデータ飛ぶし集中に時間も掛かるので非効率的であるとの見解だ。
昨晩、疲れ切っていたレイヴンはスマホをコネクタにセットし忘れた。
観光中に写真を撮ったり検索掛けたりと、元々少なくなっていたバッテリーが一晩放置した為に更に減少。
アンジェラートとの通話で完全にゼロになってしまったのであった。
ちなみに、膨大な魔力を持っていてもコントロールが不得手な者は、スマホにその過剰な魔力が流れ込み破壊してしまう。
昨日のプリムの様な暴走状態になった場合、通常のスマホなら確実に破壊される。
学園から支給されるスマホは特に頑丈なのでプリムぐらいの魔力解放なら耐えられるが、それでも限界は有るだろう。
「⋯ん⋯先生⋯」
コヨミは毛布から顔を出して体を晒す。
「⋯良いんだよ?コヨミに⋯隠してるその劣情を⋯いやらしい欲望を⋯全てぶつけて?⋯コヨミなら全て⋯受け入れてあげる⋯飲み干してあげる⋯思いっきり⋯コヨミを汚して⋯先生の色で染め上げて⋯」
コヨミは緩めたブラウスのボタンを更に外す。
(―――でっ⋯⋯⋯かっ!?)
レイヴンを押し出した団体旅行中だった女子生徒。
天真爛漫なプリム。
背筋を伸ばし土台の筋肉もしっかりしたカグラ。
それよりも立派だ。
着痩せするにも程がある。
サイズ的にはそこまで差異は無いのだろうが、コヨミが小柄なのと猫背だった事、胸元に常に何か本や書類を抱えてて目視で確認出来なかった事で気付かなかった。
ギャップが酷い。
「⋯はぁぁ⋯ほら、こんなに⋯辛そう⋯だよ?⋯」
コヨミは吐息を吐き出しながらレイヴンの最終防衛ラインに達する。
レイヴン先生の自前の教鞭はテントを張り噴火寸前だ。
先程アンジェラートとの通話中にコヨミから布越しとは云え執拗な愛撫を受けていたからだ。
もしも直にコヨミの指で攻められたり、吐息と涎の漏れる唇に包まれれば、間髪入れずに果ててしまうだろう。
そうすればコヨミの懇願通り、彼女の顔や胸をレイヴンが白く染め上げる事になるだろう。
「やっ!やめなさいっ!それ以上はいけないっ!」
だが手に持った鎖は主の願いを成就させようとする。
⋯ジャラジャラジャラジャラッ!―――
「⋯あんっ!?え?⋯先生⋯もう、我慢出来ない?⋯コヨミのお腹に⋯お帰りしたい?⋯」
鎖はコヨミを腹這いの姿勢へと引き摺り倒す。
レイヴンの隠された欲望を確実に忠実に叶える為に、コヨミに嵌った首輪がコヨミの体を引き上げる。
コヨミの身体がレイヴンの上に乗っかる。
顔が近付き唇と唇が触れ合いそうになる。
「うぐっ!?」
コヨミの柔らかいお腹の感触がテントの山頂を擦り上げ、決壊しかけるレイヴン。
しかしそれでもコヨミの首輪の鎖は止まらず、コヨミの顔はレイヴンの頭の上まで進む。
位置的にレイヴンの顔面を⋯
「わぶっ!?」
⋯コヨミの超弩級秘密兵器が押し潰す。
柔らかさも有るが弾力も有り、息が出来なくなる。
女子生徒の谷間に挟まれ窒息死。
もしもそれが死因となれば、勇者としても教師としても終わる。
彼の最後は未来永劫語り継がれるだろう。
「もががっ!?」
「⋯今⋯脱ぎますから、ね⋯よいしょ、と⋯」
コヨミは動き難そうにしつつも、自分の最終隔壁を解放中である。
彼女がもぞもぞ動く度に、レイヴンは圧倒的乳圧に苦しめられる。
「⋯うふ、お待たせ⋯です⋯あ、こっちも⋯ですね⋯」
コヨミは下の準備が終わったのか、今度は上の準備に取り掛かる。
特注サイズの胸部装甲の解放を始める。
ホックが外され、封印されし二つの巨砲が姿を現す。
その先端がレイヴンの顔を擦る。
もう、限界であった。
(―――駄目だ。もう無理―――)
コヨミの誘惑が原因か呪いの首輪の効果なのか、レイヴンの理性が本能に敗北する。
「きゃっ!?せ、せんせぇ⋯コヨミも、初めてなの⋯だから⋯⋯」
急にレイヴンがコヨミを強く抱き締めて来た。
その力強さにコヨミが怯む。
抱き締められただけで電撃魔法を浴びた様に脳が、お腹の奥が痺れる。
本能と欲望のままに注がれたらいったいどうなってしまうのか?
コヨミが怯えと期待と悦びに満ちた顔でレイヴンを受け入れる。
(⋯食べられちゃう⋯飢えた獣みたいに⋯食い散らかされちゃう⋯)
ゾクゾクとしたモノが背筋を走る。
遂に彼女の願いが成就される。
この時を、どれだけ待ち望んだ事か―――
「⋯いいです、よ?⋯お召し上がり⋯ください、な⋯」
コヨミは潤んだ瞳で愛しい彼を抱き締める。
「大好き⋯ブレイブ―――」
「コヨミ―――俺は―――」
そしてレイヴンは欲望を解放する。
人間の、生命の三大欲求の一つ、性欲―――
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯はれぇ?」
「スヤァ⋯」
ではなかった。
「ぐーぐー」
「⋯先生?」
コヨミは両サイドからレイヴンの顔を挟んでパフパフしてみるが特に反応は無い。
レイヴンの緊張は限界突破した。
昨日の疲労も取れていない。
そもそも今回の王都観光旅行の為に、徹夜続きで仕事を片付けて来たのだ。
呪いの首輪と鎖はレイヴンの願いを叶えた。
彼は首輪に直接語りかけた。
平和な日常が望みだと。
そして身体も精神も目まぐるしく起こる異常事態に悲鳴を上げていた。
止めとなったのは⋯年下幼馴染のヒステリックな叫びかも知れないが。
彼に必要だったのは可愛く魅力的な女の子の身体ではない。
深く深く眠る事、心と体を癒す休息だ。
「⋯先生?嘘でしょ⋯」
「くかーくかー」
「⋯こんなに可愛い⋯コヨミが居るのに⋯んっ⋯」
レイヴンは意識は無いがコヨミを力強く抱き締め続けている。
「⋯こんなの⋯生殺しです⋯先生⋯」
「すぅ⋯すぅ⋯」
可愛らしい無防備な寝顔で眠る彼は―――彼ではない、が―――二代目⋯勇者。
(⋯でも同じ。違くない⋯もん⋯)
二代目勇者レイヴンを胸に抱くコヨミ。
コヨミは懲りずに手を下の方へと伸ばす。
レイヴンが寝てる間に既成事実を築いてしまえと悪魔が囁く。
特に面識も無い女子生徒を庇う為に理不尽な要求を呑んでしまう彼だ。
身体の関係になれば逃げ出しはしないだろう。
子供でも出来れば結婚まで確定で漕ぎ着けられる筈だ。
「⋯ぐっ!?首⋯絞まっ!?―――」
しかし、悪戯しようとすると首輪が締まる。
呪いのアイテムは主の安眠妨害を許さない。
「⋯くっ!⋯無理⋯かっ⋯かはっ!はぁ、はぁっ、はぁっ⋯」
コヨミは諦めた。
これ以上無茶をすると、鎖で縛られて窓から捨てられるかも知れない。
しかしどうせ首を絞められるならば、彼自身の手で絞めて貰いたいものである。
「⋯ん⋯あむっ⋯」
「⋯あんっ!?⋯先生?」
レイヴンは幼い頃に両親を亡くしている。
祖父母も彼が十代の時にこの世を去った。
母性に甘えたい欲求は心の奥底に有る。
「⋯んっ⋯気を許してくれたって事で⋯良いの、かな?あんっ⋯」
もしもコヨミへの拒絶感が強ければ、鎖が彼女の身体をふん縛って床に転がしただろう。
彼を更に疲れさせる行為は許されなかったが、彼へ安らぎを与える行為なら許容されるらしい。
「⋯あんっ⋯ふふ、赤ちゃんみたいです、ね⋯」
コヨミは愛しい愛しい男の頭を撫でる。
「⋯吸い心地は⋯如何ですか?先生⋯」
本懐は遂げられなかったが、コヨミはそれで満足する事にした。
「⋯やっと見つけた、の⋯」
その瞳は昏い悦びに満ちていた。
「⋯もう、逃がさない⋯」
レイヴンの頭を撫でながら、譫言の様に繰り返す。
「もう誰にも渡さない」
(*´∀`*)先生の教鞭がテントを張り噴火寸前⋯て自分で書いてて意味解んねーや。うひゃひゃ




