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1.ガリレオ

 俺はしがないゲームオタク、職業サラリーマンの窓際社員。


 それでも一流でこそないが、二流の会社で働いているんだ。


 言い訳みたいになったけど、これから始めるゲームの日記を残しておこうと思う。


 あれは有給を取って、実家へ帰省した時の話である。


 リビングに寝そべって炬燵に入り、サービス開始予定のゲームをチェックしていた。


 しばらくは新しく始まるゲームはないなと、思っていたのだけど、不思議なことに本日二十四時からリリースされるアプリが?


 普通ならゲームアプリのサービス開始時間は【十二時】だよな?表記ミスだろうか?


 でも、画像見る限り面白そうかもしれない?つまらなかったらアンストすればいいしな。


 ギリギリ予約特典貰えるし、ラッキーだったな。


 現在の時刻は十二月三十一日二十二時五十分、大晦日まで開発者さんお疲れさんっす。


 お餅を食べながらだらだらしていると、年が明けてしまった。


 ゲームの予約インストールは終わっているため、スムーズにゲームの開始ができた。


 螺旋のような道を歩く、主人公と思われる人物は村へ入って行く。


 そこまでがゲームのオープニングで、何もない森の中からゲームが始まる。


 どうやらこのゲームは村作りゲームのようで、予約特典の傭兵二人と女性冒険者に指示を出して、拠点を作ることができるようだ。


 傭兵二人は、中々の手練れで即戦力になるが、女性冒険者はプロフィールを見ると新米冒険者であり、現時点ではあまり役に立たないかもしれない。


 傭兵に木の伐採の命令を出すと、舌打ちしながら文句を垂れる。


【システムメーセージ ダンとカースの不満が十パーセント加算されました】


 嫌々、傭兵の二人は木の伐採へ向かう。


 俺は衝撃を受けた。このゲームのキャラはAIで動いているのか?


 リアルなグラフィックと、キャラの一人一人の人間らしさ。


 まさにゲームの新時代を切り開く、神ゲーか?神ゲーなのか?


 女性冒険者には、伐採の済んだ木材の加工を依頼して、今日は眠ることにした。


 明日は、ゆっくりゲームを楽しむぞ。


 と、眠ってしまったのが駄目だった。


 朝になり、ゲームの履歴を確認する。


 そこで気づいてしまったのだ、傭兵二人が女性冒険者を強○しましたの二文字。


「嘘だろ」


 傭兵二人は、何もなかったように指示をくれと言うのだ。


「出ていけ」


 と、指示を出すと。傭兵二人はニヤニヤと気持ちの悪い表情を浮かべ、そのままホームから消えていった。


 女性冒険者を探すが、その姿はない‥。


 新しい履歴を確認すると、女性冒険者は自○しましたの二文字。


 何だこのクソゲー、ふざけんな。


 アンストしたくなったが、ここまでリアルに忠実なゲーム、昨日やった時点では面白いと感じてしまったのだ。

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