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戦場のホスト  作者: 佐久間五十六


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43/50

覇権をとった後

 作戦はあっと言う間に始まり、あっと言う間に終わった。大米帝国陸軍も空軍も戦前予想していた戦力の半分程しか残っていなかったのが、主たる要因であった。

 と言うのも、大米帝国陸軍は兵力こそあれど、強力な海軍力があった為に、実戦経験が乏しく、兵器の強さに頼って戦う無能な集団であった。空軍も同じで、あらかじめ共和国空軍により主力部隊は排除されていた。ファイブスター作戦はものの1日で終わった。

 大米帝国は、これ以上の戦闘継続は不可能と判断して、ファイブスター作戦完遂時点で降伏の白旗をあげた。ここに約1年近くに渡った戦争が終わった。大米帝国は日本共和国軍に完全敗北を喫した。大米帝国側の死者は約50万人で、そのほとんどが軍人であった。一方勝った日本共和国軍も、30万人の死者を出していた。

 とは言え、世界の覇権を握る戦いに勝利した日本共和国軍は直ぐに戦後政策を確立させた。しかし、占領や洗脳を施す事は一切しなかった。逆に、大米帝国が再び健全な姿に戻る様な自立を促す政策を行った。と言うのも、日本共和国にとって大米帝国は占領する様な国家ではない。既に成熟した国であった大米帝国と戦う事になったのは、歴史の流れであり、それは不可避なものであった。日本共和国としては、大米帝国は国際政治上空白地帯に成るべきではないと言うスタンスをとっていた。

 かつての同盟を組むところまでは行かなくても、長い目で見れば、日本共和国と大米帝国は手を取り合っていた方が人類の為になる。この戦争で分かった事は、決して強大な国家同士が争う事はマイナスではないと言う事である。戦争により国際情勢は大きく変わった。確かに犠牲は少なくは無かった。

 戦争はいけないと改めて思ったかもしれない。しかし、少なくとも歴史を牛耳る様な大国が潰し合う事で、力学エネルギーが変わった事は紛れもない事実である。日本共和国はこの戦争に勝利し世界一の超大国になった。その真価が問われるのは、天下をとったこれからである。武将と言うのは天下をとってから真価を発揮する。

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