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戦場のホスト  作者: 佐久間五十六


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指揮官の言葉

 作戦を前に作戦参謀である田中屋忠兵衛少将の元には、屋良元帥と東西大将からメッセージが届いており、士気を上げる為総員を集めた決起集会を開く事になった。先ずは屋良元帥のメッセージが紹介された。

 「諸君!任務ご苦労である。この度世界最強の艦隊であるセブンオーシャンズを撃滅する事になった事は、既に報告を受けている。我が共和国軍の総力を結集すれば、やってやれない事はない。無論、それらは部隊の一人一人が感じているのだろうから、私からわざわざ言う程の事ではないのかもしれない。諸君に伝える事は只一つ。共和国軍勝利の為に全力を尽くし、生きて祖国の地へ戻って来い。共和国国民を代表して作戦の成功と無事を祈る。共和国軍元帥屋良彦一。」

 続いて共和国陸軍向けに東西大将の言葉が田中屋少将から伝えられた。

 「今回の作戦における陸軍部隊の役目は、過去に例がないものである。作戦の概要を聞いた時は、その様な事をさせるのは忍びないとも思った。しかしながら、この作戦を遂行しない事には、共和国軍が大米帝国本土に攻め入るのは、困難であると報告が入った事により、私は今回の作戦を了承せざるを得なかった。それなりに犠牲が出る事も覚悟している。それでも共和国陸軍最精鋭の君達ならば、やってくれると信じている。ここまで日本共和国軍と大米帝国軍は手探りの戦いしかしてこなかった。ここが勝負の際だ。難しいミッションではあるが、どうかこの作戦を成功させて欲しい。共和国陸軍の代表として、君達が勝利の栄冠をもたらす事を祈っている。東西信二共和国陸軍大将。」

 部隊は普段は拝めない二人のメッセージに歓喜した。停滞していた士気も、高まってきた。自分達が共和国国民の希望と期待を託された存在なのだと。例え困難な任務でも、作戦を成功させる事がこの戦いを有利優位に進めて行く、原動力となると言われると、いてもたってもいられない。日本共和国軍と大米帝国との戦争はいよいよ大詰めを迎えつつあった。

 

 

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