最高のブランド
KKSとして認められる為の最終訓練として、3日間サバイバル模擬戦闘試験と100㎞行軍が秀星達には課せられる事になった。
今までに習得してきた事を全て用いれば、選ばれし精鋭KKSとしてやっていける。これらの訓練は、それを証明する為のものである。
サバイバル模擬戦闘試験では、実際の野戦を経験する。これは殺し合いではないものの、与えられた食糧と武器を駆使して、それをきちんと管理出来るかが試されている。そんなサバイバル模擬戦闘試験をした直後に100㎞行軍をする。3日間の模擬戦闘試験で疲労困憊の秀星達には酷である。毎年、この100㎞行軍で何人者ものKKS候補生が脱落した事か分からない。
まぁ、脱落してもKKS候補生だったというブランドは活かされる。何故なら部隊配置における評価ポイントの1つになるからである。
さて、笹尾秀星と志真岡龍彦と背尾則行の3人は見事に100㎞行軍までの最終訓練をクリアし、晴れて日本共和国陸軍最難関のKKSとなった。階級は曹長となり、一説によるとオフィサークラスの出世の早さで出世すると言われ、KKSは選ばれし者として、順調に出世して行く。その為のツールに過ぎないのであるが、その様な皮算用をしている余裕は秀星達には無かった。
KKSに認定された事により、いよいよ新兵ではなくなる。最前線の部隊に即戦力として順次派遣される。ここまでは言ってみれば、プロローグである。ある日、隊舎でゆっくりしていた秀星の元に辞令が届いた。そこにはこう書かれていた。
「共和国陸軍第3歩兵師団→共和国陸軍第1歩兵師団」
とそこには書かれていた。共和国陸軍第1歩兵師団と言えば、精鋭の集まりであり、共和国陸軍の花形部隊であった。無論、その分だけ激戦地に派遣される可能性は高まる事になるが…。最も現在日本共和国陸軍の部隊はほとんどが最前線に展開しており、何処にいようとも派遣先は困難な戦いを強いられる。第1歩兵師団の主戦場は大米帝国遠征部隊の最大拠点地である、ハワイ島であった。日本共和国陸軍は、海軍や空軍と連携してこの島の制圧に躍起になっていた。




