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席替え

始業式から一か月が経ち、本来であれば修学旅行のある時期だが、新型コロナウイルスの影響でそれは延期されていた。

僕もクラスの人の名前と顔は大体覚えた頃であるが、そのタイミングで席替えが行われた。最初なのでくじ引きだった。できれば後ろの方がいいと思いつつくじを引きに行く。30番。窓側から二列目の一番後ろ、今の席の一つ右だった。一番後ろという最高の席でほっとした。1番から順に先生が黒板に貼った座席表に名前を書いていく。右前から後ろに6番まで、2列目の前7番から…という順に。そして30番に「青柳」と書かれる、その前の29番には「桜野」と書かれた。始業式の日、最初に話しかけてきたあの子。正直嬉しかった。周りに話せる相手がいないのは いくらボッチでも寂しいことなので…欲を言えば隣の方が話しやすいんだけど。しかし桜野が前だったからこそ 嫌われている、という印象を持つことになった。


机を新しい場所に移動させ、まずは近くの人と自己紹介、ということで桜野とも話した。「青柳君だよね?私は桜野茉依って言うの。よろしく!」いやまあ知ってるんだけど、と思ったが その時微笑んだその表情かおがやっぱりすごく可愛かった。説明すると難しいが、あなたの可愛いと思う人を想像してみて、多分それに似てると思う。


そんなこんなで席替えは終了。学級通信や保健室からのお知らせなど、たくさんのプリントの配布がされ始めた。先生が列ごとに枚数を数え前の人に渡す。それを後ろに回していく。僕は一番後ろなのでもらうだけでいい。桜野まで回され、プリントを受け取るために手を伸ばす。しかし、プリントが手にあたることは無く、机の上に投げられた。まあいいかと思い、回されたプリントを眺める。そして2枚目、3枚目も回されてきたが、全て手に渡されることなく机に投げられた。その時の桜野の顔、睨まれているように感じた。あの時とは絶対に違う、すごく怖い感じがした。


私の通っていた中学校では席で掃除場所や給食当番の班分けをしていた。掃除場所は教室ほうき、ぞうきん、廊下、階段、黒板の5つに分かれる。給食当番を含めて1週間ごとのルーティーンで回していく。

桜野が前ということは班も同じということ。今週は廊下掃除だった。最後の授業が終わり掃除に移る。とりあえずほうきだけ持って廊下に出て掃除を始める。一通り掃き終わったが、班の人は誰も来ない。教室にちりとりを取りに戻ると教室掃除の人たちと話をしていた。集めておいたゴミをちりとりに入れ、ごみ箱に捨てる。本来ならこの後に雑巾がけをしなければいけないが、誰も見てないし、これで終わらせようと思い、教室にほうきを返した。すると桜野がきてこう言った。「まだ終わってないよね。ぞうきんやっといて。」え、怖。あの時の雰囲気はどこにもなかった。「すみません。今やります…」と答えることしかできず、結局雑巾がけも一人で行い、この日の掃除は終わった、はずだった。掃除が終わると先生にチェックをもらうのだが、そのチェックをもらいに行くのは班長。そしてこの班の班長は桜野。声を掛けるのが怖いが、仕方ないので声を掛ける「すみません、一応終わったから先生にチェックを…」「自分で行けば?掃除してたの自分でしょ?」はい、その通りです。なんて答えることもできなかった。掃除をさぼったのは桜野たち。なのに僕の方がなんか悪いことしたみたいで…


その日から僕は桜野に嫌われている、そう思うようになった。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

このペースで行くと修学旅行本番の話がいつになるのか分かりません笑

でもまあ、この前置きがあっての修学旅行なのでそこらへんも楽しんでいただければと思います!

一応ですが、コロナ禍のことを想像していただけると少しは分かりやすいと思います。

それでは次回もよろしくお願いします!

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