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12/19

修学旅行2日目(昼食~)

30分ほど走ってバスは銀閣寺の駐車場に着いた。銀閣寺はここから歩いて少しかかる。でも僕たちの班は銀閣寺ではなく、禅林寺に行く。

駐車場から階段を上り、小川沿いの遊歩道を真っ直ぐ進む。時刻は午前一時を回った頃。日差しは本当に真夏そのもの。気温も30度近くある。暑さで死にそうだった。後ろにはリュックも背負っているので余計に暑い。女子はベストも着ているのでもっと暑いだろうけど。道の途中に看板があった。その隣には石碑のようなものも。ここは「哲学の道」と言うらしい。日本の道100選にも選ばれてるんだとか。名前の由来は、覚えていない。道には木が植えられていて、それが少し陰を作ってくれている。それでもやはり暑かった。桜野に「大丈夫?暑くない?」と声を掛けると「何で女子は夏でもベスト着なきゃいけないんだろうね。暑いじゃん。脱いじゃおっかな。」と言った。やはり暑いみたい。でもさすがに脱ぐのはどうなのか。周りに人はいない。とは言え男子が3人いる。「さすがに脱がない方がいいと思う。男子だっているし。」「ベストくらい大丈夫でしょ。」「いや、その、あの…下着が透けるから…」「ちょっとリュック持っててくれる?」そう言って僕にリュックを渡す。「青柳君に見られるくらいなら私は大丈夫。」「俺は大丈夫じゃないかもだけど…他の男子は?」「前にいるから気づかないんじゃない?もし見たらファンサービスってことで。」桜野ってこんな人だったっけ。そして桜野は脱ぎ始めた。後ろから見ると、うん、分かる。ストラップのラインがしっかりと。普段はベストで分からなかったが、意外と透けるんだな、そう思った。桜野はそのままベストを手に持つ。リュックの存在を忘れているようで、そのまましばらく歩いていた。桜野はリュックが無いことに気付いたようで、後ろを向いた。「ごめん、持たせたまま忘れてた。」そう言ってリュックを受け取る時に「分かる?」と聞いてきた。「けっこう分かる。」と答えると「やっぱり?でもリュックで隠れるか。」と言って磯川さんの隣に戻った。


禅林寺に着いた。しかし、何やら工事をしている。シートがかぶせられ、足場も組まれていた。やっていないかと思ったが、入ってみると入口があった。工事をしているのは違う建物だった。入館料400円を払い中に入る。誰もいない。本当に誰もいなかった。聞こえてくるのは近くの幼稚園からの音楽だけ。雰囲気にそぐわないような音楽だった。木々は完全な紅葉とまではいかなかったが、半分紅葉しているような感じだった。建物までの道もすごく奇麗で、これだけでもここに来た甲斐があったと思う。建物に入ると中には貴重そうな物があったり、とりあえずいろいろあった。順路のようなものがあり、それに従って進む。途中にはトイレがあったり、エレベーターがあったと思う。桜野が「貸して」と僕の手からカメラを取った。そして写真を撮る。金閣寺以降、よく写真を撮るようになった。貸してはいけない、という決まりではあるが、まあいい。そう思っていたが、桜野がカメラを落とした。「きゃっ」と声を出し、「やばいどうしよう」と呟いていた。幸い床が木でできていたので、それがクッションとなり壊れてはいなかった。「ごめん…」とカメラを返す。「壊れてないし、気にしなくていいよ。」と言ったが、また落とすかもしれないからと言われてしまった。

一通り見終わり、帰ろうと思ったところ、看板が立っていた。「←多宝塔はこちら」そこには石でできた階段があった。上を見ると何やら建物があるみたい。柳田が「行ってみる?」なんて言うもんだから、行くことになった。階段はとても急で僕が上るにはきつすぎる。でも杉浦と柳田はあっという間に上ってしまい、もうどこにいるか分からない。磯川さんと桜野も先に行ってしまう。上を見ると…桜野のあれが見えてしまった。なるべく見ないように、でも見てしまう。偽パンは履いていないようで、白いものがこの目にはっきり映った。警戒心が一切ないのかも、と逆に心配になる。踊り場で振り返り、「青柳くーん。だいじょーぶー?」とこちらに言っている。それより桜野の方は大丈夫なのか?しっかりと見えてたよ。なんて言えない。少し急ぎ目で階段を上った。頂上には蔵のような建物が一つ。それだけだった。しかし、そこから見える京都の街並みは、本当に、素晴らしいものだった。ここで京都の街並みをバックに写真を撮った。しかし、逆光になってしまい顔がはっきりと映らない。カメラの設定で逆光モードにして再度写真を撮る。今度はしっかり映ったが、どうしても背景が明るすぎる。仕方がないことなので撮影はこれで終わりにした。そういえばここにも幼稚園からの音楽が聞こえる。だいぶ遠いはずだが。どれだけ大音量なんだろうか。

下に下り、敷地を出た。すごく良いところだった。トイレに行きたくなったので班のみんなに断って行った。すると後ろから桜野も来た。「どこ使う?」「そりゃあ男子トイレ以外ないよ。」「ここ一緒に入らない?」と指したのは多機能トイレ。いくら班員から見えていないとはいえ、それはまずい。何より僕が安心してトイレができない。「ごめん、今はちょっと…」「じゃあ、今じゃなきゃいいってこと?」そうじゃない。諦めて桜野を抱き締めた。桜野も汗、かくんだな。あの時もそうだったか。全く、可愛いやつめ。離すと桜野は赤くなっていた。「トイレ行かなくていいの?」と聞くと、「トイレに行きたくて来たわけじゃないから平気。」と答えた。僕はトイレに入って済ます。手を洗い、外に出ると誰もいなかった。みんなのところに戻ろうとすると「タオル、貸してくれる?」と後ろから声がした。結局、トイレに行っていたらしい。「これ、使ってないやつだから」と言ってリュックからタオルを出した。桜野は無言で受け取り、手を拭く。「ありがと」と言ってタオルを返すと「これ使う?」とハンカチを出して聞いてきた。結局持ってるのか。「大丈夫、持ってるから。」と答えるが、「出すの大変でしょ?」と無理に渡された。手を拭かせてもらい、ハンカチを返した。


みんなのところへ行く途中、桜野が何かを思いついたらしく、「奈保~」と磯川さんを呼んだ。禅林寺をバックに二人の写真を撮ってほしいとのこと。日影だと暗くて写りが悪いので日なたに移動してもらい、写真を撮る。「こんな感じで大丈夫?」と確認してもらうと、桜野がくっついて見てきた。「良い感じじゃない?ありがとー」ということでOKらしい。柳田たちも待っているので急ぐ。

禅林寺を出てすぐのところにカフェがあった。ソフトクリームやパンケーキ、あんみつなど、美味しそうなものがたくさんある。「せっかくだし、寄って行こうか」と柳田が言うので寄ることになった。何を頼んだかは覚えていない。確かみんなソフトクリームを頼んだ。そして店の前で僕を除く4人で写真を撮った。店を出て歩きながらソフトクリームを食べた。桜野が「そっちのも食べたい。」と僕に言う。僕は抹茶にしたが、桜野は別の味だった。ほうじ茶だったかな。「いいけど、少し食べちゃったよ?」と聞くと、「私も食べちゃったけど、交換しよ?」と言われた。まあいいかと思い、交換した。スプーンが付いていれば良かったが、ついていない。舐めるしかない。桜野が舐めたものを僕も舐める。僕が舐めたものを桜野も舐める。桜野が考えていることがなんとなく分かった。持っていても溶けてしまうので舐めてみる。意外と美味しかった。桜野を見ると僕が舐めたところをなぞるように舐めている。これ、普通に好きでもない相手にやられたら最悪なやつだよな。「こっちも美味しいね。」そう言って返すと「え?食べたの?」となぜか驚いた様子だった。「私が食べた後だから食べないと思ってた。」「溶けてきてたから、ね。」「じゃあ、あれだね。」桜野の言う「あれ」ってきっとあれのことだろう。こんなことしてたら班員にバレるんじゃないか、と思うが、磯川さんには多分バレてる。でも男子にはバレてないような気がする。逆に何でバレないのか不思議なレベルではあるが。磯川さんも分かってくれていて、このことを誰かに言うことはなかった。


バスに戻る時間はかなりぎりぎりになってしまい、銀閣を見ることはできなかった。ホテルに戻り、部屋に入る。この後少ししたら夕食がある。また例によってシャワーを浴びてよいらしいが、そこまで時間があるわけではなかったので、今日もやめておいた。

夕食の時間になり、その場所へ行く。様子はいつも通り。この日は確かカレーだったと思う。普通の料理店で出てくるようなカレー。美味しかったんだと思う。あまり覚えていないけど。食べ終わって部屋に戻り、シャワーを浴びる。そして係会をしてその後は自由時間。体温を測るが、昨日のような体温は出なかった。何をしたかまでは覚えていない。明日が最終日で、大きい荷物は送らなければならない。それの伝票に住所とか書いた気がする。忘れ物が無いようにチェックしておいた。そのまま寝てこの日は終了。明日は班ごとにタクシー行動、そして東京に帰る。長いようで短い3日間が明日で終わる。そして桜野との関係も…

今回もお読みいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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