増える群れ
「チュー!」
大きなネズミを倒したら消滅してまた出現した。またスカウト完了だ。
「順調に増えてくな。これならボス戦も楽になるぜ」
おれはそう言いつつ途中仲間にしたアントベアのアリババとミニキャットのタマを見た。
コメ:前から思ってたんだけどスカウトしたモンスターってダンジョン出たらどうなるんだ?
コメ:確かに。スカウトしてから出てこないモンスター多いよな。
リスナーから鋭い指摘があった。
「基本的に魔石としてスマホのストレージに保存される。サモナーはストレージに保管してある魔石に必要な分魔力を払って召喚する職業なんだよ」
おれは改めてサモナーについて説明した。
「それだとスカウトしてから召喚しないモンスターもいそうね」
茜が鋭い指摘をした。
「まあな。赤ゴブリンを潰したフライイングエレファントもなかなか出せないモンスターだ。ランクが高くて大きいと魔力を食うんだよ」
「つまり魔力があまりない分本体を強くしてるわけですか。案外バランス…取れてますかね?」
翼は途中まで言って首を傾げた。
コメ∶どうだろうな。さすがに本体強過ぎだろ。
コメ∶普通にたいていのモンスターより強いよね。
リスナーたちもバランス取れてないと思ってるようだ。おれ自身サモナーの枠から外れ過ぎてるぶっ壊れ能力だと常々思ってるくらいだ。
『私にはバランスとか考えてるようには思えないんだが。ダンジョンにみくるを送り込む前に予習のために色々配信を見たがトップ層はチートスキル持ちばかりだったよ』
闇みくるは淡々とした口調で言った。
コメ∶同感。明らかに不公平だよなあれ。
コメ∶ラノベでもバランスとか全く考えてないよな。
コメ∶神様っていつもそうですよね。
「確かにチートばかりだな。でも上位層の化け物はスキルだけじゃないぜ。スキルの使い方はもちろん、戦術や探索者としての知識も鍛えてるんだ。スキルに頼ってばかりいると足下すくわれるのが探索者なんだよ」
おれはリスナーに説明した。
「そうよね。ダンジョンを攻略しないといけない以上強さだけじゃ立ち行かなくなることもあるのよね。これからたくさん学ばないといけないわね」
茜は気を引き締めた。
しばらく進んでいくとボス部屋が見えてきた。
「よく考えたら猛と会ってから適正レベルのボス戦の配信をするのは初めてかしらね。最初は明らかに高過ぎるランクだったし、前のダンジョンはボス戦の配信自体飛んだし」
茜はしみじみとした口調で言った。
「今回もおれは極力手を出さないぞ。すぐ倒したら経験が積めないからな」
「わかってる。サポートに徹してくれたらいいわ。もしもの時は頼むわね」
茜はおれに指示を出した。
「おう」
やっぱり前のパーティーに比べて居心地がいい。そんなことを考えてる間に茜がボス部屋の扉を開いた。
次はボス戦です。さて、何を出しましょうかね。




