罠の脅威
「行くよ。縮地!」
翼はゴブリンアーチャーに向かって突っ込んだ。
『あ、ダメ!そこには罠が!』
「へ?わっ!」
みくるが注意する間もなく翼が踏んだ罠から黄色いガスが吹き出した。
「うっ。体が…痺れ…」
翼は動けないのか倒れた。反応からして麻痺罠のようだ。
「みくる、翼を守りつつ回収して。望は回復の用意」
茜は的確な指示を出した。
『了解!』
みくるはすかさず腕を飛ばした。本当に便利だなその腕。
「ゴブゥ!」
ゴブリンアーチャーは翼を弓で狙った。
「させるか」
おれはフロッグレッグでジャンプしてゴブリンアーチャーを切り裂いた。
「パラライズヒール。大丈夫ですか、翼ちゃん…」
望は心配そうに翼の顔をのぞき込んだ。
「ありがとう望。すっかりよくなったよ」
翼は体を起こしてストレッチした。
『すまない。罠の場所を伝えるのが遅れた』
闇みくるはすまなそうに言った。
「いや、考えずに突っ込んだボクが悪いよ。ダンジョンなんだからそういうのがあるって警戒しとくべきだったんだ」
翼はそう言って頭を掻いた。
「まだパーティーに加入したばかりなんだ。連携がうまくいかないことはある。大事なのはそういう経験を次に活かすことだ」
おれはみんなにアドバイスした。あまり柄じゃねえけど先輩として教えるくらいはしないとな。
「そうね。悔しいけど私たちはまだ未熟だわ。色々失敗しながら進むしかないのよね」
茜は冷静に言った。本当にいつも落ち着いてるな。
次のフロアに進むと軍隊アリがいた。
「軍隊アリか。集団戦だとめんどくさそうだから不意討ちして数を」
おれが話してる間に茜が大量のボムを出した。
「…茜?」
おれたちが呆気にとられてる茜は杖を水平にしてまとめて軍隊アリに打ち込んだ。
「イグニッション。イグニッション。イグニッション」
茜は狂ったようにボムを爆発させた。当然軍隊アリは散って魔素と魔石になった。
「お、おい。茜?」
おれが何かブツブツ言ってる茜の肩を叩くと目の焦点が合ってきた。
「…ごめんなさい。私虫がどうしても苦手で。つい反射的に」
茜は申し訳なさそうに言った。
「あのな。虫が嫌いなのは仕方ないにしても我を忘れて暴走するなよ。今回はたまたま被害はなかったが爆発に巻き込まれたり落盤事故に巻き込まれたり普通にあるんだぞ。爆裂魔法なんていう広範囲魔法使ってるんだからよく考えろ」
おれは念押しした。茜もわかってるだろうが言っておかないといけないだろう。
「さすがにこのダンジョンで克服しろっていうのも無理だろうな。とりあえず望とみくるは虫出た時の茜の反応をよく見といてくれ」
「は、はい…」
『了解!』
本当に色々課題が出てくるな。でもその課題を一緒に乗り越えようと思えるのはいいことだ。いいパーティーに巡り合えてよかったよ。
茜に弱点を後付けしてみました。今まで虫出てなかったから矛盾はないと思います。




