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ソロ探索開始

「すみません。パーティーの脱退手続きをお願いしたいんすけど」

追放された後おれは探索者ギルドの受付に来ていた。

「え、ビーストキングさん脱退するんですか?ついに見限られたんですね、あのパーティー」

受付嬢の綾辻さんはそう言って口を押さえた。

「いえ。追放されたから先に出しに来たんすよ。あいつらそういうの忘れるだろうし」

「あっちが追放したんですか?!パーティーの要を追放するなんて見る目無さすぎでしょう」

綾辻さんは目を丸くして言った。


「まあ多分元々合わなかったんすよ。あいつらサモナーが目立つなとか言ってたっすからね。いずれどこかで不満が爆発してたんじゃないすかね」

「あー。ビーストキングさん目立ちますもんね。むしろモンスターと完璧な連携をとって攻めるの見てて面白いです。裏方としてサモナーをパーティーに入れた側としてはあてが外れた感ありますよね」

綾辻さんはそう言って苦笑いした。


「それでパーティーメンバーは募集しますか?」

「うーん。今はまだそういう気分になれないっすね。色々気持ちの整理をしてから考えるっす」

おれは綾辻さんに返した。

「わかりました。ならこの脱退届けにサインしたら手続き終了ですね」

綾辻さんはしゃべりながら書類を作成してくれていた。相変わらず優秀だな。

「はい。これでいいっすか?」

おれは脱退届けにサインした。

「はい。これでBランクパーティー無双の剣の脱退手続きを完了しました。明日からのパーティーチャンネルへの投げ銭や広告費は入ってこないのでご注意下さい」

綾辻さんはおれに説明してくれた。

「わかったっす。ありがとうございました」

おれは綾辻さんにお礼を言って探索者ギルドを後にした。


ーー


追放された次の日、おれは1人でDランクダンジョンに来ていた。今後どうするか考える前に気晴らしにソロで探索しようと思ったからだ。

「さて、やりますか」

おれは久々に個人チャンネルで配信を開始した。

「どうも、ビーストキングだ。今日はソロでDランクダンジョンを攻略するぞ」

おれは恒例の挨拶をした。


コメ:あ、ビーストキングだ!

コメ:何で個人チャンネルなんだ?

コメ:いつもの子分たちはどうしたんだよ。


配信を開始するとコメントが流れてきた。見てくれてる人いるんだな。

「なんかサモナーのくせに目立ち過ぎとかいう理由で追放された。元々サモナーを募集したのも雑用として都合よくこき使うのが目的だったんだとさ」

おれはリスナーに説明した。


コメ:何それ。サイテーだろ!

コメ:探索者の人っていつもそうですよね。サモナーのことを何だと思ってるんですか!

コメ:ま、まあこれでうまい物食って元気出せよ。 ¥1,000


「お、投げ銭サンキュー。まあこんなこともあるから探索者のみんなも注意しろよ」

そんな風にリスナーと会話しているとダンジョンの入り口が見えてきた。

「そろそろダンジョンの入り口だな。ここからは撮影用ドローンに切り替えるぜ。浮遊モニターがあるからコメ見れるけど拾い切れなかったら勘弁な」

おれはそう言いつつダンジョンに入った。

「まずは索敵するか。サモン、サーチバット」

おれは定番のサーチバットを出した。


コメ:お、いつものコウモリだ。

コメ:だいぶ便利だよな。

コメ:観賞代払いますね。 ¥500


「投げ銭サンキュー。こいつはサーチバットのブルース。かなり優秀な召喚獣だ。超音波でルートが分かるし、弱点も看破出来る。かなり有能なサポートだぞ」

おれはそう言ってブルースを撫でた。

「次に戦闘要員出すか。サモン、バトルウルフ」

今度はバトルウルフのリマを出した。

「こいつはバトルウルフのリマ。嗅覚も鋭いし結構強い。おれの主力の一体だな」

おれはリマを撫でながら紹介した。


コメ:この狼もよく出るよな。

コメ:かわいい! ¥2,000

コメ:私も撫でられたい! ¥500


「お、おう。ありがとな。じゃ、お次にこれだな。ソウルウェポン、ウルフクロー」

おれが宣言すると両手に狼の爪を模した武器が出てきた。


コメ:さっそく出たな。ソウルウェポン。

コメ:すげえ!かっこいいな。 ¥200

コメ:これってサモナーみんな出来んの?


「いや、どうやらおれだけのギフトらしい。探索者になる前から鍛えてたからダンジョン神が気を利かせてくれたのかね。だったら素直に近接職くれと思わなくもないが」

おれは軽く愚痴った。


コメ:あー。探索者になるとダンジョン神から職業とギフト与えられるんだっけ。

コメ:マジでどういう基準で職業与えられるかわからないよな。

コメ:職業合わなくて探索者諦めるって話も聞くよな。


「まあ人生の選択は人それぞれだ。ギフト欲しいからって理由で探索者登録するって話も聞くしな。そこらへんは悪用して人に迷惑かけなきゃ本人の自由だろうよ」

おれは軽口を叩いてから深呼吸した。

「それじゃ行くぜ。あ、たまにドローンが追い切れないこともあるけど勘弁な」

おれは深呼吸して探索をスタートした。

長くなった割に話進みませんでした。戦闘は次からになります。

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