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新パーティー結成

「猛!お前一体どういうことだよ!」

ギルドに行くと剣也が怒鳴ってきた。

「どうした?配信で追放された経緯を話したから雑用として引き入れようとしたやつに断られたとかか?」

おれは有り得そうな可能性を聞いた。

「そ、そうだ!お前が配信で余計なことを言ったから雑用の募集をしても誰も来ないんだ!どうしてくれるんだよ」

剣也は顔を真っ赤にしておれをにらみつけた。


「おれは事実を言っただけだ。あんな意味不明な理由で追い出すようなパーティーに対する注意喚起をするのは当然のことだろ」

おれは当たり前のことを剣也に告げた。

「この!ふざけやがって!」

剣也はおれに殴りかかってきた。

「新メンバーが欲しいなら心を入れ替えて謝罪動画でも出すんだな。後もっと鍛えろ。サモナーに腕っぷしで負けるアタッカーなんて誰もついてこないぞ」

おれは剣也の拳を受け止めた。

「…クソッ!もうパーティーに戻って来たいって言っても絶対入れてやらないからな!」

剣也は捨てゼリフを吐いて去って行った。


「今のってビーストキングさんが元いたパーティーのリーダーですよね?」

ギルドに入ってきた翼が聞いてきた。

「ああ。『無双の剣』のリーダーだ」

おれは翼に返した。

「あれでBランクパーティーのリーダーなの?ああはなりたくないわ」

茜は呆れた目で剣也が去っていた方向を見た。

「大丈夫ですよ。茜ちゃんは回復しか出来ない私のことも大切にしてくれてますから。仲間を大事にしないあの人とは違います」

 望は力強く言い切った。

「そりゃ私たち回復魔法に頼り切ってるからね。大事にするのは当たり前よ」

茜はしっかりした口調で言った。本当にパーティーメンバーをよく見てるんだな。


「とりあえず報酬の話をするわ。まず魔石は全員均等に分けるってことでいいかしら」

茜は話を切り出した。

「それでいいぞ。倒したモンスター分だと望の取り分がなくなるしな」

おれは茜が出した条件に納得した。

「他のドロップは基本換金して分配する形でいいわね。こん棒とか使わないでしょうし」

茜は最もな意見を言った。

「そうだな。アイテムならともかく武器は売って問題ないだろ。新メンバー入れるにしてももっといい武器買えるだろうしな」

実際の所ゴブリンのこん棒は性能があまりよくない。売って金にするのがベストだろう。


「後言いたいことがあるんだけど」

茜は少しうつむいてから、意を決したように顔を上げた。

「ビーストキング…いえ、獅子王猛さん。私たちのパーティーに入ってくれませんか?」

茜はそう言って頭を下げた。

「あの探索で自分たちがどれだけ無力なのか思い知ったわ。パーティーの力を上げるため、そして私たち自身ももっと強くなるためにあなたの力が必要なの」

茜はそう言ってからまっすぐにおれの目を見た。

「だから私たちのパーティーに入ってほしいの。お願いします」

茜はそう言って再び頭を下げた。

「ボクからもお願いします。猛さんと一緒に戦いたいです」

「どうか力を貸して下さい、猛さん」

翼と望も頭を下げた。


「…わかった。パーティーに入るよ。これからよろしく頼む」

おれは3人に手を差し出した。

「い、いいの?私たちまだFランクだし、高校生だからあまり探索に時間とれないわよ。あんたならもっといい所から勧誘受けてるんでしょ?だからダメ元のつもりだったんだけど」

茜は戸惑いながら言った。

「強いパーティーはもう連携が出来上がってるし、おれに出来ることはほとんどない。それなら発展途上のパーティーに入った方が一緒に成長出来るだろ」

おれはそこで一旦言葉を切った。

「何よりこのパーティーは面白い。お前たちがどこまで行けるか見てみたくなったんだ」

おれが笑いかけると茜は手を取った。

「ありがとう。これからよろしくね、猛!」

茜が掴んだ上に翼と望も手を重ねた。


「ならパーティー名の変更が必要ね。猛要素も入れときましょう」

茜は申請用紙を取ってきて、パーティー名を書いた。

「今日から私たちのパーティー名は『美姫と獣王』よ!」

茜は高らかに宣言した。

「いいね。猛さんが加入した感が伝わるよ」

「仲間が増えたのがわかるからうれしいです…」

翼と望はうれしそうに言った。

「おれもいいと思うぞ。確かに前のパーティー名じゃおれには合ってないしな」

おれは茜に賛同した。

「それじゃ今日から『美姫と獣王』を始動するわよ。みんなで頑張っていきましょう!」

おれたちは手を合わせて、新パーティーとしてやっていくことを誓った。

大分流れが雑ですね。次は新パーティーとしての探索を始めます。

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