表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/36

追放

「食らえ!ハイパーウルトラデリシャススラッシュ!」

剣を持った男が技名を叫んでゴーレムに向かって剣を振るった。


コメ:はいはい。ハイパー何とか。

コメ:ゴーレム『全然効いてないレム』

コメ:↑ゴーレムの語尾かわいいな、おい。


「ゴ?」

ゴーレムは平気そうな顔をして斬撃を受けた所を手で払った。全く効いてないようだ。

「ならこれならどうです!アトミックファイア!」

メガネをかけた男がゴーレムに火を浴びせた。


コメ:はいはい。アトミック何とか。

コメ:ゴーレム『だから効いてないレム』

コメ:やったか?!(フラグ)


「ゴゴ?ゴゴゴ」

ゴーレムは全く効いてない様子でゆっくり動き、剣を持った男を殴った。

「任せろ!ウルトラスーパーシールド!」

盾を持った男が間に入った。


コメ:本当に名前だけはすごいな。

コメ:ゴーレム『そんなの簡単に破れるレム』

コメ:こいつら技名以外大したことないよな。


「う、うわああ!」

盾を持った男はあっさり弾き飛ばされた。

「ゴゴゴ…」

ゴーレムは盾男に更に追撃を加えようとゆっくり歩みを進めた。


コメ:子分のピンチだ。

コメ:ってことは…

コメ:あいつの出番だな。


「サモン。ラッシュライノ」

そんな中後ろに控えていた少年がサイを召喚した。そのまま大男はサイの上に飛び乗った。

「行くぞ。ホーンタックル」

少年が指示を出すとサイはゴーレム目掛けて突進した。


コメ:ビーストキングキター!

コメ:いよっ。待ってました!

コメ:これで勝てるな。

コメ:ゴーレム『あ。終わったレム』


「ゴゴ?!」

ゴーレムは弾き飛ばされた。それと同時に少年の体が宙を待った。

「サモン。ハイドレオン」

少年はカメレオンを召喚した。そのカメレオンは舌を出して少年の足を掴む。

「ソウルウェポン、ライノホーン」

少年の言葉と同時に少年の右手にサイの頭を模した武器が装着された。

「ビーストソウル、チャージ」

少年はライノホーンにオーラを集めた。


コメ:行け!ビーストキング!

コメ:やっちまえ!ビーストキング!

コメ:やっぱりビーストキングかっこいいな。


「ターゲット、ゴーレムのヒビ。行くぞ。タングスイング」

少年が指示を出すと、カメレオンは舌を振るって少年を投げた。

「ホーンストライク!」

少年は飛ばされながらライノホーンを突き出した。

「ゴ…ガァ…」

ライノホーンでヒビの下にあったコアを破壊されたゴーレムは崩壊した。

「シャアッ!」

ゴーレムを倒した少年はガッツポーズした。


コメ:シャアッ ¥50,000

コメ:ナイス! ¥1,000

コメ:ビーストキングマジぱねぇ! ¥300


配信を見ているリスナーからコメントと投げ銭が飛び交っている。このパーティーの人気を支えているのは間違いなくビーストキングと呼ばれている少年だろう。

「「「……」」」

そんな少年を他のパーティーメンバーたちは冷たい目で見ていた。


ーーー


「猛!お前はクビだ!今すぐこのパーティーから出ていけ!」

おれはリーダーの剣也にいきなり追放を宣言した。

「なんでだよ?!おれちゃんとサモナーとして索敵や補助してたし、危ない時に助けたりしてただろ。おまけに新入りとして雑用もこなしてたよな。何で追放されなきゃいけないんだ!」

おれは剣也に抗議した。


「そんなの決まってるじゃないですか。あなたが目立ち過ぎだからですよ」

秀はそういってメガネをクイッと上げた。

「元々あなたをパーティーに入れたのはサモナーなら雑用や地味な仕事でこき使えると思ったからです。なのにあなたは強いモンスターを倒すし、配信でも祭り上げられています。これではまるで私たちの方がおまけみたいじゃないですか」

秀の言葉にもう1人の仲間の守も大きくうなずいた。

「そうだ。サモナーなんかの子分扱いされるなんてもうイヤだ!」

「お前はおれたちが目立つためには邪魔なんだよ!だから追放するんだ。いい加減わかれよ!」

剣也はそう言っておれに指を突きつけた。


「チッ。そうかよ。こんなカッコつけることしか考えてない雑魚パーティーこっちから願い下げだ!」

おれはそう言って勢いよく立ち上がった。

「な、なんだとこの野郎!」

剣也はそう言って立ち上がり、殴りかかってきた。

「フン!」 

おれは剣也のみぞおちにボディーブローを食らわせた。

「ガハッ」

 剣也は腹を押さえてうずくまった。

「最後に忠告しといてやる。目立ちたいならまず力をつけて技を磨け。今のレベルのダンジョンにはついていけてないから、もっと底レベルのダンジョンで鍛え直すんだな」

おれは自分のコーヒー代だけを払い、カフェから出て行った。

さすがに元パーティーを救いようのないアホにし過ぎた感はあります。

一応追放理由に筋は通っているとは思ってますがいかがでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ