表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/81

56.心をひとつに

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」「グレイスちゃんを守れええええ!!「あの黒いバケモノがやべぇモンスターみたいだぞ!!」「触れるなよ、取り込まれるぞ!!」「距離を取れえええ!」「フレイヤさん、俺たちも駆けつけたぞ!!」「ギルド、ネコネコ団も駆けつけましたぁぁ!」「この黒いのがザンキぃ!?」「はじめてみた!」「スレイプニールギルドも参りました!」



 どんどん現れる冒険者たち。



 ……ああ、あの顔ぶれ。



 全員、わたしが受付をした――。




 ひとりひとり見覚えがあった。

 もちろん、覚えている。

 だって、大切なお客様だから。




 総勢1000人が集結した。




 更に……




 帝国・サンクチュアリの騎士たち、3000人。




 インペリアルガーディアンのフォーサイト様も。黄金の剣を構えて、堂々と前へ。……来てくれたのね!




 その中から、白髪の少年がわたしの方へ。

 こ、この子……!


 わたしは思わず、手で口を覆った。

 どうしてこの子が!?



「お久しぶり、お姉さん」

「あ……あなた、ルトくん!?」



 あの一番初めに冒険のキッカケをくれた少年だった。今でもこの笑顔は覚えていた。……ていうか、どうしてこんな場所に?



「その名前は偽名です。改めて名乗りましょう、僕の名前は『アルシュ』です。この帝国・サンクチュアリの皇帝です」



「…………え?」



 今、ルトくん……なんて?


 ぼうっとしていると、フォーサイト様が(そば)に。



「グレイス、この御方は皇帝陛下で間違いありません。陛下こそ、このサンクチュアリの聖域そのものです」



 そう言われ、わたしはポカンとした。


 え、まって……頭の処理が追い付かない。



 ――でも、やっと分かった。



 え、え……ええ~~~~~~!?



「こ、皇帝陛下……」

「ああ、いい。もっと気軽に呼んで。お姉さんは特別だから」

「そ、そう仰られても……」

「さあ、それよりあの四人とザンキだろう」

「は、はい……あれを何とかしないとサンクチュアリが!」



「みんなの力を合わせよう。心をひとつにすれば、勝てる」



 ルトくん……いえ、アルシュ皇帝陛下は純粋な眼差しを向け、手を伸ばしてきた。わたしは握手を交わし、誓った。



「必ず……必ず敵を倒しましょう」

「うん。グレイス、君が指揮を執るんだ」

「……分かりました」



 もうやるべき事は決まっている。

 この絶望的だった状況を打破するには、心をひとつにするしかない。冒険者や騎士たちの皆さんの力を合わせて。




「皆さん……わたしに力を貸してください!! アッセンブルです!!」




「うおおおおおおおおおおおお!!」「しゃあああああああああああ!!」「うああああああああああああああああああ!!」「ザンキをぶっ倒せええええええええ!!」「クソ上層部もぶっ倒せえええええええ!!」「グレイスちゃんを守るんだああああああああああ!!!」「うああああああああああ!!」「冒険者なめんなのよおおおおおおおおお!!」「うおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」「みんな、やっちまええええええええええ!!」「だらしゃぁぁぁぁぁあああ!」




 冒険者たちが一斉に飛び出していく――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ