38.ジェネシス初勤務
ひとり邸宅を出て、真っすぐ『ジェネシス』へ向かった。街の方は活気があって色んな人がいた。
やっぱり冒険者は多いみたい。
通路には露店がズラリと並んで活気がある。つい目移りしちゃって物欲が刺激されてしまう。
わぁっ、あのアイテム気になる~。
装備品も整えたい。
でもそんな高まる冒険心を押さえつけて、わたしはギルドへ向かう。
◆◇ ◆◇ ◆◇
朝早くから冒険者が殺到する大きな建物。
神殿のような作りで、どこか神々しい。
出入り口前には色んな職業の冒険者が達が行き交っていた。
リーインカーネーションよりも賑やかで、まるでフェスティバルのような喧噪だった。
その間を抜けていき、受付を抜けていく。
今のところ翡翠色の髪をした受付嬢さんが対応していた。昨日は見かけなかったような。あんな可愛いコもいたのね。
奥にある部屋の前へ。
そこがフレイヤさんの執務室のようだ。
さっそく、ノックしてみる
すると直ぐに反応があった。
『入ってくれ』
「失礼します……」
扉を開けて中へ入ると、今日もピシっと決まったブラウスとボトムス姿。カッコイイと思うと同時に、元上司も同じ恰好だったなって思った。
いつか……エイルさんにも謝らなければ。
「さっそくだが、これがウチの制服だ」
机に置かれている受付嬢の制服。
赤黒のゴスロリ風。というか、かなりゴスロリ寄り。ちなみに、リーインカーネーションは普通のメイド服風だった。
あれも良かったけど、こっちは断然豪華。
とても可愛い制服。
「今日からジェネシスの受付嬢として頑張ってくれ。更衣室は廊下を出て奥な」
「ありがとうございます。さっそく着替えてきます」
◆◇ ◆◇ ◆◇
ジェネシスの制服に着替えた。
ほぼぴったりのサイズで、バッチリ決まった。
「……自分じゃないみたいです」
「うん、よく似合っている。……やはり、胸はキツかったか?」
「え、ええ……ほんの少しですので平気です」
最近、また成長しているせいかなー…。
それとも単にサイズが合っていないのかな。一応、合わせてくれたみたいだけど。
「そうか、苦しくなければ良いが。変えたい時は言ってくれ」
「はい」
「それじゃ、さっそく受付嬢の仕事をしてもらうが……いきなり総合窓口は荷が重すぎるだろう。クエスト専門の受付があるから、今日はそっちへ行ってもらう」
「分かりました。お任せください」
幸い、帝国周辺のダンジョンとかモンスターにも詳しかった。昔住んでいた時に本とかで散々勉強したから知識は残っていた。
「よし、じゃあ始めるぞ」
「よろしくお願いします!」
わたしは『ジェネシス』のギルドの受付嬢として……
やっと一歩を踏み始めた。
がんばろう。
みんなの為に。
わたしの冒険の為にも!