34.お誘い
食事を終え、部屋に戻る前に声を掛けられた。
「グレイス……いいかい」
その優しい声は、フォーサイト様。
わたしは振り向いて……仕事の笑顔ではなく、本来のわたしを向けた。
するとフォーサイト様は、少しだけ顔を赤くされていた。
「……その、冒険が好きなんだって?」
「え、ええ……」
「アルムから聞いてね。その……明日から仕事で大変だろうけど、少しだけ外へ出て見ないかい」
「え……」
すっごく嬉しいお誘いだった。
断るなんてとんでもない。
しかも、フォーサイト様からの!!
嬉しすぎ~!
「大丈夫です。四時間残業を一ヶ月もやったことあるので、少しくらい睡眠時間を削ってもへっちゃらです」
「そうか、さすがグレイス。じゃ、パーティを組もうか」
みんなにはナイショで、わたしはフォーサイト様とパーティを組み、外へ出た。
◆◇ ◆◇ ◆◇
そういえば、随分とステータスを見ていなかった。久しぶりに確認しよう。
★★★ ★★★ ★★★
【Name:グレイス】【Lv.27】
【Class:聖女】
【Status】
STR19(+30) AGI36(+30) VIT1(+30)
INT01(+30) DEX10(+30) LUK1(+30)
【Skill】
[受付嬢の心得] Lv.10(Max)
[打撃] Lv.6
[ディバインナックル] Lv.3
[覇王爆炎拳] Lv.1
[覇王激流拳] Lv.1
[覇王天翔拳] Lv.1
[覇王岩礁拳] Lv.1
【装備】
[上段]:
[中段]:
[下段]:リング付ネックレス
[武器1]:オープンフィンガーグローブ(右)
[武器2]:オープンフィンガーグローブ(左)
[サブ武器]:
[盾]:
[鎧]:ブラウス(白)
[肩]:
[靴]:リボン&フリル付パンプス
[アクセサリー1]:
[アクセサリー2]:
★★★ ★★★ ★★★
メテンプリコーシスを飛び出してから、まともに冒険に出ていないから変化に乏しい。変わったと言えば、下段と鎧くらいだろう。
……代り映えがないなぁ。
なんて落ち込んでいると――
「グレイス、俺のステータスも見るかい」
「え、フォーサイト様の? いいのですか」
「ああ、これから一緒に冒険する仲だろう。お互いの事を知っていた方がいい。俺もグレイスのステータスを見せて貰っていいかな」
「は、はい……」
むしろ、もっと知って欲しい。
わたしも彼をもっと知りたい。
「じゃあ、これが俺のね」
と、ステータスを向けられた。
★★★ ★★★ ★★★
【Name:フォーサイト】【Lv.81】
【Class:インペリアルガーディアン】
【Status】
STR70(+05) AGI70(+10) VIT20(+08)
INT01(+20) DEX01(+10) LUK65(+05)
【Skill】
[騎士道] Lv.10(Max)
[斬撃] Lv.10(Max)
[騎乗] Lv.10(Max)
[ヒール] Lv.3
[バーレイグ] Lv.7
[オートシールド] Lv.5
[オートリフレクト] Lv.3
[オートチャージ] Lv.2
[ガグンラーズ] Lv.1
【装備】
[上段]:
[中段]:ホーリーピアス
[下段]:真贋
[武器1]:
[武器2]:
[サブ武器]:
[盾]:
[鎧]:+7キングスアーマー
[肩]:+7天啓の外套
[靴]:+7キングスグリーブ
[アクセサリー1]:ガントレット[改]
[アクセサリー2]:ガントレット[改]
★★★ ★★★ ★★★
「――――」
す、すご……。
あまりに多くの情報がありすぎて……頭が混乱した。な、なにこのステータス。能力値もそうだけど、スキルも多いし、装備も充実してる。
でも、武器がないような?
「うわぁ……」
「どう、グレイス」
「凄いです。高レベルになると、こんなに違うのですね」
「まあね、グレイスは『Lv.27』か。よし、俺が壁をしてあげるよ」
「壁? って、あのペア向けのレベリング方法ですよね。高レベルの方がモンスターの盾となり、ターゲットを取って……」
「そ、それ。俺がモンスターのタゲを取っておくから、グレイスはそれを殴るんだ。そしたら、ほら簡単にレベルアップするだろう」
なるほど、その手が!
今はとにかくレベルアップしないと話にならないし。フォーサイト様にご迷惑も掛けられない。
「よろしくお願いしますっ」