ホワイトスクール 4
次遅くなります。待っていただけると嬉しいです
ただいまを言うべき人はいても、ただいまを言う人はいない。家族なんてそんな物だ。特に、ホワイトスクールに通っている息子を誰が歓迎するというのだろうか。直接自室へと向かい、ベッドに倒れ込む。疲れていなかったが、どこかが酷く疲労しているような感じがした。
「ああ……クソ」
思い出すのはやはり帰り。きっと他のイケてる男ならもっとうまい切り返しが出来たはずなのに。あそこで喋りが途切れることなどなかったはずだ。女子と喋ったあとはいつもこう自己内省をしてしまう。
男子同士なら失敗はしないのに。
まぶたが重い。逆らうことのできないものにはあらがわない主義だ。意識が途切れ、そして、俺は、夢を見る。
夢を見ているのは分かっていた。だが同時に、今まで夢を見ていたのだなぁという、奇妙な感慨もあった。目の前には黒い、見知らぬ人が立っていた。おそらく青年だった。どうにも見覚えはなかった。ただ、人に対する形容としては不適切だが、どこか抽象的な感じがした。
彼は俺に二枚のコインを渡してきた。なぜだか彼の言いたいことが分かった。
(この内綺麗な方のコインが価値のないもので、この内汚い方のコインが価値のあるものか)
彼の顔から、この内どちらかを選ぶように催促されているのだと分かった。
(ただしどちらのコインも譲渡する事は出来ない)
下らない問だった。夢ですらそう思う。だのに、俺は悩む間もなく汚い方のコインを投げ捨てた。男は満足したかのように、いつの間にか消えていた。
俺は満足する。理由もわからずに。そして急に悪寒に襲われる。風邪のような。
これを身に着けたことで俺はどうなるのだろうか?もっと言えば、これらを身に着けたことで。
宝石を身に着けてさえ、俺は、俺は何も変わらない。
これではいけないのはわかってるのに、なにをどういしたところで、どうなるわけでもないのに。
夢は終わった。
いつの間に覚醒したのか、俺はベッドの上で目を開いていた。
夢はその人の無意識下の思考であるという。
だから、これの意味するところは、つまり。




